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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

11・4 「近畿府県合同防災訓練」粉砕闘争に決起 〈大阪〉
(1247号5面)

南海・堺駅での情宣闘争に決起

 11月4日、反戦青年委員会と全学連は、「近畿府県合同防災訓練」粉砕闘争に決起した。

 午前8時、南海・堺駅頭に登場した部隊は、青ヘルメットと青ゼッケンで身をかため、ただちにビラ撒きとアジテーションを開始する。横断幕を広げ、ビラが配布される。道行く労働者人民に対し、「本日4日と明日5日、堺泉北港堺2区基幹的広域防災拠点を主会場に、『近畿府県合同防災訓練』が強行されようとしている」「『防災訓練』とは、労働者人民の闘いを鎮圧するための治安出動訓練にほかならない」「『防災訓練』の目的は、自衛隊の治安出動訓練であると同時に、町内会組織に代表される『自主防災組織』をファシズム勢力として地域末端から組織化しようとするものだ」「朝鮮反革命戦争に最先頭で突撃する日帝は、『防災訓練』の名の下での自衛隊の『治安出動訓練』と『有事』に備えた『自主防災組織』の育成を露骨に進めているのだ」「1923年の9月1日、関東大震災に際して、国家権力は、デマで塗り固めた排外主義を大煽動し、労働者人民を『自警団』に組織し、朝鮮人・中国人の大虐殺、『社会主義者』の虐殺を凶行していったことを忘れてはならない。『民間防災組織』の育成を通して戦前の『隣組』『自警団』を復活させ、社会の末端からファシズムを組織化する『防災訓練』への動員を拒否しよう」と「防災訓練」の本質を余すところなく労働者人民に暴露していく。最後に、「防災訓練」弾劾のシュプレヒコールで南海・堺駅頭での情宣闘争を終えていった。

 今年も8月30日から9月5日までを「防災週間」として、9月1日の「防災の日」を中心に全国各地で「総合防災訓練」が強行されている。関西では、近畿2府7県(大阪府、京都府、滋賀県、兵庫県、奈良県、和歌山県、三重県、徳島県、福井県)の持ち回りで実施されてきた「近畿府県合同防災訓練」は、今年2017年は、大阪府が担当である。

 今回の「近畿府県合同防災訓練」の主催団体は、総務省消防庁、大阪府、大阪府下消防長会、国土交通省近畿地方整備局、堺市、関西広域連合である。訓練構成は、国土交通省近畿地方整備局が毎年11月5日の「津波防災の日」に行なってきた「近畿地方整備局・堺市合同総合防災訓練」、近畿2府7県で持ち回り開催している「緊急消防援助隊近畿ブロック合同訓練」(実施主体:総務省消防庁、大阪府、大阪府下消防長会)、「関西広域連合応援訓練」(実施主体:関西広域連合)の3つであり、これら訓練の同時開催は今年が初めてだという。

自衛隊の治安出動訓練粉砕 

 大阪府政策企画部・危機管理室消防保安課・消防指導グループ発表の報道資料によれば、南海トラフでの被害想定のもと、「災害時における防災関係機関相互の連携・強化、参加機関の災害対応力の向上、府民の防災意識の高揚」を目的として、訓練内容は、(1)部隊運用訓練(倒壊ビル救出訓練、大規模火災消火訓練、船舶火災消火訓練、漂流者救出訓練等)、(2)職員派遣・物資輸送訓練、(3)航路・道路啓開訓練、緊急支援物資受け入れ・仕分け・搬出訓練、避難所運営訓練、(4)防災啓発・展示、とされている。なお、自衛隊からは陸上自衛隊第37普通科連隊(陸自信太山駐屯地所属)が訓練に参加している。

 「防災訓練」とは、労働者人民の生命を守るためのものではない。自衛隊の治安出動訓練であると同時に、「災害に備えなければ」と労働者人民の不安を巧みに利用し、自衛隊や警察、行政のもとに地域住民を手なずけて協力させていく訓練なのである。まさに労働者人民の闘いに身構えた内乱鎮圧訓練にほかならない。この事は歴史が証明している。

