「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」が大飯原発3号機再稼働阻止現地闘争に決起
3月14日、「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」は、関西電力・大飯原発3号機再稼働阻止現地闘争に決起した。
正午過ぎ、大飯原発近くの「塩浜海水浴場シーサイドファミリーパーク」に労働者人民が続々と結集する。関西一円をはじめ、全国から反原発を闘う仲間が結集している。
12時30分過ぎ、大飯原発に向けたデモ出発前に当たって、ミニ集会が行なわれた。「大飯原発うごかすな! 実行委員会」呼びかけ人である「若狭の原発を考える会」の木原壯林氏(元日本原子力研究所副主任研究員、京都工芸繊維大学名誉教授)があいさつを行なった。木原氏は、「本日、関西電力は、大飯原発3号機を動かそうとしている。このような犯罪行為は許されない。原発は、必ず事故を起こします。事故が起きたら住民は逃げられないんです。今日、仮に再稼働を許したとしても、とにかく原発に反対していく行動が大事です。これが事故を起こさせない、原発をなくしていく力になります。今日は、長丁場になると思いますが、みなさん、今日一日がんばりましょう」。
12時40分になり、大飯原発ゲートに向けたデモに出発する。「釜ヶ崎労働者の会」の仲間も、「大飯原発3号機の再稼働を阻止しよう」と大書した横断幕を手にデモに出る。
ゲートまでの道は、曲がりくねった坂道だ。「大飯原発3号機の再稼働を許さないぞ!」「原発はいらないぞ!」「労働者、周辺住民への被曝押しつけを許さないぞ!」と思い思いのシュプレヒコールで大飯原発ゲート前まで進撃する。午後1時過ぎにゲート前に到着し、ゲート前を制圧する。
6年前の2012年7月、全国各地から労働者人民が大飯原発ゲート前に結集し、再稼働阻止の現地実力闘争を大爆発させた。その再来に恐怖する福井県警は、二重三重のバリケードをめぐらし、すきあらばと反革命弾圧を狙っている。
ゲート前において、全国各地から集まった諸人士が、この日の再稼働阻止に向けた思いや、「福島第1原発事故」がいまだ収束していないにもかかわらず、ドミノ倒しのごとき再稼働を強行する電力会社や安倍政府への怒りを、それぞれの立場からと発言していく。地元福井の反対派住民からは、高浜町の東山幸弘氏や若狭町の石地優氏が発言を行なった。
発言の合間に、参加者の歌が披露され、また、関西電力に向けた怒りのシュプレヒコールを叩きつける。「大飯原発、動かすな」「関西電力、原発やめろ」「子どもたちの未来を奪うな」「労働者、周辺住民への被曝を許さないぞ」「原発廃止をかちとるぞ」。
「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間は、「現地実力闘争の爆発で原発再稼働を阻止するという思いで本日、現地に駆けつけた。相次ぐ原発再稼働の目的は、政府が核武装を狙っているからだ。原発労働者、周辺労働者人民の被曝なしに動かない原発を許すわけにはいきません。現在、九州の仲間が原発労働裁判を闘う梅田隆亮さんを支援しています。梅田さんの裁判の勝利をかちとりましょう」と発言した。
ゲート前行動のさなか、「若狭の原発を考える会」の仲間から、2月25日、26日の両日、京都府舞鶴市、福井県高浜町、おおい町、小浜市、若狭町、美浜町、敦賀市、滋賀県高島町で行なわれた、「拡大アメーバデモ」―原発周辺地域での一斉ビラ入れ行動についての報告が行なわれた。「原発銀座」といわれる福井県若狭湾岸の地域でも、ビラはおおむね好意的に受け取られていること、原発廃止を望む声は多いということが報告された。
関西電力がマスコミを通じて、原子炉起動時刻として内外に宣言してきた午後5時が近づいてくる。参加者は、ゲート前において、「再稼働阻止」のコールを続ける。「釜ヶ崎労働者の会」の仲間も、釜ヶ崎の赤旗と「再稼働を阻止するぞ」の横断幕を手にシュプレヒコールを続ける。
午後5時になり、関西電力が大飯原発3号機の制御棒を引き抜いて原子炉を起動させ、再稼働を強行した、との一報が伝わるや、参加者の怒りは最高潮に達する。「大飯原発、今すぐ止めろ!」「関西電力、原発やめろ」「すべての原発なくせ」と怒りのシュプレヒコールを叩きつける。
ゲート前行動の最後に、「若狭の原発を考える会」の木原氏より「関西電力は許すまじき犯罪行為を行ないました。私たちの怒りは収まることはありません。原発廃止まで私たちの闘いは続きます。大飯原発4号機再稼働を阻止しましょう。4月22日の関電包囲全国集会に結集しましょう」との訴えがあり、この日の現地闘争を終えていった。
大飯原発3号機再稼働徹底弾劾
