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3・11内田「死刑」判決54ヵ年糾弾! 浦和地裁(現さいたま地裁)包囲-糾弾闘争を闘う
(1263号2面)

さいたま市別所沼公園で決起集会

 3月11日正午、5・23闘争実行委員会に結集する仲間たちは、さいたま市別所沼公園に結集し、内田「死刑」判決54ヵ年糾弾! 浦和地裁(現さいたま地裁)包囲―糾弾闘争の決起集会を開始する。

 部落解放を闘う仲間が司会に起ち、開会あいさつの後に全体でシュプレヒコールをあげる。全国部落解放青年同盟からのアピールが司会から代読される。「朝鮮半島が一触即発の状況になり、朝鮮反革命戦争突入の時が迫っている。安倍極右政府は、国家権力頂点からの極悪な反朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、反中国―反共・排外主義攻撃を加速させ、戦争熱を煽りたてている。安倍政府が、戦時国家体制構築に突き進む中で、部落解放運動総体もまた大きな試練を迎えている。安倍政府は、2016年に『部落差別解消推進法』を制定するなど、反差別運動の体制内化を狙った法整備を進めている。部落解放同盟内社民・こえ派などの既成勢力にさらなる屈服を迫り、ファシズム融和運動への転換攻撃を推し進める、安倍政府の目論見を許すことはできない」「狭山闘争をめぐっても、無実の部落民=石川一雄氏に対する、浦和地裁・内田による反革命差別『死刑』判決から54ヵ年を迎えた。狭山弁護団は、次々に新証拠を提出し、東京高検を追いつめているが、東京高検は、今なお居直りを決め込んでいる。東京高裁・後藤が、いつ、『3者協議』を打ち切り、再審請求棄却を狙ってくるのか、予断を許さない。われわれは、石川一雄氏を支えぬき、〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の旗幟を鮮明にして、階級的共同闘争と大衆的実力闘争・武装闘争で闘いぬかなければならない。東京高裁の再審棄却を許さず、狭山闘争の勝利を何としてもかちとろう」「部落解放同盟内社民・こえ派は、『差別の法規制』要求運動として、自民党が提出して成立した『部落差別解消推進法』にしがみつく姿をあからさまにしている。そんな社民・こえ派を踏みしだきつつ、吹き荒れる差別煽動をぶち破る闘いとして、差別糾弾闘争の復権を何としてもなしきらねばならない。とりわけ、極悪な差別煽動者である、『在特会』をはじめとする反共ファシストに対する撃滅戦を叩きつけなければならない。ファシストとの死闘をくぐることなしに、階級闘争の前進はない。極悪な差別者に対しては、その極悪ぶりにふさわしい、革命的部落解放運動の側からの、断固たる鉄の回答を準備してやらねばならない。部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとろう」。

