解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

2・25「日の丸・君が代」強制反対!10・23通達撤廃!
総決起集会が闘われる

(1262号4面)

「安倍が、『明治』に連続する国家にしようとしている」

 2月25日、午後1時30分から「都教委包囲・首都圏ネット(包囲ネット)」が主催する「『君が代・日の丸』強制反対!10・23通達撤廃!2・25総決起集会」が千代田区飯田橋の「東京しごとセンター」講堂で開催された。この集会には現役・OBの教育労働者をはじめ約90人の労働者人民が参加した。集会賛同団体に名を連ねた東京・山谷日雇労働組合、東京都地域連合労働組合の仲間たちも結集した。

 集会は、「包囲ネット」の主催者あいさつから始まった。「包囲ネット」の代表は、「安倍が、『明治150年』を強調している。安倍が、天皇の代替わりや改憲をもって、『明治』に連続する国家にしようとしている。これにどれだけの人たちが危機感をもっているのか、不安を感じる」「『闘っていればいい』という状況ではない。戦略をもって闘い、対抗できる武器を持つために、今日の集会の成功をかちとりたい」と呼びかけた。

 基調講演として、元富山大学教授で評論家である小倉利丸氏が、「明治150年と改憲攻撃」と題する講演を行なった。小倉氏は、「私は、1980年代には、国立市で、戦闘的な教育労働者と一緒に『日の丸』を引きずり下ろしたりしました」という自己紹介から講演を開始した。そして、講演では、「よく、1945年が時代の転換点といわれるが、第1次世界大戦と第2次世界大戦の間の時期が重要だ。ロシア革命があり、ファシズムが登場した。ファシズムは、1945年で滅びてはいない」「ドイツは、日本が戦争責任についてあいまいにしているのと違い、ナチスの戦争責任に対して厳しいと言われているが、実際には『反省』の体裁を取っているだけであり、今でもシリア難民の排除やロマに対する迫害を続けているし、若い世代がファシズムを継承する動きを続けている。戦争責任の反省の仕方が、間違っている」「日本もドイツも戦後の経済発展を『他国に対する優秀性』にしており、『誇り』にするというナショナリズム煽っている」「ナショナリズムが暴走した時に、憲法は、歯止めにはならない。現在、200近くの国があり、憲法がある。憲法を持つことで平和になったかと言えば、まったくそうではない。憲法は、ナショナリズムと通底する危険性を持っている」「憲法では、象徴天皇制は、『国民の総意』とされているが、『総意』の確認方法は、規定されていない。憲法が天皇制の承認を大前提にし、天皇制が憲法を下支えしている」「自衛隊が武力・武器を持っていて、『戦争放棄』と言っても建前でしかない。今の『国民国家』の中に戦争を抱え込むリスクがあることをおさえるべきだ」「平昌オリンピックが行なわれているが、オリンピックは戦争の別の表現であり、ナショナリズムの表現の仕方が違うだけだ」「ナショナリズムに対置するものとして、かつては、『プロレタリア国際主義』が、『インターナショナリズム』が、主張されていた」と提起し、最後に「われわれは、一度勝てばいい。ナショナリズムに利用されない闘いの勝利にむけて、私の提起が参考になればいいと思います」と講演を結んだ。

「現状を当たり前と思う教員が多くなる」

 続いて、「闘いの現場からの報告」が、行なわれる。「『高校無償化』からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」は、「2009年の『高校無償化』から朝鮮学校が排除されて八年が過ぎた。2017年7月に大阪地裁で原告勝訴判決が出たが、東京地裁は同年9月に原告敗訴の不当判決を出した。文部科学省抗議行動への支援や東京高裁での控訴審闘争の支援をお願いします」と訴えた。「都立高校の現場からの報告」では、定時制の教員から「私は、4次訴訟の原告で480人めの被処分者です。残り2年で定年になります。現場では、50代後半の教員がいなくなると、『10・23通達』が意識されなくなると思います。疑問を持たず、現状を当たり前と思う教員が多くなる。こういう現状を変えるために頑張りたい」。「河原井さん根津さんらの『君が代』解雇をさせない会」からは、根津公子さんが、「2008年3月の不起立処分をめぐる裁判は、2017年の東京地裁判決で、『トレーナー着用』と『過去の処分歴』を理由にして原告敗訴になりました。控訴審は、今年の1月、河原井・根津の本人尋問の終了後、突如結審とされ、5月24日が判決となっています。判決公判への結集をお願いします」。「道徳の教科化に抗して」として、現役小学校教員からは、「『道徳の教科化を考える会』を作り、活動しています。こういう活動をやっているので担任は外されています。すでに道徳の教科書ができあがり、教師が評価することになる。道徳が教科書になり得るはずがない。年間35時間、22の『徳目』を扱うことになっている。現場は降伏し、受け入れ、『評価は何回すればよいのか』といった議論になっている。教科化阻止の闘いと現場で教科化を無効化する闘いが必要だと考えている」という報告がそれぞれ行なわれた。そして、千葉の高校現場からは、千葉の現役教員が、「1人1台配布された校務用パソコンの個人認証方法として静脈認証が導入され、本人の承諾も取らず、個人情報保護が無視されている。静脈認証を拒否すればパソコンが使えず、成績の入力もできない。『認証を拒否した場合は再任用しない』と言われた教員もいる。裁判闘争も考えている」「教職員の自由、独自性、特色を奪い、やる気、働きがいを低下させ、教員を専門職から従業員にし、ロボット化する動きが強まっている。ベネッセなどの受験産業の介入―支配の動きも強まっている。微力ながら反撃し、頑張っていく」という報告を行なった。

 さらに、「反ミサイル防衛訓練、反オリンピック」の報告を「東京にオリンピックはいらないネット」が、「共謀罪は廃止へ」と題する報告を「破防法・組対法に反対する共同行動」が行ない、「練馬自衛隊基地ウオッチング」の報告が、「練馬平和委員会」からのメッセージとして読み上げられた。

 最後に、卒業式でのビラまきの行動提起が行なわれ、集会アピールが採択されて集会を終えていった。