 1923年9月1日の関東大震災時に、日帝は戒厳令を公布し大量の軍隊を出動させ「不逞鮮人(ママ)が来襲して井戸へ投毒、放火、強盗、強姦をしている」とデマを煽動しながら、警察や民間の「自警団」とともに、関東各地で6600人以上にのぼる朝鮮人・中国人と、社会主義者を虐殺し、戦時体制を確立していった。今日の自衛隊の参加のもとで行なわれる「総合防災訓練」は、当時の戒厳令―治安出動を「教訓」として強行されてきたものであり、労働者人民の闘いに身構えたブルジョア社会秩序の防衛=内乱鎮圧にむけた、文字通り自衛隊の治安出動訓練に他ならない。自衛隊主導のもと、行政機関を総動員して、避難民支援、災害医療、負傷者運搬、物資輸送、救出・救助訓練などという名目で、陸・海・空自衛隊部隊が車両、重機、船舶、ヘリ、輸送機などを大量に投入して大手を振って治安出動訓練をしているのだ。そして、「災害の危機」を煽り、「地域自主防災組織」による「住民参加型訓練」と称して住民を巻き込むことで、「非常事態」下の治安維持作戦に労働者人民を糾合し動員していくことを狙うものだ。この「防災訓練」の目的は、自衛隊の治安出動訓練であると同時に、ファシズム勢力を地域末端から組織化しようとするものに他ならない。

 2011年3月11日の東北・関東大震災では、政府は、自衛隊・警察が「混乱回避」を口実にして高速道路・鉄道を統制化に置き、食料や飲料水など「支援物資」の被災地への輸送を自衛隊が一元管理し、労働者人民が被災者救援のために物資を携えて被災地に入ることさえ許さない治安優先の体制を取った。自衛隊・警察が被災地を完全に隔離・封鎖したのである。かろうじて被災をまぬがれ営業していたガソリンスタンドのガソリンは、自衛隊・警察が全部持っていってしまう一方で、自衛隊や米軍が輸送した「支援物資」は配布する体制も人もなく、集積拠点に山積みされたままになるということが各所で起こった。これらをみても、政府の目的が、断じて「災害における人命救助」なぞではないことは明らかだ。政府の目的は、自らの延命とブルジョアジーの救済、治安維持と戦時国家体制形成にあるのだ。支配が目的の政府、殺戮が目的の自衛隊、弾圧が目的の警察が、被災者の救援に有効に機能するわけがないのは明らかだ。

戦争突撃の安倍極右政府を打倒しよう

 1995年の「阪神大震災」以降、自衛隊の「防災訓練」への参加が常態化し、在日米軍の参加も増加している。2017年9月1日の「9都県市合同防災訓練」でも、自衛隊、海上保安庁とともに在日米軍が参加している。会場に自衛隊基地、米軍基地を使用することも増えている。防衛省・自衛隊は、6月20日から23日にかけて、市ヶ谷、朝霞駐屯地などで独自に「2017年度自衛隊統合防災演習」を実施した。「南海トラフ地震発生時における自衛隊の指揮幕僚活動及び防災関係機関等との連携」を目的とし、さらに、「自衛隊統合防災演習として初めて、同盟調整メカニズムを活用して訓練を実施するとともに、諸外国から各国軍人のオブザーバーを招へいして連携を強化」とするものだ。参加人員は、昨年の4500人から1万3000人へと3倍も拡大した。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の「核・ミサイル問題」を口実とした一触即発の朝鮮反革命戦争突入の危機の最中、陸・海・空3自衛隊と在日米軍とが共同した演習は、明らかに朝鮮反革命戦争遂行のための演習であり、これと一体の治安出動―内乱鎮圧訓練に他ならない。自衛隊の治安出動をもって労働者人民の決起―階級闘争の爆発を鎮圧すること、すなわち労働者人民の闘いに銃口を向けるために、自衛隊主導の「防災訓練」が強行されているのだ。断じて許してはならない。

 また、安倍政府は、北朝鮮のミサイル発射を利用し、「全国瞬時警報システム」(Jアラート)の活用をさかんにキャンペーンし、「北朝鮮のミサイル発射」を想定した「避難訓練」を「都道府県」で実施させて「脅威」と「戦時ムード」を煽っている。Jアラートとは、人工衛星と市町村の防災無線を利用して緊急情報を伝える「全国瞬時警報システム」の通称であり、「弾道ミサイル情報、緊急地震速報、津波警報など、対処に時間的余裕のない事態に関する情報を国(内閣官房・気象庁から消防庁を経由)から送信し、市町村防災行政無線等を自動起動することにより、国から住民まで緊急情報を瞬時に伝達するシステム」のことである。Jアラートで送信される緊急情報には、気象庁による「気象関連情報」と内閣官房による「有事関連情報」があり、「気象関連」として地震・津波・火山・気象に関する計14種類の警報や注意報、「有事関連」として「弾道ミサイル、航空攻撃、ゲリラ・特殊部隊攻撃、大規模テロ」の計四種類の情報が対象になっているとされる。11月1日に、Jアラートでの緊急地震速報伝達訓練が全国で行なわれた。

 自衛隊の治安出動訓練を許すな。日帝の朝鮮反革命戦争突撃と対決し、安倍極右政府を打倒しよう。