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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

 4・1 「障害者総合支援法」施行5ヵ年糾弾闘争を闘う
(1267号1面)

常盤公園で決起集会

 4月1日、全国「障害者」解放運動共闘会議(全「障」共)は、東京において「障害者総合支援法」施行5ヵ年糾弾闘争を闘いぬいた.

  全「障」共の下に結集する「障害者」をはじめとする全国の闘う仲間が東京の常盤公園に結集する。正午、「『障害者総合支援法』施行5ヵ年糾弾!」「『障害者総合支援法』粉砕!」「介護の商品化粉砕!」「差別糾弾闘争で闘うぞ!」「安倍極右政府を打倒するぞ!」のシュプレヒコールで闘いは開始される。

 全「障」共全国幹事会が基調を提起する。

 「『障害者』の〈自立と解放〉を阻む悪法=『障害者自立支援法』を一部見直しただけの『障害者総合支援法』が施行されてから、今年で5ヵ年を迎えます。怒りも新たに本日の闘いを闘い抜こう」「『支援費制度』―『障害者自立支援法』―『障害者総合支援法』による介護の商品化は、『障害者』と介護者との間に介護事業者という資本を介在させ、介護を資本の利潤追求の手段に変質させ、〈共闘・共生〉の条件を破壊するものであり、『障害者』と介護労働者を縛る資本の鉄鎖を強化するものに他ならないものです」「『障害者』の〈自立と解放〉に向けた要求と介護の商品化とは、全く相反するものです」「『障害者総合支援法』は、介護の商品化に貫かれたものである以上、『措置制度』からの改悪ということであり、差別糾弾闘争で粉砕しなければなりません」「ヘルパー利用一つとっても、地域差はあれども、『外泊でのヘルパー利用禁止』『県境を越える介護の禁止』『政治活動のための利用禁止』など、各地の行政の策定した基準で禁止事項を作り、『障害者』の行動を規制しています。これらのことが、『障害者』が〈自立と解放〉を実現するために必要不可欠な活動を行なうことを困難にしているのです」「介護の商品化に反対せず、『障害者の自立と社会参加』や『自立と完全参加』なるスローガンを掲げる運動は、『障害者』がこの資本主義社会における経済活動や社会活動に、『健常者』との格差を是正して参加させろと要求する運動です。その運動から得られるものは、資本主義社会の経済状態やそれに規定された政府の意向によって左右されます」「世界大恐慌爆発情勢が深化する中、改憲と核武装に突き進む安倍極右政府のもとで、社会保障の切り捨てが進行しているのに、『障害者』の『介護サービス』だけが手厚く保障されるなどということはありえず、また、運動そのものがファシズム優生思想にとりこまれる危険性をはらんでいます」「『障害者』の〈自立と解放〉のスローガン、そして差別糾弾闘争こそが、未来を切り拓く力なのです」「私たち全『障』共とともに『障害者総合支援法』撤廃をかちとり、介護の商品化を粉砕しよう! 差別糾弾闘争を圧殺し、非合法化する『障害者差別解消法』の撤廃をかちとろう! 『心神喪失者等医療観察法』撤廃かちとり、保安処分施設を解体しよう! 『精神保健福祉法』の改悪を許さず、『精神保健福祉法』の撤廃をかちとろう。『病棟転換型居住系施設』を粉砕しよう! 『脳死―臓器移植法』撤廃をかちとろう! 『安楽死・尊厳死』法制化を阻止しよう! 差別糾弾闘争の前進かちとり、戦時『障害者』差別―抹殺攻撃を打ち破ろう!改憲と核武装に突撃する安倍極右政府を打倒しよう!」。

 全「障」共全国幹事会の基調提起が参加者全体の拍手で確認される。

日比谷公園まで戦闘的デモ

 その後、デモに移り、全『障』共に結集する「障害者」を先頭とするデモ隊は、東京駅付近や銀座の街を席捲し、人々の注目を集める。デモ隊は、厚生労働省近くに進撃し、怒りを込めて、「『障害者総合支援法』施行5ヵ年糾弾!」「『障害者総合支援法』粉砕!」「介護の商品化を粉砕するぞ!」「『差別糾弾闘争で闘うぞ!』「戦時『障害者』差別―抹殺攻撃粉砕!」「安倍極右政府を打倒するぞ!」というシュプレヒコールを叩きつけながら、日比谷公園までのデモを戦闘的に闘いぬいた。

