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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

全国大学で大学祭闘争を闘いぬく
九州大学 〈12月15日〉
(1255号5面)

 九州大学では、11回目の御用「九大祭」が、10月7日、8日に行なわれた。六本松キャンパスや箱崎キャンパスの機能が伊都キャンパスに移転してから9回目となる。「九大祭」が始められて70回目となる今年は、開催日がこれまでの11月から10月に変更されている。その内容は、相変わらず「ミスター九大・ミス九大コンテスト」なぞという企画を平然と開催するという腐敗を示している。

 九州大学社会科学研究部は、腐敗を深める御用「九大祭」を許さず、独自の企画に取り組んだ。12月15日、福岡市中央区の「中央区民センター」会場において、「原発再稼働と原発労働者」をテーマとした公開学習会を、原発労働裁判原告である元原発労働者の梅田隆亮氏を招いて開催した。

 10月の衆院選で「圧勝」したことをうけて、安倍極右政府は、原発再稼働を加速しており、2018年3月には、九州電力玄海原発3号機(佐賀県)の再稼働を強行しようとしている。この再稼働攻撃を粉砕する闘いに九大生の圧倒的決起を実現すべく企画は設定され、九大の最寄り駅や他の大学キャンパス近くで呼びかけの情宣が取り組まれた。

 梅田氏は、「私が島根原発や敦賀原発の定期点検作業に従事し、被曝したことによる心筋梗塞の発症を、労災として認定することを求めた裁判は、福岡地裁の棄却判決につづいて、12月4日の福岡高裁判決でも棄却されました」「放射線管理手帳には8・6ミリシーベルトの被曝しか記録されていない。被曝と心筋梗塞の発症の因果関係は認められないというものでした」「初めて原発で働く時に、放射能の危険性はまったく教えられず、線量計も他人に預けての作業であり、放射線管理手帳の記録には事実はまったく記録されない状態でした」「『福島第一原発事故』が発生したことによって、私の被曝の問題も注目されるようになり、裁判を起すことができました。しかし、一緒に定期点検の仕事に行った仲間も被曝しているはずですが、様々な圧力があり、どうなったかも知れない状態です」「今も原発で働く労働者が被曝を強制されています。原発労働者の原発廃止にむけた起ち上がりの一助になればと思い、裁判等の活動をやっています」「福岡高裁の判決は、予想していました。これで挫けることはありません。最高裁に上告する手続きも済ませました。玄海原発の再稼働を許さないために全力で闘う決意です」と語った。

 梅田氏の講演をうけ、参加者からは、「原発の仕事に行くようになったいきさつは?」「福島第1原発や除染作業で働く労働者に伝えたいことは?」といった質問が相次いだ。一つ一つの質問に、梅田氏は熱心に答え、説明を行なった。

 九大社会科学研究部の仲間たちや参加者は、梅田氏の熱気のこもった提起に応え、原発の再稼働強行を通して核武装に突撃する安倍極右政府の打倒にむけた決意を固めていった。



沖縄大学 〈11月24日〉

 沖縄大学では、11月4日から5日までの日程で、「第58回沖大祭」が開催された。「歓言愉色〜レッツ・エンジョイ沖大祭」なるメイン・テーマが物語るように、そこに社会変革への息吹は一かけらもない。学生の批判的・創造的な文化活動、自主的な社会活動が消し去られ、商業化と陳腐化が進み、それどころか、当たり前のように「ミスコン」が開催されるなど、腐敗が進んでいる。「ミスコン」を「ミス・アンド・ミスターコンテスト」にしようが、女性差別という本質は少しも変わらないということが、実行委員会の御用学生たちにも、「地球市民の共育」なる理念を掲げる大学当局にも、とんと理解できないのだ。当局と一体となった御用大学祭の典型のような代物に転落している。この状況を革命的に塗り替えるような沖大学生運動の再生こそが求められている。

 こうした中で、11月24日夕方、社会思想研究会の仲間たちは、沖大近くの市民会場において、「新基地建設の今と沖縄の未来」と題して、公開学習会を開催した。沖大正門前での、さらには市内の諸大学へのくり返しの情宣を受けたものだ。

 はじめに、ビデオ上映が行なわれる。米軍によって沖縄に配備された核兵器の歴史と実態を伝えるドキュメンタリーだ。1959年6月に、米軍・那覇飛行場で核弾頭を搭載したミサイル・「ナイキ・ハーキュリーズ」が誤発射され、近くの海に落下していた事実、とりわけ「核爆発を起こしていたら、那覇が吹き飛んでいただろう」という元米陸軍兵士の証言が流れると、参加者全員に戦慄と怒りが走る。

 続いて、辺野古現地に通う仲間が、資料と映像を交えて、「名護新基地建設は、沖縄の基地の強化、最新鋭化が目的であり、戦争準備の重要な一環にほかならない」こと、「それは、とりもなおさず、沖縄労働者人民に『新たな沖縄戦』を強要するものである」こと、「現在、辺野古の海の埋め立てのために、護岸建設工事が激しく進められている」こと、「現地ではこれを阻止しようと、多くの労働者・市民が、陸上でも海上でも、懸命の闘いを続けている」ことなどをリアルにレポートし、最後に、「安倍政府の暴挙を沖縄から止めていくために、今こそ学生が起ち上がる時だ」と提起した。

 これを受けて、学習会に初めて来た参加者からは、「沖縄から核が撤去されたという確証はない。沖縄にとって北朝鮮の核より米軍の核の方が怖い」、「戦争が身近な問題だと実感した。新基地はもってのほかだ」などの意見が出され、活発な討論が交わされた。

 社会思想研究会の仲間たちは、名護新基地建設阻止の闘いへの沖大生の決起をテコに、沖大学生運動の革命的再生、沖縄における革命的学生運動の本格的台頭を実現する決意を一層強くしている。