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10・14「自衛隊中央観閲式」粉砕に決起せよ
(1283号8面)

「1年繰り上げの朝霞「中央観閲式」を粉砕せよ

 8月17日、防衛省は、「平成30年度自衛隊記念日記念行事について」なる発表を行ない、「中央観閲式」を、10月14日に陸上自衛隊朝霞駐屯地(東京都練馬区、埼玉県朝霞市・和光市・新座市)で行なうことを明らかにした。

 自衛隊の「観閲式」は、航空自衛隊による「航空観閲式」、海上自衛隊の「自衛隊観艦式」と陸自が担当する「中央観閲式」が1年毎に順番に開催されてきた。一昨年は、陸自朝霞駐屯地で「中央観閲式」を行ない、昨年は、空自百里基地での「航空観閲式」を予定していたが、台風接近による悪天候のため初めて中止している。順番では、今年は、海自の「自衛隊観艦式」だったが、防衛省は、「オリンピック開催」を理由にして順番を入れ替えている。「オリンピック開催」が何故「観閲式」開催の順番の変更になるのか。防衛省は、「朝霞駐屯地がオリンピックの射撃競技会場に使われるから、来年開催予定の『中央観閲式』を早めた」と説明している。

 この「観閲式」の順番の変更をめぐっては、様々な憶測がなされている。海自や空自は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)からの「ミサイル防衛」を理由にして護衛艦や警戒機の出動が激増している。海自は、2014年度から地方隊の訓練展示ができない状態になっており、空自も、任務増大によって疲弊し、昨年予定していた「航空観閲式」の予行日を、前日の1日しか確保できない状態になっている。今年の「観閲式」の順番の変更は、海自に全国から部隊を集める必要がある「観艦式」を行なう余裕がないからといった指摘もされている。しかし、この「観閲式」の順番の変更は、本年3月、陸自の部隊を一元的に運用する「陸上総隊」が創設されたことが理由であろう。

 自衛隊の部隊運用は、防衛大臣の下に統合幕僚本部があり、その下に、空自は、「航空総隊」があり、「航空総隊司令官」が全国の部隊の運用を行ない、海自は、「自衛艦隊」を統括する「自衛艦隊司令官」が全国の機動運用部隊を一元的に運用(地方警備部隊は五人の地方総監が運用)している。空自と海自では「有事」の際に防衛大臣が統合幕僚長を通じて1人の司令官に命令を下せば、全国的な部隊展開が可能である。一方、陸自では、最上級部隊として北部・東北・東部・中部・西部の各方面隊が並立しており、防衛大臣は、各方面隊を統括する5人の方面総監に個別に命令を下さなければならない。

 このため方面隊ごとに調整する必要があり、非効率との指摘がされていた。

「陸上総隊」創設をもってする自衛隊の実戦軍化を許すな

 この問題を「解決」するものとして、陸自の部隊を一元的に運用する「陸上総隊」と、それを統括する「陸上総隊司令官」の創設があったのだ。2013年12月、安倍政府は、「陸上総隊を新設、中央即応集団を廃止し、その隷下部隊を陸上総隊に編入する」とした「中期防衛力整備計画」を閣議決定した。2015年5月、安倍政府は、「防衛省は、2017年度をめどに、数百人規模の司令部を朝霞駐屯地に設置する」と決定した。そして2017年5月、「陸上総隊」創設などの「自衛隊法」改悪を強行し、既存の中央即応集団を廃止し、2018年3月に「陸上総隊」を創設したのだ。

 「陸自部隊の一元的な運用」、そのための「陸自総隊」の創設は、何を意味するのか。それは、本年3月、安倍政府―防衛省が、佐世保の陸自相浦駐屯地に、「日本版海兵隊」である「水陸機動団」を創設したことが大きく関係している。この「水陸機動団」は、2100人体制で創設されたが、部隊の規模はさらに3000人以上に増強することも計画されている。つまり、朝鮮反革命戦争への突入の際には、これまでの陸自の5方面の壁は、朝鮮半島への「殴り込み部隊」=「水陸機動団」を増強するためには阻害要因でしかないのだ。陸自の5つの方面隊は、「専守防衛」を基調にして編成された。しかし、朝鮮反革命戦争への突入に当たって必要な実戦部隊を作っていくためには、じゃまでしかなく、陸自を「専守防衛」から攻撃型の部隊に転換させ、方面隊をまたぐ形で指揮権限を一元化するための「陸上総隊」創設だったのだ。

 このように、本年度の朝霞駐屯地での「中央観閲式」は、朝鮮反革命戦争への突入を見すえた陸自の攻撃型部隊への転換を目的に強行されようとしている。これを打ち砕く「中央観閲式」粉砕の闘いを叩きつけねばならない。

戦争遂行と戦時国家体制形成の安倍極右政府打倒へ

 陸上自衛隊のホームページでは、「中央観閲式」の目的を、「自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣(観閲官)の観閲を受けることにより、隊員の使命の自覚及び士気の高揚を図るとともに、防衛力の主力を展示し、自衛隊に対する国民の理解と信頼を深める」としている。つまり、朝霞「中央観閲式」は、「最高指揮官」・安倍が、朝鮮半島をめぐって、南北関係、米朝関係が好転へと向かうことを何としても阻止し、「南北対話」「米朝対話」をぶち壊して、早く戦争にもっていこうと躍起になっている中で、自衛官に朝鮮反革命戦争に突入する覚悟を固めさせ、戦意高揚を図り、日帝の軍事力を誇示し、労働者人民を戦争動員する目的をもって強行されようとしている。

 前回の2016年の朝霞「中央観閲式」では、自衛隊員約4000人、戦車など車両約280両、航空機約50機が朝霞一帯に集結して、戒厳体制下で強行されている。さらに、米海兵隊のMV22Bオスプレイが「祝賀飛行」を行ない、これを安倍政府の関係者は、「日米同盟をより深化させたものだ」なぞと自慢し、日・米の共同作戦を遂行する態勢を構築することを露わにしている。

 地元自治体である朝霞市は、ホームページで、「9月下旬ごろから訓練および予行等を開始するため、航空機の飛行等により大きな音等が生じることがあります。周辺の皆さんには、ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いします」なぞと言い、「歓迎」と「協力」を強要し、戦時国家体制形成の片棒を担いでいる。

 安倍は、9月20日投開票の自民党総裁選への立候補者演説会で「改憲案を臨時国会に提出することを目標にする」と宣言している。総裁選で「三選」を果たし、臨時国会での改憲発議―来年夏の参院選の前に改憲にむけた国民投票へと突き進もうとしている。朝鮮反革命戦争突入にむけた臨戦態勢構築も激しく進めている。地上配備型ミサイル迎撃システム・「イージス・アショア」の導入を急ぎ、陸自相浦駐屯地の「水陸機動団」を朝鮮半島に輸送するために、オスプレイの佐賀空港配備をねじ込んでいる。

 安倍の戦争遂行と戦時国家体制形成攻撃を粉砕する革命的反戦闘争の爆発を何としても実現しなければならない。10・14朝霞「中央観閲式」粉砕現地闘争の大爆発をかちとれ。


10・14「自衛隊中央観閲式」粉砕闘争

日時 10月14日(日)  午前10時
場所 東武東上線朝霞駅南口広場(予定)
主催 全国反戦・全学連


※集会後、朝霞駐屯地への進撃デモ