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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

2・5 在沖米海兵隊の実弾砲撃-「本土」移転演習阻止
日出生台現地闘争に決起
(1260号4面)

朝鮮反革命戦争に向けた演習を許すな

 2月5日から14日までの日程で、陸上自衛隊の日出生台演習場(大分県玖珠町、九重町、湯布院町)において、在沖米海兵隊による実弾砲撃―「本土」移転演習が強行された。4年連続、13回目の演習だ。安倍が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する「最大限の圧力行使」を叫び、トランプが「実際の核戦争に使用可能な小型核兵器の増強」を打ち出し、朝鮮反革命戦争突入の衝動が高まる中、日出生台闘争実行委員会に結集し闘う仲間たちは、「朝鮮反革命戦争に向けた演習を許すな!」と、演習初日の2月5日、現地闘争に決起した。

 この演習は、1997年以降、沖縄労働者人民の反戦・反基地闘争に追いつめられた日・米帝国主義が、「沖縄の基地負担の軽減」と称して、沖縄で実施していた「県道104号線越えの155ミリ榴弾砲の実弾砲撃演習」を「本土」に移転させ、5ヵ所の自衛隊演習場を使い、沖縄で実施していた演習をさらに強化したものだ。「沖縄の基地負担の軽減」なぞ、名護新基地建設の強行を見ればわかるように、ペテンでしかない。沖縄の基地被害は、まったく減っていない。演習直前にも、米軍ヘリが何回も「不時着」―墜落し、部品を落とし、沖縄労働者人民の命と生活を脅かしている。そして、日本「本土」での演習では、155ミリ榴弾砲の砲撃訓練だけでなく、小銃や機関銃を使った訓練、白リン弾や照明弾を使った訓練や「NBC(核・生物・化学兵器)訓練」、夜間訓練が追加され、沖縄での演習を上回る規模と内容で強行されている。

 とりわけ、今回の演習は、北朝鮮による「大陸間弾道弾(ICBM)開発に成功した」という発表を受け、安倍やトランプが「北の脅威」をがなりたて、「すべての選択肢がある」と言い放ち、朝鮮反革命戦争突入の衝動を高める中、朝鮮半島に投入する「殴り込み部隊」の実戦配備を見据えて、その錬度を一挙に高めようとするものだ。この演習では、日帝・政府がその経費を負担し、海兵隊の兵員・物資の輸送には日帝の民間企業が動員される。大分港に陸揚げされた榴弾砲や車両は、民間輸送会社によって日出生台演習場に運ばれた。福岡空港や大分空港に到着した海兵隊員は、チャーターされた民間のバスで演習場に乗り込んだ。警察は、「警備」と称し、海兵隊のすべての行動に張り付いている。さらに、自衛隊が演習場の周辺警備、着弾距離の測定、情報提供などを「後方支援」と称して行なっている。日帝にとっても、日・米共同の軍事演習であり、軍・官・民が一体となって戦争への総動員訓練をやっているのだ。日出生台闘争実行委員会に結集する仲間たちは、沖縄労働者人民の「戦争のための基地は、沖縄にも、どこにも要らない」という名護新基地建設阻止の体を張った闘いと結合した現地闘争を闘いぬくべく、降雪による困難を突破して日出生台現地に登場した。

演習場に怒りのシュプレヒコールを叩きつけ決起集会

 闘う仲間は、日出生台演習場を東西に貫通する県道679号沿いに結集する。強力な寒波の襲来によって、地元住民も「冬用タイヤを着け、四輪駆動でないと走れない」というほどに、県道は雪で覆われている。眼前の演習場も雪で覆われ、海兵隊の後方支援のために走る陸自車両のタイヤ痕が縦横に続いている。午後1時15分、吹雪のなかで決起集会が開始される。

