7月14日、「辺野古、『共謀罪』の安倍辞めろ! 駐機場、落下傘、F16、U2、F―35B問題糾弾! 抗議集会」が、北谷町砂辺の米空軍・嘉手納基地第1ゲート前で開催された。「沖縄平和運動センター」、「中部地区労」、「第3次嘉手納爆音差止訴訟原告団」の3者が共催したこの集会に、約300人の労働者・住民が結集した。
集会名称に掲げられた「駐機場」問題とは、1996年の「沖縄に関する日米特別行動委員会(SACO)最終報告」で、嘉手納基地の騒音被害を減らすために、嘉手納町屋良地区に近い海軍駐機場を、滑走路の反対側へ移すことで日米合意が成立し、今年1月、「合意」から20年越しに駐機場の移転が行なわれたにもかかわらず、米軍が引き続きそこに居座り、継続使用している問題である。今年5月からは、沖縄「県」、沖縄市、嘉手納町、北谷町による使用禁止の要請にも関わらず、在韓米軍基地所属のU2偵察機4機が、「在韓米軍基地の滑走路改修」を理由に嘉手納基地に暫定配備され、この駐機場を使用している。「落下傘」問題とは、同じく「SACO最終報告」で、パラシュート降下訓練は伊江島補助飛行場に集約することが決められたにも関わらず、米空軍がこのかん3ヵ月連続で、嘉手納基地を使って昼夜を問わず降下訓練を強行している問題だ。
さらに5月から、U2偵察機に加えて、米本土の基地に所属するF16戦闘機12機が暫定配備され、6月には米海軍・岩国基地(山口県)所属の最新鋭ステルス戦闘機・F―35Bが初飛来し、同基地所属の第353特殊作戦群と合同で空中給油訓練を行なうなど、政府が吹聴する「沖縄の基地負担の軽減」とは真逆の事態が進行し、住民は日々、激しい騒音と「事件・事故」の恐怖にさらされている。これに対する怒りと嘉手納基地撤去の要求を叩きつけることが、集会の目的だ。
集会は、午後6時から開始された。
「沖縄平和運動センター」から山城博治氏が発言に起ち、「嘉手納では、夜中の2時、4時まで、20回も30回も爆音が響く。信じがたい状況だ。あらためて抗議する。安倍の独裁政治に縮こまっていた人たちが全国で声を上げ始めた。沖縄のように闘えば道は開けると感じているからだ。沖縄の訴えは全国に、世界に届いている。団結と行動が世の中を動かす。新基地建設を止め、嘉手納基地撤去、普天間基地撤去、全基地撤去まで闘おう」と熱く訴える。
続いて、「第3次嘉手納爆音差止訴訟原告団」、「中部地区労」、「第3次嘉手納爆音差止訴訟弁護団」などが、「157億円の税金を使って駐機場を移転したはずなのに、米軍は元の駐機場をまだ使っている。嘉手納ではやらないはずのパラシュート降下訓練をやっている。岩国に移転したはずの米軍機がまた飛来している。爆音被害だけでなく、命の危機だ」、「裁判所は騒音の賠償は認めるが、『第3者行為』論を盾に、飛行差し止めは認めない。裁判所まで米軍の肩を持っている。嘉手納基地を撤去するしかない」、「安倍政権は、二言目には『法治国家』と言うが、法律を無視し、憲法を無視しているのは、安倍政権だ。こんな国を自分の国とは認めない。安倍政権を潰さなければならない」と、次々に提起した。
発言の最後に、「嘉手納ピースアクション」の伊波義安氏が、「米軍車両を嘉手納基地に出入りさせない。1時間でも2時間でもいいから基地機能を止める。そのために昨年4月から毎週金曜日の朝、ゲート前で行動を始め、すでに67回を数えた。今は4つのゲートに分かれて7時から8時半まで行動に取り組んでいる。嘉手納基地は、米国が世界で行なうすべての戦争の発進基地だ。この基地を撤去しない限り、沖縄にも世界にも平和はない。今日を新たなスタートにして、嘉手納基地の閉鎖・撤去まで闘おう」と訴え、全体で「団結ガンバロー」を行なって、集会を閉じた。
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