12月2日、東京都人権プラザ分館において、第36回反安保全国労働者研究交流集会が開催された。
午前10時、全国から戦闘的労働者が続々と結集し、司会から開会が宣言される。開会の宣言にあたって司会の仲間は、「今、日本の労働組合運動は、歴史的な分岐点に来ています。安倍は、改憲攻撃と同時に、『日本を戦争国家にする』ために、日本労働運動を戦争協力・戦争翼賛の労働運動に転落させ、戦前の『産業報国会』のような労働運動で制圧しようとしているのです。再び、日本労働運動を、戦争協力の道に転落させることを許さず、朝鮮反革命戦争粉砕、改憲攻撃粉砕、『働き方改革』粉砕、翼賛国会粉砕、安倍政府打倒の闘いに勝利していく階級的革命的労働運動の一大飛躍・前進をかちとっていかねばなりません。本日の研究交流集会の成功をかちとり、全国寄せ場での越年・越冬闘争から2018年の闘いに打って出ようではありませんか」と呼びかけ、力強いシュプレヒコールで集会が開始された。
革労協の連帯あいさつと基調提起
集会の冒頭に連帯あいさつに起った革命的労働者協会の同志は、「情勢の特徴点」、「2017年から2018年に至る過程の集中的闘争課題」、「反安保労研運動の革命的任務」の3点をめぐって提起を行なった。
「情勢の特徴点」では、第1に、「世界大恐慌の切迫」について、「景気が拡大していると言われているが、実際は、バブルに過ぎない。バブルは、必ずはじける。残る問題は、バブルの崩壊が『いつ始るか』『その引き金を引くのは、どこか』という問題である。非常に小さなはずみから、世界のどこか1ヵ所で破綻が起きれば、これを取り繕うほどの余力を持った機関や国家がどこにも存在しないという状況になっている。どこがそのような形でバブル崩壊の引き金を引くにせよ、世界恐慌は必至であって、世界恐慌は基軸通貨・ドルが本格的に暴落する時、これが世界大恐慌の本格的始まりを告げることになる」と世界大恐慌情勢が深化していることを鮮明にした。第2に、「朝鮮反革命戦争の危機」について、「11月29日に、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が発射した弾道ミサイルをめぐって、米国務長官・ティラーソンは、『海上封鎖』に言及している。『海上封鎖』は、国際法上は戦闘行為であり、武力行使だ。さらに、国連大使のヘイリーは、『北朝鮮向けの石油供給を完全に断つべきだ』と言っている。『万が一戦争になったら、北朝鮮政権は間違いなく完全に壊滅させられる』と恫喝している。戦争の危機は、かつてなく高まっていると言わざるを得ない。ただし、北朝鮮が核やミサイルの開発をやるから戦争になるというわけでは断じてない。日帝や米帝が本気で戦争をやる気だから戦争になる。北朝鮮の核やミサイルの問題は、戦争をやりたがっている日帝や米帝がとってつけた口実に過ぎない」と喝破した。第3に、「安倍政権の改憲と戦争に向けた動き」をめぐって、「日本会議という右翼の団体が11月27日、都内で会合を開き、『自民党憲法改正推進本部』の顧問で元文部科学大臣の下村が『憲法改正は、もう目前に来ている。自民党は、来年の通常国会で憲法改正の発議ができるように頑張り、日本らしい憲法を作っていきたい』と発言したと報道されている。安倍は、労働者人民の抵抗を少しでもごまかそうとして、『条文は全然いじらない。途中に自衛隊を挿入するだけです。基本骨格は変わりません』と言っている。今の憲法に『自衛隊』を入れたらどうなるのか。『日本国憲法は、戦争を放棄するが、戦争はやる』『交戦権は否定するが、交戦はする』『戦力は不保持だが戦力は持つ』、このような誰が聞いてもおかしい、誰が聞いても意味がわからない、こんな、憲法で誰が納得するのか、世界の笑い者になるだけだ。これは、『憲法九条の元の部分は残した』と言いながら、しかしながら実は、まったく有名無実にして、まったく憲法の条文を無意味なものにしてしまう。こんなことを私たちは、絶対に許すわけにはいかない。通常国会では、『残業代ゼロ化』の『労働基準法』改悪も狙われている。是非とも、通常国会粉砕、翼賛国会粉砕の闘いを、全力で担っていこいう」と呼びかけた。