 集会開始にあたって、司会の全国反戦の同志が演習場に叩きつけるシュプレヒコールを呼びかける。「日出生台での演習を阻止するぞ」「実弾砲撃演習を阻止するぞ」「日出生台演習場を解体するぞ」「朝鮮反革命戦争粉砕」「安倍政府を打倒するぞ」「沖縄労働者人民と連帯して闘うぞ」。続いて、闘いの基調が提起される。「今回、日出生台に乗り込んだ米軍・海兵隊は、第12海兵連隊第3大隊だ。沖縄本島中央にある『キャンプ・ハンセン』に駐屯する砲兵部隊だ。戦争が起きれば、真っ先に敵地に乗り込んで、虐殺と破壊に手を染める『殴り込み部隊』だ。この部隊は、これまでもイラクやアフガニスタンに繰り返し出撃し、多くの労働者人民を虐殺してきた。こんな部隊の実戦訓練を許すわけにはいかない」「日出生台での演習は、朝鮮半島での戦争に向けた訓練だ。安倍とトランプによる朝鮮反革命戦争への突入の動きが強まっている。われわれの演習阻止の闘いは決定的に重要だ」「安倍は、今年の国会で改憲の発議を狙ってる。だが、『改憲のあとに戦争が来る』と考えるのは、誤りだ。安倍がいくら『アベノミクスの成果』と言おうと、日帝の体制的危機の爆発は、改憲まで待つことはしない」「トランプの誘いさえあれば、または、安倍の誘いにトランプが乗りさえすれば、安倍は、ファシズムへの突入を見据えながら、朝鮮半島での野放図な武力行使に入るだろう。そうだからこそ、われわれは、朝鮮反革命戦争突入絶対阻止にむけて、あらゆる戦争に向けた動きに実力で対決し、闘わねばならない」「日出生台演習場は、自衛隊の演習場としては、西日本最大の面積を持ち、ほぼ1年中、陸上自衛隊が実弾をぶっ放している。演習場の周辺で畜産などを営む住民は、騒音被害や火事、誤爆の危険に毎日さらされている」「今回、200人の海兵隊が、車両60台、155ミリ榴弾砲6門を沖縄から大分港経由で持ち込んでいる。年を追うごとに演習の規模が拡大されている。米軍演習の拡大と、演習場の機能強化を許さず、演習阻止、日出生台演習場解体にむけて闘おう」「沖縄労働者人民は、新基地建設阻止の闘いを連日闘いぬいている。1月27日、沖縄の仲間たちは、日出生台に出発しようとする海兵隊の出撃阻止の闘いをやりぬいている。その闘いに呼応し、実弾砲撃演習を阻止しよう」。

演習場を直撃する戦闘的デモを闘う

 集会の最後に決意表明を受ける。福岡・築港日雇労働組合の仲間は、「福日労は、年末から1月2日までの越年・越冬闘争を闘い、1月10日から福岡市に対する『仕事よこせ』の水曜行動を開始し、1月14日には山谷・玉姫公園で闘われた『日雇い労働者全国総決起集会』に結集し全国の日雇いの仲間たちと集会・デモを闘いぬきました。2月に入り、2日には、築城基地での座り込み行動を闘い、本日の日出生台現地闘争に起ち上がっています。安倍とトランプが『北朝鮮の脅威』を叫び、朝鮮半島での戦争に向けた動きを強める中、海兵隊の日出生台での演習は、朝鮮半島の労働者を虐殺するための訓練であり、絶対に許すことはできません。これまでも、日出生台での演習のたびに、『演習阻止』『日出生台演習場解体』をかかげて闘ってきたように、現地での実力闘争を闘いぬく決意です。2018年は、安倍の戦争への突撃、改憲に向けた攻撃、労働者を使い捨てにする『働き方改革』の攻撃との闘いが決定的に重要になっています。福岡の日雇い・野宿の労働者は、失業対策の仕事もない中で、48年ぶりの寒さで厳しい生活を強いられていますが、安倍の戦争政策、労働者使い捨て攻撃に対する怒りをもって団結し、『反戦・反失業』の闘いをやりぬく決意です。福日労は、本日の闘いを、名護新基地建設阻止の現地闘争、基地の強化に対する闘いを闘う沖縄の労働者と連帯し、『沖縄の負担軽減』というペテンを打ち破り、日・米の共同作戦体制を作るための移転演習を許さず闘います。共に闘いぬきましょう」と、闘う決意を明らかにした。

