8月13日から15日までの3日間、福岡・築港日雇労働組合(福日労)を軸とする「福岡日雇い団結夏祭り実行委員会」の手によって、天神近くの須崎公園において、団結夏祭りが開催された。今年の夏祭りは、「失業も、夏の暑さもぶっ飛ばせ!
みんなの力を合わせて生きぬくぞ!」をメイン・スローガンに闘いぬかれた。
福日労は、夏祭りの準備で猛烈に忙しい中、8・6佐世保からの海自艦・「あまぎり」のソマリア沖派兵阻止に起ち上がり、8・9長崎反戦闘争に取り組んだ。反戦の闘いがますます重要なものとなっている。夏祭りの成功から、本格的戦争突撃の安倍政府打倒へと進撃していかねばならない。
夏祭りでは、政府―厚生労働省の出先機関である福岡労働局と福岡県に対する要求書の提出が行なわれた。後日、これへの回答をめぐって、福日労と労働局との交渉が持たれる予定だ。民間企業による使い捨てが強められる中、「民間企業における雇用の拡充を促進する。失業対策事業の方式はとらない」と言い続ける政府の労働行政に対して、またこれを盾に取って公的就労対策の要求を受けつけようとしない福岡市、福岡県に対して、さらなる闘いを叩きつけていかなければならない。「民間における雇用の拡充」なぞまったく期待できない中で、「原発労働があるではないか」という居直りを、絶対に許してはならない。ますます増え続ける「非正規雇用」労働者をはじめ、全国で失業・貧困に呻吟する労働者の先頭に起って、寄せ場―日雇い労働運動こそが、仕事をかちとる闘いの前進を切り拓いていかなければならない。
〈1日目〉
8月13日、朝6時の集合時刻には、すでにたくさんの日雇い・野宿の仲間が集まっている。軍手とタオルが手渡され、全員そろって打ち合わせを済ませたら、さっそく作業開始だ。朝食ができる頃には、すべてのテントが建ち、寝床が作られ、布団も敷かれていく。会場内のステージ上には、団結夏祭りの開催を告げる大横断幕が張られた。暑さの中、仲間たちは力を合わせて作業を進めていく。会場の形は早くから整った。
昼食の後、オープニングセレモニーを兼ねて、突入集会が行なわれ、夏祭りの開幕が大々的に宣言された。実行委員会の各班からの決意表明などが行なわれる。
夕食の後は、総決起集会だ。全国の寄せ場でも夏祭りが取り組まれていることが紹介され、連帯メッセージが読み上げられる。東京・山谷日雇労働組合からは、「労働者を犠牲にして資本家たちが延命するための攻撃を打ち破る労働者の団結を打ち固めるために、『山谷夏祭り』を開催します」「寄せ場―日雇い労働者をアブレ―野垂れ死にに追い込む攻撃を打ち砕く闘う団結を作り上げねばなりません。夏祭りの成功を力に、安倍が秋の臨時国会で狙う改憲案の提案や、労働法制の改悪、「精神保健福祉法」改悪、本格的戦争突撃を打ち砕く闘いを爆発させようではありませんか」。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」からは、「釜ヶ崎では、大阪市が警察と一体となり、公園で野宿をする労働者の排除を進めており、4月から『廃品の持ち去り厳罰化』の条例を施行して、廃品で収入を得ている労働者の生活を破壊しようとしています。さらには、センターの老朽化を口実に、センターの縮小を狙った仮移転の工事が4月から進められています。釜ヶ崎からの労働者の排除を許さず、『反戦・仕事よこせ』の闘いを今後も粘り強く続けていく決意です」。沖縄・首里日雇労働組合からは、「労働者人民への暴虐と辺野古の海の無残な破壊が日々くり返されています」「新基地建設関係の仕事に沖縄の日雇い労働者を動員するために、手配師が暗躍しています。このような連中を断じて許さず、追及・追放していく闘いが必要です」。福岡の教育労働者からは、「ともに福岡で働く労働者の1人として連帯のご挨拶をさせていただきます。さて、今年も多くの学校関係で働く仲間から皆様への応援・支援の思いをこめたたくさんの物品をお届けさせていただきました。安倍政権が進める戦争法の具体化、原発再稼働、労働関連法案や年金法の改悪、憲法改悪に向けた動き等、私たち民衆の安全と安心を奪い去る力ずくの強硬政治に対峙し、打ち破る動きを今こそ強化していくときです」。
続いて、実行委員会を代表して、福日労の執行部の仲間から、団結夏祭りの基調が提起され、全体の盛大な拍手で確認していった。 集会の最後には、3日目の15日に行なう福岡労働局と福岡県に対する公的就労対策事業を求める行動への呼びかけが行なわれた。
2本立ての映画の1本目は、沖縄の東村・高江ヘリパッド建設阻止の闘いを映したものだ。続いての娯楽映画の上映で夜も更け、10時の就寝時間となる。その後は、多くの労働者が警備のために不寝番を担った。