「集中的闘争課題」では、第1に、「中東反革命戦争粉砕の闘い」をめぐって、「『イスラム国』に対する掃討作戦は、7月の最大拠点・モスルの陥落、10月の『イスラム国』が首都と位置付けるシリアのラッカの陥落、この2つの都市の攻略をうけて、今や『イスラム国』に対する残党狩りのような様相になっている。帝国主義の中東支配の野望というのは、歴史的に強烈なものがあり、中東支配を再編・強化するために、次から次へと戦争をしでかすというのが帝国主義が歴史上やってきたことであり、トランプが狙っていることだ。われわれは、クルド労働者人民の民族自決権について、支持し擁護する。ただし、イラクのクルド人自治政府や、シリアの『統一民主党』(PYD)のように、『イスラム国』掃討作戦の時に、米軍の支援を受け、米軍と一緒に作戦をやった勢力のように、帝国主義との相互利用関係の中に独立の展望を見るような進め方については、私たちは到底支持することはできない。中東反革命戦争の拡大・激化、日帝の本格的参戦を粉砕する革命的反戦闘争の爆発をかちとろう」。第2に、「朝鮮反革命戦争粉砕の革命的反戦闘争」について、「テレビをつければ、一言め、二言めには、安倍が、あるいはトランプが、『北朝鮮の挑発』と言っている。『挑発』という言葉で、『北朝鮮は、戦争を望んでいる』『戦争を誘発しようとして、悪逆非道な手出しをしている』というイメージを刷り込んでいる。しかし、戦争をやろうとしているのは、北朝鮮ではなく、日帝と米帝だ。北朝鮮の目的は、ハッキリしている。戦争をやるためではなく、戦争をやって滅ぼされないために、日・米・韓による戦争によって自分たちが滅ぼされないために、ハッタリも含めて一生懸命に対抗措置を取っているだけだ。年末から年始にかけて、米帝が軍事行動を計画しているという報道もある。朝鮮反革命戦争が始まる時、それは、日本階級闘争の決戦だ。そのような腹積もりで断固として反戦闘争に起ち上がって行こう」。第3に、「来年の通常国会は、まさに『改憲国会』と言うべきものになろうとしている。これを必ず、われわれを先頭とした決起で打ち砕いていこう」。第四に、「名護新基地建設阻止―護岸工事の強行を絶対阻止する闘いを沖縄の仲間たちをはじめとして、全国の起ち上がりで爆発させていこう。玄海原発3号機、大飯原発3号機の来年3月の再稼働阻止の闘いに、地元の仲間を先頭に、全力で起ち上がって行こう」。
最後に、「反安保労研運動の革命的任務」について、同志は、マルクスの「労働組合、その過去、現在、および将来」という一文を紹介し、「労働組合は、資本の下への隷属や、抑圧の強化、資本の攻勢に対する反撃を全力で推し進めつつ、その一進一退にキチンと責任を取りきる。そればかりでなく、同時に、こうした攻防に終始するのではなく、賃金奴隷制の変革、資本主義的生産の根底的な変革を実現するために、全力で闘わなければならない。労働組合の目的というのは、本来、こういうものだ。賃金奴隷制の廃止という目的を実現するために、反安保労研運動の飛躍、革命的労働運動の飛躍を実現しよう」と呼びかけ、連帯あいさつを締めくくった。
反安保労研全国センター幹事会から集会基調が、情勢、総括、方針の順に提起される。
情勢では、「アベノミクス」が破綻し、その「金融政策」「財政政策」が、政府や日銀の財政を危機的状況に追い込み、金融緩和の「出口戦略」も発動が困難な状況に至っていることが明らかにされた。日帝資本と安倍政府は、「共謀罪」の新設や名護新基地建設、原発再稼働の強行、そして改憲攻撃と戦時国家体制形成をもっての朝鮮反革命戦争突撃によって延命を策していることが鮮明にされ、「働き方改革」と称した戦後労働法制の解体を通して階級的革命的労働運動を根絶し、「翼賛労働運動」を完成させる攻撃を粉砕することが焦眉の課題であることが鮮明にされた。
