国会包囲行動に1万8000人が決起
6月10日午後2時より、「止めよう! 辺野古埋め立て 『共謀罪』法案は廃案に!6・10国会大包囲」が闘われた。主催は、「基地の県内移設に反対する県民会議」と「『止めよう!
辺野古埋立て』国会包囲実行委員会」、「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」の3者の共催であり、さらに辺野古の闘いと「共謀罪」成立阻止闘争と結び付けるために、「共謀罪NO!
実行委員会」が協賛する形をとっている。この国会包囲行動には、1万8000人が結集した。東京・山谷日雇労働組合と明大社会思想研究会も、共にこの行動に最後まで取り組んだ。
午後2時、国会前交差点をメイン会場にして、国会包囲行動に先立つ集会の開催が、「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」の仲間の司会により宣言される。「『共謀罪』が、沖縄の反基地運動を潰すためにかけられようとしている」「安倍政権の弾圧への反撃として、怒りをもって、今日の国会包囲行動を成功させましょう」。
そして、主催者あいさつの1人目に、「『止めよう! 辺野古埋立て』国会包囲実行委員会」の野平晋作氏(「ピースボート」)が起つ。「沖縄で、今、起こっていることは、『共謀罪』の先取りと言えます」「沖縄は、常に、政府の戦争をする国作りの矛盾の最前線に立たされています」「このような人権弾圧に、法的正当性を与えないという思いで、『共謀罪』法案を廃案に追い込みましょう」「4月25日からの『護岸工事』強行の暴挙を許すな」「日本政府は、私たちがあきらめないことを一番恐れている。沖縄の闘いと連帯し、あきらめないで共に闘いましょう」と訴える。そして、参加者全体で、国会に向けたシュプレヒコールを叩きつける。「辺野古新基地建設反対!」「民意を無視する政府は、いらない!」「機動隊は、弾圧をやめろ!」「思想の自由を、抑圧するな!」。さらに、参加者全体で、辺野古現地で歌われる闘争歌である「座り込め ここへ」を斉唱した。主催者あいさつの2人目を「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」の高田健氏が行なった後、3人目として、沖縄からかけつけた、「基地の県内移設に反対する県民会議」の大城悟氏(「沖縄・平和運動センター」事務局長)が発言に起つ。「今日の午前中、辺野古のキャンプ・シュワブゲート前では、1800人の結集で、新基地建設阻止の闘いと『共謀罪』成立阻止の集会をやりぬいた」「辺野古現地では、厳しい闘いが続いている。ダンプ、トレーラーが1日150台搬入され、違法な弾圧が続いている。負けるわけにいかない」「山城博治さんに対する『共謀罪』先取りの弾圧を許すな。沖縄はあきらめない」と訴えた。
国会への怒りを叩きつける
沖縄からの発言として、名護市長の稲嶺進氏(「オール沖縄会議」共同代表)が発言に起つ。「名護市も、支援を戴きながら、地方行政に安倍政権が総がかりで襲いかかることに対し、負けずにがんばっている」「嘉手納の米海軍駐機場を、日本政府が何千万円かけて2016年末までに移動したが、米軍は、旧駐機場を再び使い始めている。契約違反だが、防衛相・稲田は、使用中止を求めない。そんなことさえできない日本政府が、地域の安全を確保できるはずがない」「戦後72年、われわれは、虐げられてきた中で、闘いのやり方を知ってます。勝つまで、絶対にあきらめずに、がんばります」。
「共謀罪NO! 実行委員会」から、海渡雄一弁護士が発言する。「辺野古埋め立て阻止を闘う沖縄の人たちと連帯して、『共謀罪』反対を訴えたい」「最も濫用の可能性の高いのが、『組織的威力業務妨害罪』『組織的強要罪』『組織的信用毀損罪』、このあたりは、戦前の治安維持法にも匹敵する恐ろしい『共謀罪』だ。安倍がこの条文を削除しないのは、まさしく『共謀罪』を労働運動や市民運動に使う宣言にほかならない」「策動される、国会での成立を阻止しよう」。
主催者がカンパ要請を行なった後、民進党、共産党、沖縄出身議員の院内会派である「沖縄の風」の各代表の国会議員の発言、さらに大学教授やジャーナリスト、地域で闘う仲間からの発言が続いた。そして、集会の締めくくりとして、辺野古の現場から駆けつけた、「ヘリ基地反対協」共同代表の安次富浩氏が発言する。「『共謀罪』が通ってしまったら、こういう集会すら持てなくなるかもしれない。だからこそ、私たちが抵抗しなければならない」「主権者としての権利を発揮しなければ、奈落の底に落ちてしまう。だから、声を上げていかなければならない。その闘いが、沖縄の闘いだ」「現場では、機動隊の暴力で怪我人が出ている。しかし、そんな凶暴な圧力に、私たちは屈しない」「この国を変えていきましょう。変えていくのは、ここに結集する皆さんであり、全国の闘いの力だ」「どんなに厳しい状況でも、知恵を使って、この国を変えていきましょう」と、檄を飛ばした。
集会終了後、司会の音頭の下、国会前交差点を封鎖して国会を包囲する態勢が作られ、沖縄民謡の演奏の下で、参加者全体で国会に向けて再度シュプレヒコールをあげ、国会への怒りを叩きつけた。こうして、熱気のうちに、国会包囲行動が貫徹されたのである。
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