関西電力は、3月14日午後5時、大飯原発3号機(福井県おおい町、出力118万キロワット)を起動させ、再稼働を強行した。2013年9月に定期検査で停止して以来、4年半ぶりの再稼働だ。2月15日、16日には、再稼働前の実施が義務付けられている「重大事故」を想定した訓練を強行し、再稼働の許可を出した「原子力規制委員会(規制委)」の山中は、「作業員らの対応時間に問題はなかった」、約14キロ離れて運転中の高浜原発3、4号機(福井県高浜町)と同時に事故が起きた場合でも「それぞれの原発で安全対策をしており、対応できる」と無責任に評価している。
大飯原発3号機は3月16日に発電と送電を開始し、19日、出力がフル稼働状態になった。関西電力は、4月9〜10日の「規制委」による最終検査後、問題がなければ営業運転に移行するとしている。大飯原発3号機再稼働を徹底弾劾しなければならない。
関西電力は、大飯原発3号機に続いて、5月中旬にも大飯原発4号機の再稼働を狙っており、4号機への核燃料装填作業を4月上旬に行なう予定としている。関西電力は、5月中旬に大飯原発4号機を再稼働させ、6月に営業運転に入った後、電気料金を値下げするなぞとしている。電気料金値下げをエサにした関西電力のこのようなやり口を許してはならない。
関西電力は当初、2018年1月、3月の大飯原発3、4号機再稼働を目論んできたが、神戸製鋼所の「検査データ改ざん」問題の影響で、それぞれ3月、5月にずれ込むことになった。大飯原発3、4号機などで、原子炉格納容器などに神鋼製品が使われていたのである。電力各社は、「データの改ざんがあった製品ではない」、「安全上の問題となるものではない」と言っているが、こんなものはまったく信用できない。「検査データ改ざん」があろうがなかろうが、遮二無二、原発再稼働に突進する、電力各社、安倍極右政府を許してはならない。
電力各社、安倍極右政府が執拗に強行しているドミノ倒しのごとき原発再稼働で、今後、ますます深刻な問題になっていくのは、たまり続ける一方の使用済み核燃料、すなわち「核のゴミ」の「処理問題」だ。「核のゴミ」の処理や「事故対策」などで原発の「経済性」なぞまったく存在しないことはすでに満天下に明らかになっている。にもかかわらず、関西電力は、「電力料金引き下げ」なるペテンで原発再稼働推進に躍起となっているのだ。
現在、使用済み核燃料が1万7000トン以上たまっており、全国の原発の燃料プールや青森県六ヶ所村の再処理工場の保管場所を合計した貯蔵容量の73パーセント(2016年)が埋まっているのだ。原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になるという。
もともと日帝の「核燃料サイクル」計画では、全国の使用済み核燃料を六ヶ所村に移送し、再処理して、ウラン、プルトニウムを取り出し、「再利用」するということになっていた。しかし、再処理工場の建設はトラブル続きで、すでに2兆2000億円をつぎ込んだにもかかわらず、完成のメドはまったく立っていない。そもそも、核燃料再処理工場は、原発が1年の運転で出す放射性物質を1日で出すといわれるほど危険極まりないものであり、再処理工場の運転は不可能とも言われているのだ。六ヶ所村の再処理工場にある容量3000トンの使用済み燃料一時保管場所の約99パーセントはすでに埋まっているという。日帝の「核燃料サイクル計画」は、完全に破綻しているのだ。
安倍政府が、原発再稼働に躍起になるのも、破綻した「核燃料サイクル政策」にしがみつくのも自前の核兵器開発・保有のための技術と施設、そして材料を確保しておくためだ。とりわけ、核兵器の原料になるプルトニウムの大量保有を、「プルサーマルや高速増殖炉で消費するため」と強弁して、正当化するためだ。高速増殖炉・「もんじゅ」の再稼働を断念し、廃炉を決定せざるをえなくなった今も、安倍政府は、高速炉開発をあきらめていない。日帝は、核兵器約6000発分に相当する約48トンものプルトニウムを保有している。首相・安倍は、核武装化について2002年に「小型であれば憲法上問題ない」と言い放っている。安倍に限らず、自民党幹事長・石破など、与党は、好戦的な核武装論者の集まりだ。核武装のための日帝原子力政策は、ただちに葬り去らねばならない。
「福島第1原発事故」によって今なお膨大な労働者人民が、被曝―健康破壊と避難―生活破壊を強いられている。「事故」処理現場では多くの労働者たちが、多重請負構造のもと過酷な被曝労働を強いられている。原発労働者、周辺労働者人民の被曝なしには存在しえない原発は、即刻廃止しなければならない。
現地実力闘争の爆発で、全国原発の再稼働を阻止しよう。大間原発をはじめとする原発の新(増)設を阻止しよう。すべての原発の廃止をかちとろう。六ヶ所再処理工場の本格操業阻止、「核燃料サイクル計画」を粉砕しよう。
日帝・安倍政府による改憲―核武装攻撃と対決し、安倍政府打倒の革命的反戦闘争を闘いぬこう。反原発・反核燃闘争の大爆発をかちとろう。
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