沖縄青年実が基調を提起
沖縄では4月28日、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会(沖縄青年実)が呼びかけた4・28闘争実行委員会の主催で、那覇市内において集会とデモが取り組まれた。
集会場の牧志公園には、開始時刻を前に、闘う仲間たちが結集してくる。正午、「4・28闘争を闘うぞ」、「沖縄解放をかちとるぞ」という一帯を揺るがすシュプレヒコールを受けて、司会の同志が開会を宣言する。「今日は、沖縄が米帝に売り飛ばされ、軍政下に置き捨てられてから、66年目の『屈辱の日』だ。同時に2年前、うるま市に住む20歳の女性が、米国籍の元海兵隊員で米空軍・嘉手納基地内に勤務していた米軍属の男によって、無惨に殺害されるという事件が発生した日でもある。天皇と日本帝国主義による沖縄の利用と切り捨ての歴史、そして〈基地・沖縄〉の強要という現状への怒りを新たにし、沖縄人民解放をめざして、本日の集会とデモを戦闘的に闘いぬこう」と呼びかける。集会は、最初から熱気に包まれる。
まずは、沖縄集会に寄せられた沖縄反戦労働者からの連帯メッセージ(全文別掲)の紹介だ。熱いメッセージに、参加者から盛大な拍手が沸き起こった。
続いて、沖縄青年実の同志による基調の提起だ。
「『サンフランシスコ講和条約』から66年、『返還』から46年という歳月は、米軍の出撃拠点にされ踏みにじられてきた歴史、日帝の統合支配のもとで差別・抑圧に苦しめられてきた歴史であり、これらに対する激しい抵抗の歴史だった。われわれの先輩たちは、4・28―5・15を、『怒りと闘いの日』として、反戦・反基地の闘い、日帝による統合支配―差別・同化攻撃との闘いを貫いてきた。この歴史を引き継ぎ、われわれこそが闘いの先頭に起とう」「『南北首脳会談』が11年ぶりに開催され、歴史上初の『米朝首脳会談』も、6月上旬までに開催の予定となっている。しかし、これで『戦争の危機は去った』と考えることは到底できない。『米朝首脳会談』では、戦争恫喝を背景に、一方的な核放棄―武装解除の要求を、『最後通牒』として突きけてくることは必至だ。対話がどこかで不調に陥った時点で、即座に戦争に突入すると見なければならない。戦争が始まれば、米軍基地が集中する沖縄はその出撃拠点となる。こんなことを絶対に許すわけにはいかない。朝鮮反革命戦争を粉砕する革命的反戦闘争を爆発させよう」「現在、機動隊、海保の激しい暴力のもとに、米海兵隊のキャンプ・シュワブ南側沿岸部(辺野古沖)で、護岸工事が急ピッチで進められており、沖縄防衛局は、これらの護岸によって海の囲い込みが終わった区域から、本格的な土砂投入―埋め立てに入ると言われている。その時期は、7月と報道されている。しかし、こんなことで諦める者は誰もいない。4月23日からは、『辺野古ゲート前連続6日間500人集中行動』が取り組まれ、工事用車両の搬入を阻止しようと懸命の闘いが続けられている。われわれは連日、現地行動に参加しともに闘ってきた。辺野古現地に集中し、護岸工事―埋め立て工事を阻止しよう」
戦闘的デモを闘いぬく
沖縄青年実の同志は、最後に、「沖縄労働者人民に強制された一切の矛盾の解決は、日米安保を粉砕し、帝国主義軍隊と日米軍事基地を解体することであり、日帝の反革命統合支配=同化・差別攻撃を粉砕することだ。そのためには、政府打倒・国家権力解体へと向かう革命的反戦闘争、実力・武装の闘いを通した沖縄人民解放闘争の前進・飛躍を闘いとることが不可欠だ。〈沖縄ソビエト樹立を一環とした沖縄―日本『本土』を貫くソビエト権力樹立、プロレタリア解放―沖縄人民解放〉の旗幟を鮮明にして闘おう。沖縄―日本『本土』を貫く革命的共同を強化して闘いぬこう。反共ファシストを撃滅しよう」と呼びかけて、基調を締めくくった。