全国学生部落解放研究会連合が基調提起

 全国学生部落解放研究会連合が集会基調を提起する。「1964年3月11日、狭山事件の一審を担当した浦和地裁・内田は、無実の部落民=石川一雄氏に対して『死刑』判決を打ち下ろした。浦和地裁・内田は、石川氏の少年時代を『小学校すら卒業せず、他家で奉公人として過ごし、家庭的な愛情に恵まれることがなかった』『そのことは人格形成に強い影響を及ぼした』と、被差別部落への差別意識をむきだしにし、『部落は、悪の温床』『部落民ならやりかねない』という予断と偏見の下、十分な審理もせず公判開始からわずか半年のスピード審理で石川氏に『死刑』判決を打ち下ろしたのである。この内田の反革命差別『死刑』判決こそ、狭山差別裁判の元凶であり、石川氏に31年7ヵ月もの獄中生活を強制した元凶だ。怒りも新たに内田反革命差別『死刑』判決を徹底糾弾し、浦和地裁包囲―糾弾闘争に決起しよう」「東京高裁と東京高検、狭山弁護団による『3者協議』も、2009年の開始以来、2018年1月22日の開催で35回を数えるに至った。次回の第36回『3者協議』は、5月中旬の予定である」「『3者協議』開始以降、東京高検が『3者協議』で開示した証拠は、計191点となった。しかし、歴代の担当裁判官が、証拠開示命令も出そうとせず、事実調べも行なう気配すら見せてこなかったことを考えれば、東京高裁・後藤が、いつ『3者協議』を打ち切り、再審請求棄却に踏み込むか、予断を許さないのである。そんな東京高裁の姿勢を見透かす東京高検は、弁護団が強く求めているルミノール検査報告書、手拭い配布捜査メモ、8ミリフィルム等の捜査関係資料などの物的証拠の存在について、一貫して『不見当』なる回答を繰り返しているのだ。東京高検に全証拠開示を迫る闘いをやりぬかなければならない」「階級的共同闘争を頑強に構築し、大衆的実力闘争・武装闘争で闘おう。石川氏の不退転の決意に応える闘いを全国の戦闘的部落青年・大衆とともに闘い、第3次再審棄却策動を粉砕しよう。部落解放同盟内社民・こえ派の『司法の民主化』要求を通した狭山闘争の幕引きを許してはならない。狭山闘争を単なる『冤罪事件』へと切り縮めてはならない。〈狭山差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の旗幟を鮮明にし、狭山闘争の歴史的勝利へ進撃しよう」「安倍政府は、差別糾弾闘争を制動し、体制内での集約を図るために、2016年12月、『部落差別解消推進法』を成立させた。部落解放同盟内社民・こえ派は、安倍政府があてがった「理念法」に依拠することで、部落解放運動の体制内化を一層進めようとしている。これでは、安倍政府の狙うファシズム融和運動への転落と対決することなぞ、到底できない」「激発する差別事件に対して差別糾弾闘争を闘うことが求められている。部落解放運動の生命線である差別糾弾闘争の復権をかちとり、部落差別の根底的廃絶、部落の根本的解放を実現するために闘わなければならない」「日帝の狭山闘争解体を基軸とした部落解放運動解体攻撃を粉砕し、部落解放運動のファシズム融和運動への転換攻撃を木っ端微塵に粉砕しよう。差別主義反革命革マルを解体・絶滅し、差別主義日共=全国人権連を解体し、天皇主義右翼ファシストを撃滅・一掃しよう」。全国学生部落解放研究会連合が提起した基調を、全体の拍手で確認する。

 結集した仲間からの決意表明を受ける。

 東京・山谷日雇労働組合は、「われわれは、アブレ―野垂れ死に攻撃を粉砕する闘いと、差別を許さぬ闘いを一つにして、闘う」「山谷では、寄せ場春闘に取り組んでいる。今週から、失業対策の仕事が完全になくなり、これから一ヵ月間は、山谷の労働者は、アブレ地獄に叩きこまれる。『賃金よこせ、仕事よこせ』の闘いに決起する」「2018年春闘を、朝鮮半島での戦争を絶対阻止し、安倍政府による『働き方改革』の攻撃を粉砕するものとして闘う」。

 東京都地域連合労働組合は、「3分の2の議席を確保した安倍政府は、歴代自民党政府の野望である改憲に突き進んでいる。安倍政府の暴走を許すな。労働者に対する戦争動員を許さず、闘いぬこう」「『日の丸』『君が代』強制に反対する教育労働者と連帯し、都立高校の卒業式でのビラまきをやりぬいてきました。『教え子を戦場に送るな』という教育労働者の思いの実現は、ますます喫緊のものとなっている。労働者の戦争動員を阻止し、闘いぬいていこう」。

 「刑法改悪阻止関東活動者会議」からは、「朝鮮反革命戦争突入情勢下、戦時国家体制形成を進める安倍政府による『社会福祉』切り捨てが進行している。『心神喪失者等医療観察法』施行から12年が経過した今も、保安処分施設建設が進められており、隔離・抹殺攻撃が進行している」「昨年廃案になった『精神保健福祉法』改悪が策動されている。『戦争の役に立たない』とする『障害者』虐殺の歴史を繰り返してはならない。戦時『障害者』差別―抹殺攻撃を粉砕しよう。四・一『障害者総合支援法』粉砕闘争に結集されるよう訴える」。

