陸自・相浦駐屯地（長崎県佐世保市）で「水陸機動団」の「発足式典」
３月２７日、陸上自衛隊「水陸機動団」が発足した。
「水陸機動団」は、２１００人体制で発足し、２個の機動連隊、戦闘上陸大隊、後方支援大隊などで構成する部隊である。まさに、「日本版海兵隊」そのものである。２０１８年度末には、約２４００人になり、将来的には３０００人規模にまで拡充するとされる。長崎県佐世保市の、相浦駐屯地に本部が置かれ、佐世保港内の崎辺地区１３・４ヘクタールを分屯地として、主要部隊の水陸両用車部隊を配備する。分屯地の新施設は、今年１２月に完成予定とされ、発足時の隊員約２１００人のうち約１８４０人が市内を拠点とする。そして、北部九州一帯に関連施設が設置される。一個連隊６００人を沖縄の米海兵隊のキャンプ・ハンセンに配備する計画もある。
発足を前にした３月２２日、陸上幕僚長・山崎は、「離島侵攻への対処能力の向上、米国や海上自衛隊との連携強化を図る」としている。「水陸機動団」は、「島嶼防衛」のための部隊とされ、「中国の海洋進出」に対処するための「南西諸島防衛」と称して九州北部の基地に配備される。しかし、その実態は、「日本版海兵隊」そのものである。世界中のあらゆる場所に展開し、どの部隊よりも真っ先に「敵地」に踏み込み、「橋頭堡」を確保することを主任務とした強襲部隊であり、戦闘機や軍艦による爆撃のための誘導任務も行なうとされる。
自衛隊の組織図から見ても、「水陸機動団」は、陸自内でも�猜務吻甍靴い任△襦�３月２７日に発足した、全国の陸自部隊を束ねる統一司令部・「陸上総隊」の下、全国の陸自各方面隊とは別枠の部隊として編成されている。
この部隊の運用のために、ＣＶ―２２オスプレイ１７機の導入が進められている。安倍政府は、佐賀空港をＣＶ―２２オスプレイ基地として使用することを打ち出していた。佐賀空港と相浦駐屯地は６０キロと近距離で、「迅速な対応が可能」とされるからだ。しかし、今年２月５日、陸自・目達原駐屯地所属のヘリコプターであるＡＨ―６４Ｄが佐賀県神埼市の民家に墜落・炎上すると、オスプレイ配備に対する住民などの強い反対の声が高まった。そして、地権者の地元漁協との用地買収交渉が難航した結果、部隊発足までのオスプレイ配備が不可能になった。追いつめられた安倍政府は、「暫定配備先」として、今秋に防衛省に納入される最初の５機を、米軍のオスプレイ整備拠点のある木更津駐屯地（千葉県木更津市）に配備する方針を示しているが、いかにも遠距離である。安倍政府は、「水陸機動団」の機動力強化のために、あくまでも九州北部の空港へのオスプレイ配備を狙っている。
「水陸機動団」を上陸部隊とする朝鮮反革命戦争突入を阻止せよ
 発足した「水陸機動団」自身は、整備の遅れが指摘されている。オスプレイの配備の遅れだけでなく、水陸両用車・「ＡＡＶ７」の配備についても、当初予定の３６両が、１２両となっている。また、米海兵隊が上陸作戦での海上輸送に使用する強襲揚陸艦は、自衛隊には１隻もない。自衛隊は、代わりに、海自の「おおすみ」型輸送艦３隻を改修して対応するとしている。しかし、安倍政府は、朝鮮反革命戦争遂行をみすえ、「水陸機動団」の装備面での強化を、今後さらに進めようとしている。
４月７日、本部を置く長崎県佐世保市の陸自・相浦駐屯地で、「水陸機動団」の「発足式典」が行なわれた。自衛隊員ら約１５００人が参加した「発足式典」では、防衛副大臣・山本が団長・青木に団旗を手渡した後、「自国の権利を一方的に主張し、行動する事例が多く見られる」とした上で、「島嶼を守り抜くという、わが国の断固たる意志と能力を国際社会に示す」とする防衛相・小野寺五典の訓示を代読。この「発足式典」において、初めて部隊が公開された。
同日、「水陸機動団」は、「離島奪還」を想定した訓練を公開している。「水陸機動団」約２２０人の部隊が、水陸両用車やヘリコプターを使い、「占領された離島に上陸して制圧する」展開を想定した訓練だ。この訓練には、「発足式典」に出席した在沖米海兵隊約２０人も参加している。「飛来したヘリコプター２機から陸自隊員と米海兵隊員が次々と地上に降下し、水陸両用車・『ＡＡＶ７』が砲撃しながら、隊員らとともに前進し敵陣地を制圧、奪還に成功」というシナリオの下に行なわれた。水陸機動団の基になった西部方面普通科連隊は、２００５年度から米海兵隊と訓練を積んできた。機動団発足後の２０１８年度も、米国内での訓練に参加し、さらに連携を強化するとしている。
この日の、「敵陣地制圧」を想定した自衛隊と米軍のパフォーマンスは、明確に朝鮮反革命戦争を見据えたものである。「島嶼防衛」と称し、南西諸島で中国を牽制する役割を担うとともに、北部九州から朝鮮半島に出撃し、上陸する態勢を構築しようというものである。
安倍政府の下、自衛隊が朝鮮反革命戦争に向けて増強を重ねている。中でも「水陸機動団」は、朝鮮反革命戦争における上陸部隊そのものである。朝鮮反革命戦争突入を絶対阻止する革命的反戦闘争の爆発をかちとろう。
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