総括では、「翼賛国会粉砕」の基調を鮮明にして「共謀罪」新設阻止の連続的な国会闘争を闘い、自衛隊の実戦軍化に対決する革命的反戦闘争を闘ってきた意義が提起され、さらに、「日の丸・君が代」強制攻撃と対決する教育労働者運動、公務員労働運動、国際連帯の闘いとしてフィリピン・トヨタ労組の解雇撤回闘争、韓国サンケン労組の解雇撤回闘争への連帯行動、寄せ場労働運動を頑強に闘いぬいてきた地平が提起された。
方針では、第1に「職場生産点からの革命的反戦闘争への決起を拡大していこう」と、「戦争を支える職場」「戦争を支える労働運動」を育成する攻撃を打ち破る職場からの反戦決起を死活的に闘う方針が提起された。第2に、「公務員労働運動」をめぐっては、「地方公務員法」と「地方自治法」の改悪で「非正規」公務員を法制化し、「官製ワーキング・プア」を拡大し、「正規」と「非正規」の分断を強める攻撃を粉砕する闘いが提起され、第3に、「非正規」争議をめぐっては、地域連合労組運動の前進で「非正規雇用」労働者との結合を強め、2018年4月から始まる「労働契約法」に基づく「無期雇用転換権」をつぶそうとする攻撃と対決する闘い、「働き方改革」と称した労働法制改悪阻止の闘いを推進し、「本工主義」労働運動を突破する方針が提起された。第4に、「教育労働者運動」をめぐっては、2018年卒・入学式での「君が代」不起立闘争の爆発をかちとり、戦争動員にむけた「道徳」の教科化攻撃を粉砕する方針が、第5に、「寄せ場労働運動」をめぐっては、大阪・釜ヶ崎での「センター移転・縮小」攻撃、「2020年東京オリンピック」開催と連動した山谷の「再開発」―寄せ場・山谷の解体攻撃と対決する方針が、第6に、「国際連帯の闘い」では、新たな「外国人技能実習制度」と対決し、フィリピン・トヨタ争議を突破口にして日帝資本と対決する労働者との国際連帯を拡大すること、「在特会」などによる在日外国人労働者への排斥、襲撃を粉砕する方針が、第7に、「被差別大衆の自主的解放闘争と結びつき闘おう」と狭山闘争への決起、「障害者」解放闘争の前進を共にかちとる方針が提起され、第8に、、2018年反戦・反合・政府打倒春闘の爆発をかちとり、階級的革命的全国統一センター建設に進撃していく方針が提起された。
闘う基調は満場の拍手で確認された。
産別分散会と新事務局体制
休憩の後には、正午から「公務員」「民間」「寄せ場・日雇い」の3つの分散会がそれぞれの会場に分かれて開始された。
〈公務員分散会〉
公務員分散会には、各地の自治体労働者をはじめとする労働者が参加し、活発な論議が行なわれた。分散会では、最初に司会の労働者から「自治体労働者に対して、人事評価制度の導入、フレックス・タイムの導入につづいて、『地方公務員法』と『地方自治法』の改悪による「非正規」公務員の法制化―『官製ワーキング・プア』の攻撃が強まっている。自治労本部が安倍政府の『働き方改革』に屈服する中で、これを突破して闘う公務員労働運動の飛躍が問われている」という提起が行なわれた。
続いて、自治労大会の報告が行なわれる。自治労本部は、「もはや臨時・非常勤等職員の存在なくしては公共サービスは提供できないのが現況」なぞと言い、地方自治体での「非正規雇用」を肯定しており、5月の「地方公務員法」改悪で、「非正規」公務員を「会計年度任用職員」と規定したことを前進と評価している。「会計年度=1年ごと」に任用(採用)と雇い止めを繰り返す「1年解雇」を合法化することを容認しているのだ。また、自治労本部は、「地方自治法」改悪で、「パートタイム『会計年度任用職員』にも期末手当が支給される。組合への組織化のチャンスだ」なぞと言っているが、自治体当局は、パートタイムの非常勤職員の賃金は、「報酬・費用弁償」とし、消耗品代である物件費に計上しているのだ。自治労本部は、パートタイム非常勤職員の労働者性を否定する攻撃に対して何ら問題にもしようとしていないのである。自治労大会では、「要求提出ができない。集会の開き方や交渉の仕方が分からない」「職場はほとんど会話がなく、仲間意識がなくなっている」という報告が相次いだ。公務員労働運動解体攻撃に何ら対決せず、自治体労働者の分断管理を容認する姿勢が、自治労組合員の100万人(2000年)から81万人(2015年)への減少、組織率の80パーセントから66パーセントへの低下に結果していることが報告された。