 日比谷公園に到着後、全「障」共の仲間の司会の下で総括集会が行なわれ、この闘いに結集している全「障」共の各団体からの決意表明を受ける。

 集会の初めに、体調不良のため、結集できなかった沖縄の闘う「精神障害者」からの連帯アピールが読み上げられる。

 「『障害者支援法』が施行されてから、沖縄の至る所で目に付くようになったのが、就労移行支援、就労継続支援A型、B型なる施設や事業所です。これらの施設や事業所は、『障害者』を食い物にしているに過ぎません。利用する『障害者』に安い『工賃』や賃金を支払い、それを当然として『障害者』に強権的に容認させています。しかも、就労支援というのであれば、『障害者』への様々な専門知識や経験が求められるはずです。例えば、社会福祉士や精神保健福祉士などがいてしかるべしですが、専門知識を持った職員は皆無に等しく、もとの職歴は、例えば調理師であったり、パチンコ店の店員であったりといった具合で、およそ『福祉』の分野とは縁もゆかりもない職歴の持ち主らが、支援員なぞといって施設や事業所内を『仕切って』いるのが実態です。単なる行政からの『助成金』目的でこういった『貧困ビジネス』という『商売』を行なっている。まさに腐敗の極みである。そして、『障害者』の尊厳を著しく侵害している。さらに、それらの職員の上司にあたる『サービス責任者』なる者達も、『障害者』に関する知識なぞ、ほとんどまともに持ち合わせていないというのが現状です。そもそも、『障害者』の相談に乗り、支援をするという事が何故、「サービス」という商品になるのだろうか。しかも、『健常者』と区分けさせられた空間で、『障害者』だけを集めて労働をさせる。そのこと事態がが極めて不自然である。『ノーマライゼーション』とほざきながら、地域社会での労働現場から切断された空間で、『障害者』だけを集めて労働させる。あるいは、『健常者』と混ぜて労働させるが、『健常者』側の労働者が、全く『障害者』のことを知ろうともしない。差別視しながら一緒に労働しているという、腐敗まみれの労働空間を『障害者』側に強制している。断じて許せない!これらの空間にファシズム優生思想が入り込んでくるのは容易なことである。こういった『支援』という名の『障害者』を食い物にしている施設・事業所の存在を許している『障害者総合支援法』を断固、撤廃させましょう」「沖縄は、とりわけ『精神障害者』の人たちが多い地域ですが、それも、あの『沖縄戦』が沖縄社会を破壊した事が大きな原因です。こういった施設・事業所は、『身体障害者』の人も多くいますが、特に『精神障害者』の人たちを『身体障害者』の人達以上に多く狩りこみ、その受け皿となりつつあります。真面目に就労支援をやる気もないのに、ただただ助成金欲しさに狩りこむ。朝鮮反革命戦争に向かって突撃する日帝・安倍政府が、沖縄を出撃基地として要塞化し、強化する中で、戦争に役立たない沖縄内部の多くの『障害者』全体は、やがてこういった施設・事業所の中で『飼い殺し』のように抹殺されていくでしょう。日帝・安倍政府の『障害者』抹殺のための悪法でしかないこの『障害者総合支援法』を断固撤廃させましょう」「名護新基地建設阻止の闘いは、沖縄の『障害者』解放運動と連動し、相互媒介的に噛み合う時、沖縄人民解放闘争として、その大きな闘いの高揚をみせるでしょう。沖縄と日本『本土』を貫く革命的共同で、この悪法を撤廃させ、『障害者』解放の闘いを勝利させていこうではありませんか!」。

日比谷公園で総括集会

 続いて、これも体調不良のために参加できなかった宮城・「障害者への公的介護保障を求める会」で活動している「障害者」からの連帯アピールが読み上げられる。

 「本日は、体調が悪くて、残念ながら闘いには参加できません。今後も共に闘っていく決意です。『障害者』の介護をめぐる状況は一段と厳しくなっています。今年1月末の新聞で、『介護の大手資本が各地拠点から撤退か』という報道がありました。理由は、介護労働者の減少などと言われていますが、根本的には介護制度などへの『市場原理』『競争原理』の導入が問題なのです。『障害者』の生活と自主的活動にとって必要不可欠な介護を、『利益がない』とする介護資本の身勝手さと政府の差別政策によって切り捨てているのです。『共闘・共生』の思想をもって介護関係を築き、『障害者総合支援法』を打ち砕きましょう」

 引き続いて、闘いに結集している全「障」共の各団体からの決意表明を受ける。

 刑法改悪阻止関東活動者会議の仲間は、「『障害者自立支援法』から『障害者総合支援法』に変わっても、『介護の商品化』は変わってはいない。利潤追求と失業を必然とし差別を再生産する資本主義社会の枠の中に落とし込めるものであり、断じて許せない。政府は、相模原市の『障害者虐殺事件』を口実として『精神保健福祉法』改悪を策動しており、措置入院の強化や退院後の警察も含めた地域監視体制の強化を狙っている。『精神保健福祉法』の改悪を許さず、法の撤廃まで闘う。資本主義の危機と本格的戦争が切迫しており、『優生思想』が強化されている。戦時『障害者』差別―抹殺政策と対決し、安倍極右政府打倒を闘う」。

 「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間は、「今年の2月15日、『鈴木国男氏虐殺42ヵ年糾弾集会』に取り組み、多くの仲間の参加で成功をかちとった。寄せ場には、『精神障害者』の仲間がたくさんいる。『精神障害者』の仲間たちへの差別を絶対に許さない闘いを作っていかなければならない。『精神障害者』への治安管理を強化する『精神保健福祉法』改悪を許さず闘う。『反戦・仕事よこせ』の闘い、あらゆる差別を許さない闘いを闘っていく」。

 「広島・『障害者』解放を進める会」の仲間は、「『障害者総合支援法』施行から5ヵ年が経過したが、今日も、事業所は、利潤追求のために介護事業を行なっている。『障害者』と『健常者』が介護利潤のために分断されている。『障害者総合支援法』粉砕まで闘う。『精神障害者』に対する治安管理を強める『精神保健福祉法』改悪を許さず闘う。『障害者は、戦争に役に立たないから抹殺する』という攻撃に対し、全『障』共の仲間と共に、『障害者』解放、安倍政府打倒を闘う」。

 全「障」共と闘う仲間は、警察権力・公安私服、公園管理側の「集会をやめろ」という執拗な規制をはねのけ 参加団体の発言を全体の拍手で確認しながら集会をやり抜く。

 最後に、司会が、今日の闘いを全「障」共が先頭を切って最後まで闘いぬいたことを明らかにする。そして、参加者全体で、シュプレヒコールをあげ、この日の闘争を締めくくった。 全「障」共の躍進を実現し、革命的『障害者』解放運動の飛躍・前進を切り拓こう。