9月2日正午から、恩納村赤間総合運動公園をメイン会場にして、「沖縄県総合防災訓練」が強行された。「防災」に名を借りた自衛隊の治安出動訓練だ。自衛隊主導の内乱鎮圧訓練だ。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会は、沖縄・首里日雇労働組合の仲間たちとともに、「総合防災訓練」粉砕の闘いに決起した。
今回の「沖縄県総合防災訓練」は、沖縄「県」と北部12市町村が主催し、「地震及び津波により北部圏域に甚大な被害が発生した」なる想定の下に、自治体、消防、警察、海保、電力・通信関係企業などの指定公共機関、医療機関などを総動員して行なわれた。
「沖縄県総合防災訓練」には、大きな特徴がある。全国で行なわれている「総合防災訓練」には、陸、海、空の各自衛隊が個別に参加するという形式であるのに対して、沖縄のそれには、この間、自衛隊の統合部隊が、「離島統合防災訓練」と銘打った独自の統合作戦訓練をもって、「沖縄県総合防災訓練」に割って入っていることだ。形の上では「沖縄県総合防災訓練に参加する」という体裁をとっていながら、実際には自衛隊は、完全に独立した作戦行動をとっているのだ。そうである以上、統合幕僚監部の「訓練統制官」が一元的に指揮・命令し、主催者である「県」や市町村とは「連携」するだけであって、主催者の計画や要請、指揮・監督などには、一切制約されない。「主催者の要請も統制も関係ない。自衛隊に黙ってついてこい」というわけだ。
この「離島統合防災訓練」には、「訓練統制官」たる西部方面総監・湯浅以下、統合幕僚監部から10人、陸上自衛隊から西部方面隊の約120人、航空機4機、車両約30両、海上自衛隊から自衛艦隊と佐世保地方隊の約360人、艦艇1隻、航空機1機、航空自衛隊から航空総隊、航空支援集団の約40人、航空機5機が参加した。総勢530人、航空機10機、艦艇1隻、車両約40両という陣容だ。このうち、海自の「艦艇1隻」とは、護衛艦・「いせ」のことであり、空自の「航空機5機」には、F15戦闘機2機が含まれている。「防災訓練」と銘打ちながら、護衛艦や戦闘機までくり出しているのだ。露骨なまでの治安出動訓練―内乱鎮圧訓練だ。
しかも、これらの部隊が、「沖縄県総合防災訓練」の場を使って、「救出・救助訓練」「傷病者輸送訓練」「炊き出し訓練」なども行なっている。絵に描いたような宣撫工作だ。沖縄戦で日本軍が行なった「集団自決」(強制集団死)や「スパイの嫌疑」による住民虐殺の事実を消し去り、沖縄労働者人民に自衛隊を売り込もうと、躍起になっているのだ。
沖縄青年実と沖日労の仲間たちは、怒りに燃えて粉砕闘争に決起した。「訓練」開始を1時間後に控えた2日午前11時、青ヘルの部隊がパレットくもじ前に登場する。「『沖縄県総合防災訓練』、自衛隊による『離島統合防災訓練』を粉砕しよう」、「自衛隊の治安出動訓練と宣撫工作を許すな」、「自衛隊強化、米軍再編を通した〈基地・沖縄〉の再編強化を打ち砕こう」、「辺野古現地に結集しよう。実力闘争の爆発で名護新基地建設を阻止しよう」というアジテーションが一帯に響く。「自衛隊・統合部隊が主導する『沖縄県総合防災訓練』を粉砕しよう」と題するビラが、行き交う労働者・市民に配布される。ビラを手にした年配の女性が、「米軍も自衛隊も、沖縄には要らない」と語りかけてくる。
青ヘルの部隊は、用意したビラをすべてまき切り、労働者人民の圧倒的な支持と共感を巻き起こして、約1時間半にわたる情宣を終えた。
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