自治労大会の報告、「地方公務員法」と「地方自治法」の改悪攻撃についての報告を受け、分散会参加者から活発な質問や意見が相次いだ。民間で「非正規」で働く労働者は、「『非正規雇用』で自治体の業務をさせるということは、結局、安い賃金で働かせようということだ。それを労働組合である自治労が歓迎するというのはおかしい。自治労は、『非正規10万人組織化』を目標に掲げているらしいが、『正規』公務員のことしか考えていないなら、『非正規』公務員は共感しないと思う」。山谷から参加した労働者は、「市役所、区役所で働く労働者に苦情や文句を言う人がいるが、六四万人も『非正規』で安い賃金で働かされている労働者がいるとは知らなかった。『官』と『民』、『正規』と『非正規』の壁を超え、一致団結して闘うようにしていきたい」と発言した。
「公契約条例」を区行政に制定させ、「官製ワーキング・プア」を許さず闘う労働者からは、2018年度の賃金について、区行政に対して「建設労働者については、熟練技能労働者は東京都設計労務単価各職の85パーセント、未熟練工・高齢者および不熟練者については東京都設計労務単価における『軽作業員』の70パーセントを下限額とし、業務委託の労働者については、昨年より30円増額させ、東京都の最低賃金である958円より高い1050円」を要求していることが報告された。
分散会の集約では、「安倍の『2020年改憲』攻撃が強まり、本格的戦争への突撃、戦時国家体制形成の攻撃が強まっている。かつて公務員が労働者人民を戦争に狩り立てる『帝国の官吏』として立ち現れた歴史を再現させることを狙った『公務員制度改革』攻撃を許さず、公務員労働運動の前進を実現しよう」という提起がなされ、全員が確認していった。
〈民間分散会〉
民間分散会は、民間で働く労働者、生協労働者、未組織労働者などが参加して行なわれた。
分散会は、最初に、「連合」傘下の「UAゼンセン」、「金属労協」(JCM)の定期大会の批判から始められた。
「UAゼンセン」は、日本最大の民間産別組織であり、経営との間で「経営者に抵抗しない労働組合を作りませんか」と呼びかけ、「ユニオンショップ制」で「組合を脱退したら解雇される」という恫喝をもって労働者に労使協調を強制し、組合員数を増やしている。JCMは、「反共」と労使協調路線で武器輸出や原発再稼働を労働組合として要求するという許し難い組織だ。
「UAゼンセン」は、9月の大会で、「UAゼンセン労働政策」を策定した。その内容は、「信頼に基づく集団的労使関係」「人を大切にする経営」なぞという言葉を並べ立て、「過労死」に至るほどの長時間労働の強制や、不払い残業の強制、「非正規雇用」の拡大、低賃金を容認する姿勢を露骨にしている。労働者が職場・現場で資本による搾取と隷属に対決し、闘うことを否定し、資本の防衛を労働者に強制する労使協調路線だ。大会冒頭にあいさつした会長・松浦は、「自衛隊の存在がいつまでも解釈によるのではなく憲法に明記されることを積極的に捉えている」「国民的論議が行なわれ、方向づけがなされるように望む」と発言し、安倍の「2020年改憲」への明確な支持を打ち出している。これに対して、分散会参加者から次々と「『日の丸』を掲げ、資本主義経済の防衛に労働者を動員し、戦争翼賛の『産業報国会』型労働運動の尖兵である『UAゼンセン』を許してはならない」という声が出された。
