 ２月１１日、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会（沖縄青年実）は、沖縄・首里日雇労働組合（沖日労）の労働者たちとともに、那覇市内で、「建国記念の日」粉砕を呼びかける情宣戦に決起した。
沖縄は、明治政府による「琉球処分」により、日本帝国主義に統合・支配され、労働者人民は、同化・皇民化政策によって、「天皇の赤子」たることを強制された。その結果が、沖縄戦だ。沖縄は、「皇土防衛」のための「捨て石」にされ、最悪の地上戦の戦場にされて、全住民の４分の１が殺された。「天皇の軍隊」である日本軍によって、「集団強制死」まで行なわれた。そして、戦後は、米帝に売り渡され、米軍政下で「基地の島」を強制されてきた。今なお在日米軍基地の約７１パーセントが沖縄に集中しているが、その現状もこれに端を発している。
そして、この過程に、昭和天皇・ヒロヒトが深く関わったことは、あの「天皇メッセージ」によっても明らかだ。沖縄は、戦中は「国体護持」のために凄惨な地上戦を強制され、戦後はまた「国体護持」のために、米帝に売り飛ばされたのだ。天皇制は、沖縄労働者人民にとって、不倶戴天の敵だ。天皇制の強化は、「新たな沖縄戦」への道だ。実際、沖縄では、「建国記念の日」に「日の丸」を掲げる家はない。沖縄きっての目抜き通りである国際通りでも、この日、「日の丸」を掲げている店舗は一軒もない。それほど天皇制への怒りと拒絶は、強烈なのだ。
その怒りを胸に、沖縄青年実は、情宣戦に決起した。正午、那覇市の中心街・「パレットくもじ」前に、沖縄青年実と沖日労の青ヘル部隊が登場する。「天皇制への忠誠を煽り強要するための『建国記念の日』を粉砕しよう」、「天皇制強化は第２の沖縄戦への道だ」、「安倍政府による天皇制強化に対決し、天皇制打倒をめざして闘おう」、「天皇主義右翼ファシストの街頭制圧を許さず、撃滅しよう」、「３月、天皇来沖―沖縄蹂りんを阻止しよう」、「辺野古現地に結集し、ともに名護新基地建設を阻止しよう」というアジテーションが、一帯に轟き渡る。行き交う労働者・市民の注目と共感が集まり、ほとんどの人がビラを受け取っていく。われわれのシュプレヒコールに唱和して、ともに拳を突き上げてくれる市民もいる。
沖縄青年実と沖日労は、権力の介入・弾圧、右翼ファシストの敵対を一切許さず、用意したビラをすべて撒き切り、約１時間にわたる情宣戦をやりぬいた。
安倍政府は、今、来年のアキヒトの「退位」―ナルヒトの「即位」をテコにした天皇制の一大強化を企んでいる。九条破棄、天皇元首化のための改憲を狙っている。すべては、戦争をやるためだ。その一環として、今年３月には、アキヒトが、「退位」前の「最後の慰霊の旅」と称して、沖縄に乗り込んで来ようとしている。２０１６年に自衛隊が配備された与那国島への訪問まで、計画しているという。天皇キャンペーンと戒厳令のような弾圧態勢で、沖縄の反戦・反基地の闘いを潰して回ろうという魂胆だ。沖縄青年実は、３月、天皇来沖阻止に起ち上がる。
名護市辺野古では、機動隊や海上保安庁職員の暴力だけを頼りに、新基地建設工事が激しく進められている。「Ｋ９護岸」、「Ｋ１護岸」、「Ｎ５護岸」、「Ｋ４護岸」の着工に続き、安倍政府―沖縄防衛局は、１月２４日までに、「Ｋ２護岸」の建設工事に踏み込んだ。夏には、本格的な埋め立て工事に入ることも計画されている。しかし、沖縄労働者人民の闘いがある限り、決して工事が完成することはない。「戦争のための基地は、沖縄にもどこにも要らない」。これが沖縄労働者人民の意思だ。これを力で押し潰すことは決してできない。現地では、工事を止めるための体を張った闘いが、連日にわたって展開されている。この闘いの先頭で沖縄青年実は、闘いぬく。ともに闘おう。
※ 天皇メッセージ
１９４７年９月、米帝による沖縄の軍事占領に関して、宮内庁御用掛の寺崎英成を通じて連合国最高司令官政治顧問・シーボルトに伝えられた天皇・ヒロヒトの見解をまとめたメモのこと。メッセージの概略は、�‥傾弔蓮∧胴颪砲茲詢圧綵�島の軍事占領の継続を望む。�∪衫里蓮�日本の主権を残したまま長期租借とするべき。��その手続は、米国と日本の二国間条約によるべき、というもの。シーボルトは、この申し出を歓迎しながらも、「疑いをはさむ余地なく、主として私利私欲から出た要望」だとコメントしている。自らの戦犯追及逃れ、命乞いのための汚い取り引きの提案であることが歴然だったからである。
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