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2・23「狭山事件の再審を求める東京集会」に決起
(1262号1面)

台東区民会館で狭山東京集会

 2月23日午後6時30分より、台東区民会館・大ホールにおいて、狭山東京実行委員会主催による「狭山事件の再審を求める東京集会」が開催された。この集会に、約300人の闘う仲間たちが結集した。

 午後5時半過ぎ、台東区民会館入口前に登場した青ヘルメットの部隊は、横断幕を掲げ情宣を開始する。集会に参加する部落青年・大衆に「御苦労さまです」と声をかけビラを手渡す。石川一雄氏が入り口に到着すると、われわれのビラを受けとり、にこやかな笑顔で会場へと向かう。われわれは、警視庁・私服公安刑事どもに一指も触れさせることなく、最後まで情宣を貫徹して、本集会へと合流した。

 午後6時30分、司会が集会開始を宣言する。狭山東京実行委員会・青木議長の主催者あいさつの後、狭山東京実行委員会・松島事務局次長が基調提起を行なう。その中で、狭山弁護団が東京高裁に197点の新証拠を提出したことを紹介し、「2018年こそ、再審の門を打ち破りましょう」と提起した。

 次に、狭山弁護団の河村健夫弁護士が「相次ぎ提出されている重要新証拠をふまえて」と題する講演を行なう。河村弁護士は、まず最初に、従来、司法権力は反革命差別判決・決定において、「かもいの万年筆」が脅迫状とインクの色が異なる矛盾について、「郵便局で万年筆のインクを補充したという推測を入れる余地も残されていないとは言えない」なぞと見苦しい言い訳を続けてきたが、「下山鑑定」によって、「2種類のインクは混ざっていない」ことを科学的に示すことで、「インク補充はありえない」ことを暴露したことを明らかにした上で、東京高検が1年以上たって「S意見書」なる「反論」を提出したが、まったく的外れな代物でしかないことを示した。「筆跡鑑定」についても、「福江意見書」において、脅迫状と、石川氏が書いた「上申書」「手紙」とを科学的に比較して「九九・九パーセントの精度で、脅迫状は石川氏の筆跡ではない」ことを明らかにする。そして、「録音テープを素材とした心理学鑑定」、さらに「手拭い配布に関する資料改竄」も加え、石川氏の無実の証拠を次々に紹介し、最後に、狭山第3次再審闘争の見通しについて「緊張感が出てきている」とした。昨年12月に新たに担当裁判官となった後藤眞理子が、残り2年で定年となることも踏まえ、「何らかの判断を出す可能性がある」として、狭山弁護団として、気を引き締めて闘いぬく決意を明らかにしたのだ。

石川氏が再審開始に向けた決意

 講演終了後、司会が石川一雄氏の登場を告げる。会場から大声援と拍手が沸き起こる中、石川氏が壇上に起つ。石川氏は、「私は、まだまだ79歳です。しかしながら、冤罪が長引いていいはずはない」「3次がダメなら、生きている間に無罪をかちとれないと思い、全国各地を回って支援をお願いしています」と、意気軒昂と闘いぬいていることを明らかにする。そして、「様々な科学の指摘に窮地の司法 再審開始も時間の問題」と、得意の短歌を披露する。さらに、「私が天国に行ってからでは遅い」「健康でなければならない」として、「1時間に9000歩をスタスタと歩く」「私は今、1日2食」と、健康管理に留意した生活を送っていることも明らかにし、なめらかに冗談が出るほど、元気いっぱいに発言した。最後に、「皆様の支援をお願いしたい」と結んだ。その後、石川早智子氏が発言したが、石川一雄氏について「2時間で2万歩も歩く」などのエピソードを披露し、元気に闘っていることを明らかにした。

 その後、狭山東京実行委員会に結集する団体、仲間が発言に起ち、東京清掃労組、映画監督・金聖雄氏が、連帯の意を表明した。「I女性会議」・高橋氏が「再審勝利を求める決議」と題する集会決議案を提案し、また、司会が集会スローガンを読み上げ、それぞれ拍手で確認される。青年たちが登壇して、参加者全体でシュプレヒコールをあげた後、本集会のまとめとして、部落解放同盟東京都連・長谷川委員長が発言に起ち、「今日の狭山東京集会は大成功であった」「何としても再審を開始させる。そのための事実調べをかちとらなければならない」とした。最後に、狭山東京実行委員会・青木議長の閉会あいさつの後、「団結ガンバロー」で、集会は、締めくくられた。集会後、石川氏が、大ホールを出る参加者全員と精力的に握手をし、集会参加者全員は、共に闘う決意を新たにした。

 2006年5月23日の第3次再審請求から、今年5月で、13年目を迎える。まさに第3次再審闘争が正念場を迎えていることは明白だ。奮闘する石川氏の不屈の闘いに応えきっていかなければならない。石川氏の無実は明らかであり、裁かれるべきは司法―国家権力なのだ。検察に対する全証拠開示と裁判所に対する事実調べを迫り、階級的共同闘争と大衆的実力闘争・武装闘争の爆発を叩きつけていこう。第3次再審闘争の勝利から狭山闘争の勝利へと攻め上ろう。部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとろう。