解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

2・16 フィリピントヨタ労組237人の解雇を撤回せよ
トヨタ東京本社前闘争を闘う
(1260号9面)

フィリピン政府の解決要請に対して傲慢な態度を取るトヨタ資本

 2月16日、午後5時20分から、東京・飯田橋のトヨタ東京本社前で、東京総行動(主催:「けんり総行動実行委員会)の一環として、17年間にわたってフィリピン現地工場での不当解雇を居直り、今なお労組破壊工作を続けるトヨタ資本を徹底的に追及する行動が闘われた。この行動には、東京・山谷日雇労働組合、東京都地域連合労働組合の仲間も結集し闘いぬいた。

 トヨタ資本がフィリピントヨタ労組(TMPCWA)を潰すために、2001年に強行した組合員233人の大量解雇から17年、トヨタ資本の責任を追及し、解雇を撤回させる闘いは、昨年夏に、「未解決争議の早期解決」を重要政策課題とするフィリピン政府の労働雇用省長官が、トヨタ本社の代表取締役会長に対して解決要請の書簡を提出するという展開となった。フィリピンでは、2016年に新政権が誕生し、新政権の労働雇用省は、フィリピントヨタの社長とTMPCWAが一堂に会するよう呼び出した。だが、トヨタ側は、呼び出された社長は出席せず、あまり事情を知らない弁護士を出してきた。2017年1月13日、労働雇用省と「国際労働機関」(ILO)フィリピン駐在事務所の立会いのもと労使同席の話し合いの場、解決交渉が始まった。しかし、トヨタ側弁護士は、会談冒頭から「本件は解雇を適法と判断したフィリピン最高裁判決で最終的に決着しており、それに基づいての話し合いには応じるが、ILO勧告に基づいての話し合いならば応じられない。そのように委任されている」「ILO勧告は、フィリピン政府に出されたものでトヨタに出されたものではない」「したがって、トヨタに対する法的拘束力はない」と言い、TMPCWAへの大量解雇―労働組合破壊を居直る姿勢を示した。この弁護士の言い分に対しては、ILO駐在事務所が、「フィリピンはILO条約の加盟国であり、同条約は政府・労働者側・使用者側の三者構成原則によって成り立っているので、使用者に対しても法的拘束力があります」と、トヨタをたしなめるという一幕まで起きている。トヨタは、1月13日と27日の解決交渉の後、打ち切り動議を出し、解決交渉を中断させた。これに対してフィリピンの労働雇用省長官がトヨタの会長に解決要請の書簡を送ったのだ。

 だが、トヨタ本社は、この書簡に対する回答を5ヵ月間も放置した。5ヵ月後のトヨタの回答書簡は、トヨタ本社の代表取締役会長が出すべきものを、取締役でもない「アジア・中東・北アフリカ地域担当本部長」が、「当社では、現地の事は現地で処理することになっている。これは当社の確立した方針である。本件は、フィリピンの問題であるからフィリピントヨタ社に言ってもらいたい。本社に持ち込まれるのは筋違いである」というものであった。

「フイリピントヨタ労組を支援する会」が現地報告

 トヨタ東京本社前で闘われた追及行動は、フィリピン労働雇用省長官からの解決要請の書簡が届きながら、5ヵ月間も放置したうえで、「本社に持ち込まれるのは筋違いある」なぞという傲慢な態度を取るトヨタ資本に対する怒りが充満する中で開始された。

 「フィリピントヨタ労組を支援する会」代表の山際氏は、「フィリピントヨタの労働者は、17年間にわたって労働者の権利を守るために団結してトヨタ資本を弾劾して闘い続けています」「フィリピン政府も、トヨタの解雇に対して1日も早く解決するように努力しています。しかし、トヨタは、誠意ある対応を取ろうとしていません」「争議の解決をかちとり、フィリピントヨタの労働者に早く春が来るように、共にがんばりましょう」と訴えた。

 続いて、「フィリピントヨタ労組を支援する会」事務局長の田中氏が現地状況の報告を行なう。「昨年の夏、フィリピン政府の労働雇用省長官のベロ氏が、トヨタ本社の内山田会長宛に解決要請の書簡を出しました。それから50日後に書簡が来ていることを認め、回答書簡を送りました。その回答書簡のデタラメさ、傲慢さを本日のビラで暴露しています。私たちの闘いはトヨタの総本山に肉薄しています」「トヨタ本社の居直りに助けられて、フィリピントヨタ社も誠意ある対応をしようとしていません。フィリピン政府は、トヨタの姿勢を厳しく批判しています。フィリピントヨタ労組の労働者は、2月6日に1日抗議行動を闘いました。3月16日は、大量解雇を受けた屈辱の記念日です。大量解雇を受けて17周年になります。この日は、一大抗議行動を取り組もうとしています。現地での闘いに呼応した闘いを日本でもやりぬこうではありませんか」。 トヨタ東京本社に怒りのシュプレヒコールが叩きつけられる。「トヨタは、フィリピンでの争議を解決しろ」「不当な解雇をゆるさないぞ」「237人の解雇を撤回しろ」「解雇を撤回して職場に戻せ」「トヨタの責任で争議を解決しろ」「トヨタは、ILO勧告に従え」「勧告に従って争議を解決しろ」「トヨタは、今すぐ団交を行なえ」「国際連帯で闘うぞ」。

 トヨタ東京本社前の闘いは、連帯あいさつをJAL争議団、全国一般東京労組フジビグループ分会、郵政ユニオンから受け、最後に全造船の青木委員長の音頭で「団結ガンバロー」を三唱し、当日の行動を終えていった。

 フィリピントヨタ労組の闘いに連帯する闘いは、帝国主義足下の労働組合運動にとって国際連帯の真価が問われる闘いだ。トヨタの居直り、交渉破壊を許さず、フィリピントヨタ労組の闘いに連帯して、勝利に向けて闘いぬこう。帝国主義足下の労働組合運動の責務としてフィリピントヨタ争議の勝利をかちとろう。