浦和地裁を包囲―糾弾する戦闘的デモ

 「東部朝鮮史研究会」からは、「朝鮮半島をめぐって、情勢がめまぐるしく動いている。文在寅と金正恩による南北首脳会談、トランプと金正恩による米朝首脳会談が言われているが、朝鮮半島突入の危機が遠のいているわけではない。米・韓合同軍事演習・『キー・リゾルブ』『フォール・イーグル』強行が狙われている。自衛隊は、3月27日に、『日本版海兵隊』とも言うべき『水陸機動団』を新設し、朝鮮反革命戦争の突入部隊を作ろうとしている。朝鮮反革命戦争突入絶対阻止を闘おう」「ファシストが活性化している。『在特会』などのファシストが『ヘイト・スピーチ』をがなりたて、部落民や在日朝鮮労働者人民への襲撃を仕掛けている。ファシストを撃滅し、闘いぬいていこう」。

 全学連からは、「昨年、全学連は、第55回定期全国大会を開催し、成功させた。朝鮮反革命戦争突入絶対阻止の革命的反戦闘争の爆発をかちとろう」「全学連は、4月新歓闘争の勝利をかちとる」「安倍政府によるデタラメな国会運営への怒りが高まっている。反革命国会粉砕し、安倍政府打倒へ進撃しよう」「学生運動こそが、闘いの道しるべとなっていくことが重要だ。全学連は、日本階級闘争の最前線に起つ」。

 決意表明の最後は、全国反戦だ。「朝鮮半島の危機が続いている。日・米・韓は、『非核化実現まで』として、軍事的圧力と『経済制裁』を進めることを明らかにしている」「2月2日、米帝・トランプは、『核戦略見直し』を発表している。いつ戦争に突入してもおかしくないのであり、粉砕しなければならない。戦争遂行の安倍政府を打倒しよう」「全国反戦は、こうした闘いの先頭に起つ」。

 すべての発言が終了した後、全体でシュプレヒコールを行ない、デモに撃ってでる。浦和(現さいたま)地裁正門前にさしかかるとデモ隊は、ただちに地裁に向かってシュプレヒコールをたたきつける。「内田『死刑』判決54ヵ年を糾弾するぞ!」「浦和地裁を包囲―糾弾するぞ!」「石川氏と共に闘うぞ!」「第3次再審棄却を阻止するぞ!」「狭山闘争に勝利するぞ!」。デモ隊は、一丸となって埼玉県警による不当な規制をはねのけ、内田「死刑」判決54ヵ年に対する怒りを叩きつけた。その後、デモ隊は、浦和市街地の中心部を通過し、JR浦和駅西口までのデモを最後までうちぬいた。「警告文」なるものを大げさに掲げながら、執拗に「部隊解散」をがなりたてる埼玉県警の規制―妨害をはねのけ、集約提起とシュプレヒコールをやりぬいた。こうして、5・23闘争実行委員会に結集する仲間たちは、浦和地裁(現さいたま地裁)包囲―糾弾闘争を最後まで闘いぬいた。



3・9「浦和地裁『死刑判決』54ヵ年糾弾! 狭山第3次再審闘争勝利! 埼玉集会」に決起

さいたま市「ときわ会館」で集会

 3月9日午後6時半より、さいたま市「ときわ会館」において、「浦和地裁『死刑判決』54ヵ年糾弾! 狭山第3次再審闘争勝利! 埼玉集会」が開催された。

 午後5時過ぎ、解放派と全国学生部落解放研究会連合の部隊は、「ときわ会館」入り口前で青ヘルメット、ゼッケンに身を固め、横断幕を掲げて情宣を開始する。次々と会場に結集してくる部落大衆に「狭山闘争に勝利しよう」「再審開始をかちとろう」と声をかけ、ビラを手渡していく。そして、集会に来た石川一雄氏にあいさつをし、ビラを手渡した。開始時間直前まで情宣行動をやりぬき、本集会へと合流した。

 集会場では、集会開始に先立ち、映画「獄友」予告編が上映された。

 午後6時30分より司会のあいさつで本集会が開始される。

 「県南石川一雄さんをを支援する市民の会」の開会あいさつ、片岡・部落解放同盟埼玉県連委員長の主催者あいさつ、木村壮弁護士、「石川一雄さんを支援する会 さいたま連絡会」の連帯あいさつ、山下茂弁護士からの連帯メッセージと続く。

 そして、小野寺・部落解放同盟埼玉県連書記長からの基調報告がなされる。基調では、まず、「差別裁判の元凶・浦和地裁『死刑判決』から54年を糾弾する」として、「54年前の1964年3月11日、浦和地裁・内田武文裁判長は、『部落民ならやりかねない』という予断と偏見にもとづき、1963年9月4日の第1回公判からわずか半年で12回というスピード審理で求刑どおり『死刑判決』を下した」「この第一審・浦和地裁判決こそが今日までの狭山差別裁判の元凶となっており、石川さんに31年7ヵ月の獄中生活を強いた」「この闘いは、裁判闘争という形をとっているが最も重要な差別糾弾闘争であり、それゆえに狭山闘争を闘うことは部落解放を一歩一歩切り拓いていくことである。『狭山の勝利なくして部落解放もない』ということを再確認したい」とした。そして、「東京高裁は事実調べを! 東京高検は全証拠開示を! の声を届けよう」として、「事件発生から55年を迎えた今年こそ事実調べ・再審開始をかちとるために全力で闘いぬこう。石川さん不当逮捕から55ヵ年を迎える5・23狭山中央集会に結集しよう」と訴えた。基調は、参加者全体の拍手で確認された。

石川氏が不退転の決意

 続いて、狭山弁護団を代表し、河村健夫弁護士が「脅迫状の筆跡と石川さんの筆跡は99・9パーセント別人〜コンピューターによる福江科学鑑定の意義〜」と題する弁護団報告を行なう。河村弁護士は、まず、狭山事件の経過について「犯人を取り逃がし、追いこまれた警察が狙いを定めたのが、被差別部落だった」「冤罪事件の特徴として、社会構造上、弱い立場にいる人間が狙い撃ちされるケースが多い。狭山事件の背後に、部落差別の構造がある」「浦和地裁の第一審は、充実した審議を行なった形跡がない。そういう中での死刑判決であった」と指摘する。そして、1月15日に狭山弁護団が東京高裁に提出した「福江鑑定」について説明する。「福江鑑定」は、新たな手法による筆跡鑑定であり、文字を図形として捉え、文字のブレを計算し、データ化して比較するものである。「脅迫状」と石川氏の書いた「上申書」「手紙」に共通して書かれている「い」「た」「て」「と」の4文字を比較した結果、「脅迫状」と「上申書・手紙」とは99・9パーセントの確率で別人が書いたものであることを、詳細に説明した。

 いよいよ、石川一雄氏のアピールだ。石川氏は、「80歳の大台に乗ってしまうけれど、『4回目のハタチ』が来る前に無罪判決をかちとる」「この第3次再審でかちとらないと、『5回目のハタチ』はないので、この3次で無罪をかちとる、という決意で闘っていこうと思います」「今の後藤裁判長の下で、再審開始できるよう、ご協力をお願いします」と、生涯かけて闘いぬく不退転の決意を表明した。

 石川早智子氏のあいさつに続き、「狭山事件を支える狭山東部市民の会」が集会決議を読み上げ、全体の拍手で確認される。そして、司会より、この日の集会に170人が結集したことが報告される。最後に、石川氏をはじめ集会参加者が立ち上がり、「差別裁判打ち砕こう」が高らかに歌われ、会場全体の「団結ガンバロー」で集会が締めくくられた。

 部落解放同盟内社民・こえ派による狭山闘争幕引きを許さず、〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の闘いの旗幟を鮮明にし、全力で闘いぬくことが石川氏の決意に応えることである。大衆的実力闘争・武装闘争と階級的共同闘争を爆発させ、5・23不当逮捕55ヵ年糾弾! 狭山中央闘争に総決起し、狭山闘争勝利に進撃しよう。