〈2日目〉
午前中からさまざまなゲームが行なわれ、祭りの雰囲気は盛り上がる。恒例となった「御輿だ! ワッショイ!」の「福日みこし」は、会場内を所狭しとねり歩き、これに洗い場班を中心とした水かけ部隊が、これでもか、これでもかと、水をかけまくる。寄せられたカンパ物資による衣類の放出も行なわれ、仲間たちは新しい衣類に着替え、誰もがさっぱりとした姿になった。
この日予定されていたゴロツキ組合のデモは、「日雇い・野宿の労働者は10人もいない。後はよそから来た(支援の)連中だけ」という事情からか、はたまた雨で労働者の参加が1人も見込めないためか、にわかに中止と相成った。
夕食前は、「博多ひばり」さんによる歌謡ショーだ。炊き出しをはさんでのお笑いの方々の芸達者ぶりには、誰もが腹を抱えて大笑いだ。さらに「美空ひばりが大好き」と言う小学生の少女も登場。こうしてこの日も、夜が更けるまで誰もが楽しい時を過ごした。
労働者交流会では、前日のアンケート結果が発表された。回答した仲間たちは野宿、生活保護の受給、年金や日雇い仕事などと様々である。全体の52パーセントの仲間たちが、「生活保護より仕事がほしい」という声を上げている。「生活保護を続けたい」という声は16パーセントであり、「生活保護を受けたい」という4パーセントの仲間を合わせた20パーセントをはるかにしのぐ割合である。ますます、「仕事よこせ」の闘いが重要であることが確認され、福岡労働局と福岡県に対する要求行動が呼びかけられた。
〈3日目〉
朝食をすませ、さっそく「仕事よこせ」の対福岡労働局、対福岡県庁行動だ。福岡労働局と福岡県に対する要求書の内容が、全体の拍手で確認される。要求書は、「国がいくら『有効求人倍率が上昇している』『雇用が拡大している』と言っても、しょせんはわれわれ日雇い労働者と同じような、無権利で使い捨ての労働力にすぎない『非正規雇用』の若い労働者の求人と雇用が増えているだけではないのか。そんなものは数字上のゴマカシに過ぎない。国が掲げる『民間雇用の拡充』なる言い草が、野宿生活を脱することに何ひとつ用をなしていないばかりか、いつ野宿生活へと転落するやもしれない労働者を大量に生み出すだけのものでしかないということは明らかだ」として、福岡労働局に対して、「東京都が行なっている『特別就労事業』のような、日雇い・野宿の労働者のための公的就労対策事業が行なえるよう、本省とともに検討をすること」、「福岡県や福岡市に協力して、必要・可能な措置を講じること」を要求している。福岡県に対しては、「国の無為・無策の上にあぐらをかいて、日雇い労働者の野垂れ死にの促進に手を貸すべきではない」として公的就労対策事業の実施を求めた上で、「国への働きかけや福岡市との協力」を要求している。
要求行動におもむく代表団を、拍手で送り出していく。代表団は、まず福岡県庁に向かう。用意された室内において、対応に出た労働局労働政策課企画調整係係長らに要求書を手渡し、仕事が必要であることを訴えた。続いて、代表団は、福岡労働局の入っている合同庁舎へと出向く。対応に出た総務部企画課長らに対して、要求書を読み上げて手渡し、仲間たちが待ちうける須崎公園に引き返した。公園内の仲間たちから盛大な拍手で出迎えられた代表団は、行動の報告を行ない、この秋には国との交渉に起ち上がることを確認した。
昼食の後には、「労働・生活・医療の大相談会」が行なわれた。歯科医師による歯科相談と弁護士による法律相談、司法書士による労働・生活相談が行なわれ、何人もの仲間が相談に訪れた。
午後4時からは、恒例の「福日みこし」が始まる。ハッピ姿にねじり鉢巻の仲間たちが、福日労ののぼりが立ったみこしを担ぎ、「わっしょい、わっしょい」と威勢のいいかけ声で会場内を練り歩き、さらには会場の外まで駆け回る。
夕食時には、三味線の演奏で独特の歌を披露する女性アーティストの恒例のライブだ。労働者がいっしょに歌を歌い、太鼓を叩く中、会場は、爆笑の渦に巻き込まれた。夜は遅くまで映画が上映された。
「片付け日」にあたる16日は、未明から早朝にかけて、すさまじい大雨に見舞われた。にもかかわらず、後片付けにも多くの仲間たちが参加し、作業に汗を流した。こうして、2017年福岡日雇い団結夏祭りは、大成功のうちに幕を閉じた。
福日労は、安倍政府の暴走にクサビを打ち込み、政府を打ち倒す闘い、「反戦・仕事よこせ」の闘いのさらなる前進をかちとっていく決意に燃えている。
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