JCMは、「自動車総連」「電機連合」「JAM」「基幹労連」「全電線」の金属関連5産別労組で作られている。9月の大会冒頭で議長・相原は、すでに破綻が明白な「アベノミクス」にしがみつき、日帝経済の「復活」を追い求めることを基調にすると言い放った。さらに、相原は、「日本企業の海外事業拠点における労使紛争が、増加・複雑化する傾向にあり、憂慮する状況にある」と言い、「話し合いで諸問題を解決できる建設的な労使関係づくり」の強化を打ち出し、海外の労働者に対しても労使協調路線への屈服をせまると言い放っている。また、相原の出身産別のトヨタでは、「労働契約法」により、2018年4月から反復雇用で5年を超える有期雇用労働者を無期雇用する義務が発生することを逃れるために、契約終了から再雇用までの「空白期間」を6ヵ月に延長し、有期雇用労働者に長期失業を強制していることが発覚している。これに対して、「自動車総連」も、JCMも何ら対策を講じようとはしていない。JCMは、「第3次賃金・労働政策」の中で「非正規労働者の正社員への転換促進」なぞといっているが、それは口先だけのものであり、あくまで「非正規雇用」労働者を「踏み台」にした労使協調路線が本質なのだ。また、JCM加盟の「基幹労連」は、「原子力発電所の早期再稼働に向けた支援を要望する」「海外労使紛争に関するJCM本部の情報収集力強化を」なぞと言い放っている。原発再稼働・新(増)設を推進し、武器輸出を「展望」とするJCMは、戦争翼賛の「産業報国会」型労働運動の尖兵そのものだ。帝国主義労働運動の跳梁を許さない革命的労働運動の一挙的な前進を実現しなければならないことが分散会参加者全体で確認された。
続いて、民間分散会に参加した労働者からの発言を受ける。
民間分散会に参加した生協労働者は、生協労働運動の現状が報告された。「民間は、中小企業が多い。生協は、合併が進み、大きくなっているが、『非正規雇用』労働者が『正規雇用』労働者の四倍になっており、業務委託の労働者が7割になっているのが現状だ。人手不足が慢性化し、有給休暇も取れない現状だ。『正規』―『非正規』が一体となって闘っていくことが課題だ」とした。
民間の介護事業所で働く労働者からは、「『正規』の労働者が6人、『非正規』の登録労働者が30人という中で、事業所の利用者が減ると、『非正規』の労働者から仕事を取り上げ、『正規』の労働者に回し、会社の『利益』を守っている。『正規』『非正規』の労働者が仕事を分担し、協力してやることが壊されている。こうした会社のやり方を変え、労働者同士がつながり、闘っていくことが課題となっている」という報告がされた。
東京都地域連合労働組合の仲間からは、「少数の労働組合ではあるが、山谷をはじめ、闘う労働者とつながり闘ってきたこと、安倍の戦争政策を粉砕し、労働法制の改悪と対決し、1人の首切りも許さない労働組合の原則を守りぬき、闘う」という決意が明らかにされた。
方針討論では、安倍極右政府が、戦争翼賛の「産業報国会」型労働運動を育成するために「働き方改革」を叫び、労働法制の大改悪を強行しようとしている中で、労働組合を知らない未組織労働者や、「非正規雇用」労働者、使い捨てにされている労働者との接点を持つための活動を強化すること、反戦・反合闘争を闘い、1人の首切りも許さない労働運動を作り上げていかねばならないことが確認された。また、あらゆる民間争議に取り組むべく地域連合労働組合を強化し、基幹産業部門に手を掛けねばならないこと、全国労働組合運動交流会の飛躍を実現し、ゼネストを展望する階級的革命的全国統一センター建設を急がなければならないことが確認され、終了していった。
〈寄せ場・日雇い分散会〉
寄せ場・日雇い分散会は、「反戦・反失業」を基調として闘う全国寄せ場交流会に結集する東京・山谷日雇労働組合、「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」、福岡・築港日雇労働組合、そして、沖縄・首里日雇労働組合の日雇い・野宿の労働者が結集し開催された。
東京・山谷からは、「『社会保険未加入』を理由とした労働者の現場からの排除が強まり、『白手帳』を奪い日雇い労働者の生活保障の役割を果たしていた『アブレ金制度』を解体する攻撃が強まり、ますます、アブレ―野垂れ死に攻撃が強まっている」という報告が行なわれた。また、「野宿する労働者が夜露をしのいできた『いろは通り商店街』のアーケードの撤去工事が10月から始まり、人民パトロールなどによって野宿する労働者を防衛する闘いと『仕事よこせ』の闘いがますます重要になっており、越年・越冬闘争を全力で闘う」という決意が述べられた。
