御茶ノ水駅頭で情宣決起
8月9日、反戦・全学連の部隊は、狭山上告棄却40ヵ年糾弾の闘いに起ち上がった。午前10時、JR御茶ノ水駅頭に整列した部隊は、シュプレヒコールを行なう。「狭山上告棄却40ヵ年を糾弾するぞ」「再審棄却を阻止するぞ」「石川氏とともに闘うぞ」「狭山闘争の歴史的勝利をかちとるぞ」。駅頭にアジテーションが響き渡り、ビラが撒かれていく。安倍が、内閣改造をして支持率アップを図ろうと企んでも、労働者人民の怒りは、ますます増大していくだけだ。青ヘルメットの部隊の登場に、労働者人民の熱い視線が寄せられ、「頑張ってください」という激励の声をかける人もいる。こうした中で、約1時間の情宣を貫徹し、再度シュプレヒコールをあげて闘いを締めくくった。
1977年8月9日に、最高裁第2小法廷裁判長・吉田が、無実の部落民=石川一雄氏に対し上告棄却決定を打ち下ろしてから、40ヵ年が経過した。「予断と偏見をもって差別捜査を行なったと窺わせる証拠はない」「積極的にも消極的にも部落差別を是認した予断と偏見による差別的なものではない」と差別捜査を否定し、差別裁判の強行に全面的に居直った事実は、どんなに年月が経とうとも、決して消えることはない。8・9上告棄却決定は、「部落民は差別と迫害の中で死ね」とする部落民虐殺宣言に他ならない。部落解放運動の革命的飛躍・前進に恐怖するがゆえの、反革命差別決定を徹底糾弾しなければならない。
狭山闘争をめぐっては、第3次再審闘争が正念場を迎えている。東京高裁と東京高検、狭山弁護団による「3者協議」も、2009年の開始以来、2017年7月24日の開催で、33回を数えるに至った。担当裁判官は、しばしば交代し、現在は、4人目の植村稔である。狭山弁護団は、開示された証拠を精査し、石川氏の無実を明らかにする新証拠を次々に暴き出し、東京高裁を追いつめてきた。昨年8月、狭山弁護団は、石川氏の「自白」によって石川宅から発見されたとされる万年筆が、警察の捏造であることを科学的に証明した「下山鑑定」を提出した。打ちのめされた東京高検は、1年近く、ろくな反論ができずにいたが、7月3日、「下山鑑定」に対する「反証意見書」を提出してきた。これに対して狭山弁護団は、現在、徹底的に反論する準備を進めている。
第3次再審棄却を阻止せよ
7月24日に東京高裁で行なわれた、第33回目の「3者協議」では、この間の狭山弁護団による、「『財布・手帳』の物証関係」、「脅迫状に書かれた『少時様』なる宛名関係」、「『犯行動機』関係」や「『自白の経過』関係」(自白を強制される前後の石川氏の健康状態を示す資料)の証拠開示要求に対し、東京高検は、「証拠開示の必要性・関連性がない」と言いなし、またも開示要求を拒否した。そして、東京高裁・植村は、「犯行の動機に関わる証拠物4点」について、開示を勧告するのみであった。
「犯行の動機に関わる証拠物4点」は、2015年に開示された「領置表」で存在が明らかになった証拠物であり、当時の石川氏の就労実態に関わるメモや、バイク購入に関わる書類などである。石川氏の「自白」では、脅迫状をあらかじめ作成した「動機」について、当初、「競輪をやるため」としていたものが「(父への借金を)返済して東京に行くため」と大きく変化している。いずれにせよ、あまりにも現実味のない「動機」であり、警察の誘導によって作られたものである。狭山弁護団は、4点の証拠が開示されれば、精査する姿勢を明らかにしている。次回の第34回目の「3者協議」は、10月中旬の予定である。
今こそ、東京高検に対し、ただちに全証拠開示を行なえと徹底糾弾を叩きつけていかなければならない。東京高裁に、ただちに事実調べを行なえ、再審を開始しろと迫っていかなければならない。大衆的実力闘争・武装闘争と階級的共同闘争で、第3次再審棄却を阻止する攻勢的な闘いを叩きつけていかなければならない。
意気軒昂と闘いぬく石川氏を激励し、石川氏の怒りと無念を共有し闘おう。司法―国家権力に対する「中立・公正」の幻想を一切捨て去り、〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の闘いの旗幟を鮮明にし闘おう。部落解放同盟内社民・こえ派の制動に怒る戦闘的部落青年・大衆と合流し共に闘おう。大衆的実力闘争・武装闘争と階級的共同闘争の爆発で、正念場を迎えた第3次再審闘争勝利へ進撃しよう。狭山闘争の歴史的勝利をかちとろう。
安倍極右政府は、戦時国家体制形成に向けて突き進んでいる。この中で、ますます差別主義・排外主義が台頭している。天皇制強化が進行し、2016年8月の天皇・アキヒトの「生前退位の意向」をうけた関連法が、議会内勢力の全面的な屈服により、通常国会で6月9日に、易々と成立している。差別主義・排外主義煽動と天皇制強化は、安倍政府にとって、朝鮮反革命戦争とファシズムに突撃するための、一体の攻撃である。
部落解放運動の革命的飛躍をかちとろう
部落解放運動においても、部落解放運動総体のファシズム融和運動への再編攻撃が強まっている。国家権力頂点からの差別主義・排外主義煽動が吹き荒れる中、部落差別は、ますます拡大・激化している。全国で悪質な差別事件が激発しており、部落差別落書き、差別ハガキ、インターネットを使った悪質な差別煽動が拡大している。極悪反共ファシスト・「在特会」は、差別煽動を続け、在日朝鮮人・中国人に対する差別デモ、襲撃を頻繁に行ない、ファシズムへの突撃の尖兵として突出している。さらに昨年、「鳥取ループ」=宮部龍彦なる「ジャーナリスト」を名乗る輩が、「示現社」なる出版社からの、「部落地名総監」の元の資料である「全国部落調査」の復刻版の販売を画策してきた。部落解放同盟側は、「鳥取ループ・示現社」を相手取り、出版等禁止、ウェブサイトからの削除、2億3320万円の損害賠償請求を行ない、今年6月27日の第5回口頭弁論まで終了している。出版差し止めなどの仮処分申請についても、部落解放同盟側の主張を認める決定が次々になされている。しかし、この期に及んでも、「鳥取ループ・示現社」は、いまだ居直りを決め込んでいるのである。
部落解放同盟内社民・こえ派は、「告訴・告発」を全面化している。「告訴・告発」は、差別糾弾闘争を破壊し、差別者を擁護し、部落差別を拡大させるだけであり、差別者を自己批判させ、変革することなぞできない。とりわけ、反共ファシストの差別煽動に対しては、徹底した撃滅戦の爆発で回答しなければならない。全国で激発する差別事件に対しては、全国水平社の差別糾弾の思想を引き継ぎ、徹底した差別糾弾闘争で闘いぬくことが必要だ。安倍政府は、差別糾弾闘争の圧殺を狙い、昨年12月に「部落差別解消推進法」を成立させた。部落解放同盟内社民・こえ派は、こうした「理念法」に依拠した部落解放運動の体制内化を一層進めようとしている。これでは、安倍政府の狙うファシズム融和運動への転落攻撃と対決することなぞ、到底できない。
部落解放同盟内社民・こえ派の「告訴・告発」方針を踏みしだき、差別糾弾闘争の復権をかちとり、部落差別の根底的廃絶、部落の根本的解放へと闘おう。部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとろう。朝鮮反革命戦争遂行の安倍極右政府を打倒しよう。
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