圧倒的な拍手で基調が確認される。
集会の最後は決意表明だ。沖縄・首里日雇労働組合(沖日労)の仲間が発言に起つ。「おれたちは、基地と戦争に絶対反対だ。おれたちは、失業と貧困を許さない。だから反戦と反失業の闘いを組合活動の二本柱にすえて活動してきた」「辺野古では、埋め立てに向けた護岸工事が激しく進められている。おれたち沖日労は、工事を阻止するために、毎週交代で辺野古のゲート前に行き、座り込みに取り組んできた。今日は、『連続6日間500人行動』の最終日にあたり、わが沖日労の仲間が、現地行動に参加している。現地に集中して必ず工事を阻止しよう」「同時に、沖縄における『日雇雇用保険制度』の適用拡大、『公的就労対策事業』の実施などを求めて、沖縄労働局、沖縄『県』、那覇市に対する要求行動も強めていく決意だ。基地も戦争も失業もない沖縄を目指して、ともにがんばろう」と訴えた。
沖縄青年実の同志は、「われわれの先輩たちは、4・28―5・15を『怒りと闘いの日』として、反戦・反基地・反安保の闘い、天皇制と日帝国家との闘いを、今日に至るまで貫いてきた。この歴史を引き継ぎ、沖縄青年実は闘いぬく」「4月27日に『南北首脳会談』が開催され、6月には『米朝首脳会談』の開催が予定され、『対話ムード』『緊張緩和ムード』が漂っているが、楽観は許されない。戦争の際には、間違いなく沖縄から出た米軍や自衛隊が、朝鮮半島で殺戮と破壊をやることになる。こんなことを絶対に許してはならない」「3・27天皇来沖阻止闘争を引き継ぎ、国際通りデモをやりぬこう」と熱く提起した。
午後1時、集会を終えた部隊は、隊列を整え国際通りに撃って出る。青ヘルのデモを目の当たりにした沿道の人々から、次々と拍手が送られる。その中を、「安保粉砕」、「基地解体」、「政府打倒」、「沖縄解放」の声高く、部隊は進む。「ガンバレー」と熱い声援を送ってくれるおばあがいる。店内から出てきて拍手を続ける店員もいる。沿道のあちこちでシャッターが切られる。労働者人民の熱い注目と共感を集めて、部隊はデモをやりぬいた。
沖縄青年実は、4・28闘争の成功を力に、5・15闘争の大爆発へ、沖縄解放闘争の勝利へと、全力で進撃する決意だ。
沖縄反戦労働者から寄せられたメッセージ
4月28日は、1952年、日本の独立と引き換えに沖縄が米国に売り飛ばされた日です。同時に、ちょうど2年前、うるま市に住む20歳の女性が、嘉手納基地に勤務する米軍属によって無惨に殺害された日でもあります。今年は、沖縄戦から73年、「屈辱の日」から66年、「復帰」から46年になりますが、その間、沖縄が置かれ続けてきた抑圧状況は少しも変わっていません。
しかし、沖縄労働者は、誰もこの状況を諦めてはいません。沖縄の戦後史は抵抗の歴史であり、今も、名護新基地建設阻止の闘いをはじめ、頑強な闘いが続いています。戦後の日本に民主主義は根付きませんでしたが、沖縄では、民衆自身の手で真の民主主義を獲得しようという闘いが、脈々と引き継がれているのです。
安倍政権の暴走はひどくなる一方ですが、新基地建設を阻む辺野古の闘いは、安倍政権の悪政・暴政を撃つ最前線に位置する闘いです。戦争を阻む闘いの最大の砦です。絶対に負けることはできません。新基地建設阻止、全基地撤去、安保粉砕、沖縄解放のために、ともに闘いましょう。皆さんの健闘を願っています。
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