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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

10・6 フィリピントヨタ労組237人の解雇を撤回せよ!
トヨタ東京本社前闘争を闘う
(1243号8面)

トヨタ東京本社前を埋めつくして集会

 10月6日、午後5時から東京・文京区後楽1丁目のトヨタ東京本社前で、東京総行動(主催:「けんり総行動実行委員会」)の一環として、フィリピントヨタによる、フィリピントヨタ労組破壊のための237人の解雇攻撃に対して、トヨタ資本に責任を取らせ、解決を迫る行動が取り組まれた。6月の行動に続き、この日も雨が降りしきる中での行動となった。この行動には、東京・山谷日雇労働組合、東京都地域連合労働組合の仲間も結集し闘いぬいた。

 最初に、「けんり総行動実行委員会」から主催者あいさつが行なわれる。「フィリピントヨタが行なってきた組合つぶしは、何としても解決しなければならない。働く者の労働条件を良くするために組合を結成した労働者を解雇するトヨタを、断じて許すことはできない。私たちは、労働者の地位向上、権利獲得をめざして闘う。韓国サンケンの労働者が、日本に来て、勝利するまで帰らないと闘い、解雇を撤回させ会社に戻ることができた。こうした力でフィリピントヨタの解雇撤回を闘い、労働争議の勝利に向かって闘う」。

 「フィリピントヨタ労組を支援する会」が、フィリピン現地の報告を含めて発言する。「フィリピントヨタ労組は、固い団結によって頑張っている。237人の解雇撤回闘争を、最後の勝利に向けて闘っている。16年間の闘いは、勝利に向けて大きく動いている。全力をあげて闘う。トヨタが逃げ回ることに対して、フィリピン政府がトヨタ本社に対して、『争議の解決を願う』という書簡を送っている。トヨタは、『後進国』に対する差別的な対応を反省し、争議解決をすべきだ」。

 フィリピントヨタ労組が加盟する全造船関東地協が、「全造船関東地協は、当該を支援してこれからも闘っていく」と発言。続いて、「フィリピントヨタ労組を支援する会」事務局が、「フィリピン政府の労働雇用省の長官(大臣)が、トヨタ自動車会長あてに、『この問題を解決しよう。もし返事があるなら、私が日本に飛んで来よう』と書簡を送った。これに対して、トヨタからは返事がない。国際問題に発展しかねない問題を、トヨタは解決すべきだ」「9月18日に、私たちは、トヨタ自動車の内山田会長と豊田社長に『フィリピントヨタにおける長期労働争議の解決に関する要請』を送った」とし、「要請書」を読み上げた。「要請書」は、「一般従業員が組合を結成したことを敵視して大量解雇を強行したことに断固抗議する」「非人道的、反倫理的態度を取り続けていることに対し、断固抗議する」「責任をもって本件の解決を図る旨の決断をされ、フィリピン政府労働雇用省長官の要請に速やかに真摯な回答をされるよう要請する」としている。

 この後、トヨタ東京本社に対してシュプレヒコールが叩きつけられる。「トヨタは、組合潰しをやめろ!」「237人の解雇を撤回しろ!」「解雇を撤回して職場に戻せ!」「トヨタは、ILO勧告に従え!」「トヨタは、フィリピン現地労働者の声を聴け!」「団結権侵害を許さないぞ!」「トヨタは、争議を解決しろ!」「トヨタは、解決に向けたテーブルにつけ!」「トヨタは、誠実に話し合いを行なえ!」「すべての仲間と闘うぞ!」「争議解決まで闘うぞ!」。

日帝足下の労働組合運動の責務としてフィリピントヨタ争議の勝利を

 JAL争議団、全国一般東京労組フジビグループ分会、全国一般東京労組FAユナイテッド分会から連帯あいさつが行なわれる。JAL争議団は、「トヨタの対応は、大企業だからというものだ。ILO勧告にも従わない、フィリピン政府から解決を求められても解決しない、許すわけにはいかない」「ともに連帯して闘う」。フジビ、FAユナイテッドの仲間も、トヨタの不当労働行為、組合潰し、不当解雇を許さずともに闘うとあいさつした。

 最後に全労協議長・金沢氏からの団結ガンバローでこの日の行動を締めくくった。

 2001年、フィリピントヨタ労働者が組合を結成して起ち上がったことに対し、トヨタは、「組合を潰さないなら資本を引き揚げる」と当時のアヨロ政権を恫喝し、この下で大量解雇を強行した(2001年233人、2010年に4人)。以降、フィリピントヨタ労組は、粘り強い闘いを展開してきた。2001年3月には、700人の組合員が2週間にわたってストライキ闘争に突入し、生産をストップさせた。こうした闘いがフィリピン政府を突き動かした。フィリピンでは、2016年に、「未解決労働争議の解決」を重要政策課題の1つに掲げるドゥテルテ政権が誕生し、労働雇用省が強い姿勢で当事者双方を呼び出した。フィリピントヨタは、日本から派遣されている社長が出席せず、代理の弁護士を出してきたが、国際労働機関(ILO)フィリピン駐在事務所の立会いのもと、労使同席の「解決交渉」が持たれた。しかし、会社側弁護士は、「本件は、解雇を適法と判断したフィリピン最高裁判決で最終的に決着している」と居直り、ILOによる、「解雇は、団結権、団交権の侵害である」「解雇は不当ゆえ、職場復帰または適正な金銭補償を」とする勧告に対しては、「ILO勧告は、フィリピン政府に対して出されたもので、トヨタに対して出されてはいない、したがってトヨタに対する法的拘束力はない」と居直った。その交渉は、1月13日と27日の2度行なわれたが、フィリピントヨタ側の打ち切り動議で中断された。

 フィリピン政府の労働雇用省長官(大臣)が、トヨタ本社・内山田会長あてに、争議解決の決断を求める書簡を送っている。フィリピントヨタ労組(エド・クベロ委員長)に対して、労働雇用省長官が「トヨタ本社の経営責任者が話し合う用意があると言えば、すぐにも飛んで行って解決交渉をまとめる」と語ったと言われている。

 フィリピントヨタ争議は、大きな山場を迎えている。フィリピントヨタ労組の16年に及ぶ闘いに連帯し、勝利に向けて闘いぬこう。

 フィリピントヨタ労組の闘いに連帯する闘いは、帝国主義足下の労働組合運動にとって国際連帯の真価が問われる闘いだ。トヨタの徹底した居直り、交渉破壊を断じて許さず、勝利に向け闘いぬこう。フィリピントヨタ労組の不屈の闘いと、これに連帯した日帝足下での、トヨタ本社、トヨタ資本に対する追及の闘い、労働組合運動の前進こそが勝利を決する。労組破壊、大量解雇、不当労働行為を強行し、居直るトヨタ本社の責任を追及しよう。帝国主義足下の労働組合運動の責務としてフィリピントヨタ争議の勝利をかちとろう。