反戦・全学連、JR鴨宮駅南口で決起
「防災の日」の9月1日、首都圏では、4都県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)と5政令市(さいたま市、千葉市、川崎市、横浜市、相模原市)による「第38回9都県市合同防災訓練」が、首都直下地震を想定して行なわれた。今年の「9都県市合同防災訓練」は、神奈川県が幹事となり、小田原市と合同で「神奈川県・小田原市合同総合防災訓練(ビッグレスキューかながわ)」として行なわれた。小田原市の酒匂川スポーツ広場を中央会場とした「防災訓練」には、自衛隊、在日米軍など143の機関、約3000人が参加している。
反戦・全学連の部隊は、9月1日午前8時15分、JR鴨宮駅南口に登場する。ここは、「防災訓練」の中央会場である酒匂川スポーツ広場の直近の駅であり、会場への無料直行バスがでている。反戦・全学連の部隊は、すばやくヘルメットとゼッケンをつけ、横断幕を掲げ、シュプレヒコールを叩きつける。「『9都県市合同防災訓練』を粉砕するぞ」「『ビッグレスキューかながわ』を粉砕するぞ」「自衛隊の治安出動訓練を粉砕するぞ」「戦争動員態勢形成を粉砕するぞ」。われわれの登場に身構えていた神奈川県警公安は、必死で部隊を抑え込もうとするが、これと対決し情宣行動を断固として闘いぬいた。「防災訓練」に参加する人、駅前を通過する人の多くがこの闘いに注目する。私服の権力がビラまきを妨害しようとするが、その向こうから手を出してビラを受け取る人が何人もいる。横暴な権力の振る舞いに抗議の声を上げる人もいる。こうした注目と共感の中で、「9都県市合同防災訓練」粉砕闘争を闘い、最後に、再びシュプレヒコールを叩きつけて闘いを締めくくった。
神奈川で行なわれる「防災訓練」では、自衛隊、米軍の参加が際立ち、その位置が増大している。2014年、神奈川県相模原市が幹事となった「9都県市合同防災訓練」では、中央会場を在日米陸軍相模総合補給廠とし、2016年の神奈川県主催の「ビッグレスキューかながわ」では、陸自・武山駐屯地を会場として使用した。
今回の「9都県市合同防災訓練」では、「SCU設置運営訓練」と「医療搬送訓練」を海自厚木基地で行ない、空自入間基地、陸自立川基地、海自下総航空基地への「医療搬送訓練」を行なっている。「SCU」とは、傷病者を被災地内から被災地外へ航空機搬送するうえでの臨時医療施設である。要するに、戦時における野戦病院の設置と傷病兵搬送、このための訓練を「防災訓練」として行なっているのだ。
また、酒匂川河口では、海自の揚陸艇(LCAC)による上陸訓練が予定されていたが、台風15号の影響で中止となった。揚陸艇による上陸訓練とは、朝鮮反革命戦争遂行を見据えたものに他ならない。
自衛隊主導、米軍参加の「防災訓練」を粉砕せよ
米軍は、「オスプレイ」の参加を主催者に打診していたが、労働者人民の怒りの前に引っ込めざるをえなかったという事実も、明らかになっている。
こうした性格の「防災訓練」であるからこそ、安倍極右政府は、中央防災会議議長の首相・安倍のほか、総務相・野田、内閣府防災担当相・小此木、さらに、防衛相・小野寺、自衛隊統合幕僚長・河野も参加している。
言うまでもなく、軍隊の本来の任務は、軍事行動である。「防災訓練」に参加する自衛隊にしても、米軍にしても「防災訓練」を利用して独自の軍事訓練を行なっているのだ。また、軍事行動で得たノウハウを「防災訓練」でひけらかし、それをもって、「防災訓練」全体の指揮系統に食い込み、労働者人民を戦争へと狩り立てる戦争動員態勢形成を担っている。
神奈川県安全防災局の「防災訓練」担当者は、「自衛隊や米軍は豊富な経験を持つので、『防災訓練』には必要だ」と言い、「朝鮮半島が緊迫した事態となれば、米軍はそちらを優先し、『防災訓練』には参加しないと判断することもあるでしょう」と何でもないかのように平然と話す。だがしかし、軍隊は、労働者人民虐殺のための戦争を遂行する組織であり、労働者人民とは、非和解である。また、自衛隊や米軍が「防災訓練」の現場から、戦場へと進撃することもないとは言えない。「防災訓練」への自衛隊、米軍参加を粉砕しなければならない。
防衛省・自衛隊は、6月20日から23日にかけて、市ヶ谷、朝霞駐屯地などで独自に「2017年度自衛隊統合防災演習」を実施した。「南海トラフ地震発生時における自衛隊の指揮幕僚活動及び防災関係機関等との連携」を目的とし、さらに、「自衛隊統合防災演習として初めて、同盟調整メカニズムを活用して訓練を実施するとともに、諸外国から各国軍人のオブザーバーを招へいして連携を強化」とするものだ。参加人員は、昨年の4500人から1万3000人へと3倍も拡大した。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の「核・ミサイル問題」を口実とした一触即発の朝鮮反革命戦争突入の危機の最中、陸・海・空3自衛隊と在日米軍とが共同した演習は、明らかに朝鮮反革命戦争遂行のための演習であり、これと一体の治安出動―内乱鎮圧訓練に他ならない。自衛隊の治安出動をもって労働者人民の決起―階級闘争の爆発を鎮圧すること、すなわち労働者人民の闘いに銃口を向けるために、自衛隊主導の「防災訓練」が強行されているのだ。断じて許してはならない。
こんにち、「防災訓練」への米軍参加、米軍基地使用が常態化している。自衛隊と在日米軍が共同で「防災訓練」を推進するのは、朝鮮反革命戦争遂行と表裏一体のものだ。断じて許してはならない。自衛隊主導、米軍参加の「防災訓練」を粉砕しよう。
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