大阪・釜ヶ崎からは、「『西成特区構想』の一環として『センター』の建て替の動きが進み、今年4月から『センター』建て替え中の「仮移転先」である南海電鉄高架下での工事が開始され、2019年から『センター』の建て替え工事が計画されている」という報告が行なわれた。「釜ヶ崎の『センター』周辺では、多くの『簡易宿泊所』(ドヤ)が海外からの観光客用のホテルに変わり、大阪市は、『再開発』のために『センター』の最寄り駅である新今宮駅に隣接する約1万4000平方メートルもの市有地を売却し、大型リゾートホテルを誘致し、周辺の公園で野宿する労働者を追い出し、公園を閉鎖するなどしている。『日雇雇用保険』廃止に向けた攻撃として、『アブレ手当』の『口座振り込み化』が強行されている」ことも報告され、朝の「センター」での机出し―労働相談活動を起点にして反撃の闘いを組織する決意が述べられた。
福岡・築港からは、「築港に求人業者がまったく来なくなり、山谷や釜ヶ崎のような『公的就労対策事業』を実現するために、毎週水曜日に福岡市役所に対して『仕事よこせ』の『水曜行動』を取り組み、国の出先機関である福岡労働局との団体交渉を行なっている」という報告が行なわれた。
沖縄・首里からは、「『名護新基地建設絶対反対』という民意を踏みにじって、力ずくの建設工事が進められることに対して、沖日労の組合員が毎週交代で辺野古に通い、新基地建設を阻止するため、闘う沖縄労働者人民と共に闘いぬいている」ことが報告された。沖縄は、失業率、貧困率、「非正規」率のどれをとっても全国一という状態が続いている。首里の寄せ場へ求人に来る業者はほとんどなく、仕事を求めてやってくる労働者の数もめっきり減っている。発言した労働者は、「沖日労は、『公的就労対策事業』の沖縄での実施、『日雇雇用保険制度』の適用拡大などを求めて沖縄『県』、那覇市、沖縄労働局への要求行動を、いっそう強めていく」という決意を述べた。
各寄せ場からの現状報告が一巡した後、今後の闘いを巡っての討論が行なわれた。とりわけ、寄せ場労働運動の原点ともいうべき、「1人の野垂れ死にも許すな」「生きてやりかえそう」を合言葉にして闘われる越年・越冬闘争、1月14日に予定されている「佐藤さん虐殺33ヵ年 山岡さん虐殺32ヵ年弾劾!
金町一家解体! 日雇い労働者全国総決起集会」の成功をかちとることが分散会参加者全員で確認された。
分散会の集約では、安倍政府の本格的な戦争への突撃が強まり、全国労働者の「寄せ場―日雇い労働者化」とでもいうべき「生涯非正規化」「9割非正規化」が加速する中、「反戦・反失業」を基調にした寄せ場労働運動の前進をかちとり、さらに全産別に進出していこうと確認していった。
分散会が終了し、それぞれの分散会から簡単な報告が行なわれた。続いて、司会から全国幹事が紹介される。それぞれの地区センターから選出された代表者の名前が紹介され、会場全体の大きな拍手で承認された。最後に、今後1年間の闘いの先頭に起つ幹事会からの決意表明だ。「安倍の本格的戦争への突撃と戦時国家体制形成攻撃を粉砕する闘いの中心部隊として労働組合が起ち上がらなければならない情勢に突入している。しかし、日本最大の労働組合組織である「連合」の会長・神津は、改憲反対派、『安保法制関連法』反対派の一掃のために蠢いた。このような、戦争に加担する動きを打ち破っていく労働運動を作り上げていくために、反安保労研が一丸となって闘おう。2018年反戦・反合・政府打倒春闘の爆発をかちとるため、全国センター幹事会はその先頭で闘う」。この決意表明に対して会場からの圧倒的な拍手が起きる。司会が当面の行動提起を行ない、シュプレヒコールとインターナショナルの斉唱が会場に響き渡り、集会は終了した。
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