 断固たるシュプレヒコールで集会をしめくくり、いよいよデモ出発だ。「演習阻止」「安保粉砕」「政府打倒」の声高く、竹竿を突き出し進撃する。基地被害、演習被害で苦しむ小野原・長谷地区住民の注目と熱い共感を集め、部隊は、最後まで戦闘的デモを貫徹した。

 防衛省は、1月26日、2018年度の移転演習の計画を発表した。それによれば、第1回を4月中旬〜5月中旬に東富士で、第2回を7月下旬〜8月下旬に矢臼別で、第3回を10月中旬〜11月中旬に北富士で、第4回を2019年1月下旬〜2月下旬に王城寺原で行なうとしている。沖縄―日本「本土」を貫き、在沖米海兵隊による実弾砲撃―「本土」移転演習実力阻止の闘いを貫徹せねばならない。全国各地で、移転演習阻止の闘いをやりぬこう。革命的反戦闘争の大爆発をかちとり、〈朝鮮反革命戦争突入絶対阻止〉、安倍極右政府打倒に向け、猛然と進撃しよう。


1・27 在沖米海兵隊の出撃阻止に決起〈沖縄〉

 陸自・日出生台演習場(大分県)での在沖米海兵隊による155ミリ榴弾砲の実弾砲撃―「本土」移転演習に先立ち、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会(沖縄青年実)は、沖縄・首里日雇労働組合(沖日労)の労働者たちとともに、沖縄からの海兵隊の出撃阻止の闘いに決起した。

 在沖米海兵隊は、戦争が起これば、真っ先に敵地に乗り込んで強襲作戦を遂行する最凶暴の部隊であり、これまでにもイラクやアフガニスタンなどの戦場にくり返し出撃しては、多くの労働者人民を殺戮してきた。そして、今度は、朝鮮半島に乗り込んで殺戮と破壊に手を染めようとしているのだ。日出生台での演習は、その予行演習に他ならない。沖縄では、米海兵隊・普天間基地(宜野湾市)所属のヘリによる部品落下、不時着などの事故が相次いで発生しているが、その根本原因は、朝鮮反革命戦争への出撃に備えた実戦さながらの過酷な訓練の激増にある。われわれは、米軍による沖縄全体を訓練場にした朝鮮反革命戦争出撃訓練に対決するとともに、「沖縄の負担軽減」に名を借りて、実際には訓練の野放図な拡大・強化を策す「本土」移転演習に、全力で対決していかねばならない。沖縄―日本「本土」を貫く闘いで、これを阻止していかなければならない。

 1月27日昼、那覇市の目抜き通りにある「パレットくもじ」前に登場した沖縄青年実と沖日労の部隊は、ただちに情宣戦を開始する。あいにく、この日の「パレットくもじ」前は、「闘牛」のイベントの喧騒とかち合ったが、「日出生台での実弾砲撃演習を粉砕しよう。沖縄からの米海兵隊の出撃を阻止しよう」、「政府が唱える『沖縄の負担軽減』は、まったくのペテンだ。訓練強化が目的だ」、「今また『負担軽減』の名で、名護新基地建設が強行されている。現地に集中し、何としても工事を阻止しよう」という訴えに、行き交う労働者人民の熱い注目と共感が集まる。ビラが次々に受け取られていく。用意したビラをすべてまき切り、権力の弾圧、右翼の敵対を一切許さず、約1時間にわたる情宣戦を貫徹した。

 名護市辺野古の新基地建設をめぐり、安倍政府―沖縄防衛局は、1月24日までに、「K2護岸」の建設工事に踏み込んだ。「K9護岸」、「K1護岸」、「N5護岸」、「K4護岸」に続く、五ヵ所目の着工だ。政府―沖縄防衛局は、護岸で取り囲んだ区域から、この夏にも土砂を投入する本格的な埋め立て工事に入るとしている。政府・権力の無法と暴力。これが今、辺野古で起こっていることだ。断じて許すわけにはいかない。現地では、工事を止めるために、体を張った懸命の闘いが展開されている。沖縄青年実は、沖日労の仲間たちとともに現地に通い、ともに現地攻防を闘いぬいている。現地集中と実力闘争で、新基地建設を阻止しよう。「沖縄の負担軽減」に名を借りた「本土」移転演習の拡大・強化、〈基地・沖縄〉の再編・強化をともに打ち砕こう。