２月５日午後４時４３分頃、陸上自衛隊・目達原駐屯地所属のヘリコプターであるＡＨ―６４Ｄが、佐賀県神埼市の民家に墜落し、住宅二棟が炎上し、一一歳の女児が負傷した。ＡＨ―６４Ｄに乗っていた自衛隊員２人は死亡した。
ヘリコプターが目達原駐屯地を離陸した７分後、上空で爆発音をたて、操縦不能となり、部品を撒き散らしながら住宅密集地に向かって機首から垂直落下したものである。ヘリコプターは、５０時間の飛行ごとに実施される定期整備後の点検飛行中だったという。「飛行計画」では、目達原駐屯地を離陸後、福岡県の久留米市や朝倉市方面を飛行し、目達原駐屯地に戻る予定だったとされる。
墜落現場周辺には「認定こども園」や小学校があり、一つ間違えれば、子供たちをはじめとする地域住民の被害がさらに拡大する可能性すらあった。周辺の住民からは、自衛隊機墜落に対する恐怖と怒りが噴出している。
今回事故を起こしたＡＨ―６４Ｄは、「空飛ぶ戦車」と呼ばれる重武装した戦闘用ヘリである。空対空ミサイル・「スティンガー」や３０ミリ機関砲、７０ミリロケット弾、対戦車ミサイルなどを装備している。米軍が主力攻撃ヘリとして使用しているが、自衛隊も現在１３機保有している。
防衛相・小野寺は、事故発生直後「着陸炎上」と呼んでいたが、事態の重大さを認識すると、さすがにごまかすことをあきらめ、「墜落」と認めざるをえなかった。首相・安倍は、労働者人民の怒りを押さえ込むために、小野寺に「原因の徹底究明」を指示するパフォーマンスを見せた。小野寺は、陸自が保有する残り１２機のＡＨ―６４Ｄを飛行停止にし、さらに、「陸・海・空三自衛隊が保有するすべてのヘリコプターについて、点検や整備を徹底するよう」指示している。しかし、そんな姿勢は、やはりパフォーマンスでしかなかった。事故原因がいまだ解明されていないにもかかわらず、２月１６日に、自衛隊は、佐賀県に対し、事故機の所属先である目達原駐屯地配備のＡＨ―６４Ｄ以外の航空機の飛行を、２月２２日から再開する方針を伝えた。「事故機の同型機を除く航空機は安全性が確認できた」なぞと言いなしているが、事故発生からわずか半月での「安全性の確認」なぞ、早期再開を前提とする言い草でしかない。自衛隊の運用を最優先させる安倍政府のやり方に対する、地元住民の怒りがさらに燃え広がっている。
この間、自衛隊機の墜落事故が相次いでいる。２０１７年５月、北海道北斗市の山中で陸自の連絡偵察機が墜落し、自衛隊員４人が死亡した。８月には海上自衛隊の哨戒ヘリが夜間訓練中に青森県沖に墜落し、自衛隊員２人が死亡し、１人が行方不明になった。１０月には、静岡県浜松市の沖合で航空自衛隊ヘリが墜落し、自衛隊員３人が死亡し、１人が行方不明となった。２０１７年に入って朝鮮半島が一触即発の状態になり、日・米・韓が朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）に対する包囲網を強化する中、自衛隊機使用の頻度が増大した結果、メンテナンスが追いつかなくなり、事故頻発を招いていると見るべきである。この構図は、在沖米軍のヘリコプターの事故頻発と同じである。朝鮮反革命戦争遂行のためには、基地周辺の住民たちの生活なぞ知ったことではない、というのが自衛隊と米軍の�猖棆鮫瓩覆里任△襦�絶対に許すことはできない。
自衛隊は朝鮮反革命戦争に備え、九州の部隊の強化を進めている。３月２７日には、相浦駐屯地（長崎県佐世保市）に「日本版海兵隊」そのものである「水陸機動団」を発足させようとしている。さらに、佐賀空港にオスプレイの配備を計画している。戦時国家体制形成を何としても阻止しなければならない。朝鮮反革命戦争突入を阻止しよう。
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