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6・8「共謀罪」新設阻止!国会前行動が闘われる
(1232号5面)

右翼の妨害跳ね除け国会前行動を闘う

 6月8日、午前8時30分から、「共謀罪」新設阻止の国会前行動が「共謀罪新設反対! 国際共同署名運動」、「破防法・組対法に反対する共同行動」等の主催で闘われた。午前8時30分からの国会議事堂前駅、永田町駅での1時間のビラまき、並行して、国会前での座り込み、国会前を行きかう労働者・市民にマイクでの呼びかけ、ビラまきが行なわれた。

 この日、参院法務委員会が再開され、6時間の審議が行なわれた。自民党は、参考人質疑を含む6時間半の審議を6月13日に実施するとしている。6月13日の審議が順調に行くなら参考人質疑を除く審議時間が20時間前後に達し、30時間だった衆院での審議時間の7割程度になるからである。自民・公明は、6月14日以降、18日の会期末までに「共謀罪」法案を成立させようとしているのだ。

 安倍極右政府は、20時間を超えたら、強行採決に踏み切る構えだ。6月13日、参院法務委員会強行採決、14日、参院本会議での強行採決という予定通りのスケジュールで何が何でも「共謀罪」法案を成立をさせようと突き進んでいる。

 こうした中で、午後4時ごろ、座り込みをしていた「戦争・治安・改憲NO! 総行動実行委員会」のすぐ脇に、「頑張れ日本! 全国行動委員会」を名乗る右翼団体、20人〜30人が突如現われ、マイクでがなりたて、「共謀罪」新設阻止の国会前行動の妨害を策してきたのだ。こうした右翼と対峙し、敵対を跳ね除け、国会行動を断固として打ち抜く。

 午後5時過ぎから、シュプレヒコールの後、「破防法・組対法に反対する共同行動」の事務局メンバーがマイクアピールを開始する。

 「右翼は、突如私たちの目の前に現われた。この者らは、永田町駅の一ブロックに位置することも可能だったにも関わらず、わざわざ、私たちが『共謀罪』反対の訴えを続けている座り込みをしている場所にやってきた。しかも、警視庁公安がそれを防衛して、守っている。私たちの抗議を退けて、右翼を防衛し続けている。この姿は、一体、何なのだ。警察と右翼がつるんで、文字通り、民衆・市民の民主主義を破壊しようとしている」「右翼は、『天皇退位特例法』案をめぐって、女性宮家の問題で様々な論議が国会の中であるわけだが、それに対して、反対の旨、訴えるためにここに現われたと言った。しかし、それであれば、わざわざ『共謀罪』で反対運動を続けているところに来て、このような街宣活動をする必要なぞない。実際は、昨年の11月23日、吉祥寺で行なわれた、反天皇制デモに対して、右翼と警視庁機動隊が連携をして、暴力的に集会破壊を行なったと同じく、今日も警視庁公安と右翼がつるんだ形で、集会破壊を行なおうとしている。私たちはこのようなことを絶対に認めない。ましてや、『共謀罪』法案が狙っているのは、こうした差別・排外を通じた権力的な国民統合であることを踏まえれば、私たちはこうした右翼の様々な策動を跳ね除けたい」「右翼の一部の人間が、『共謀罪』はグローバルスタンダードだというウソとデタラメを述べた。『共謀罪』があるのは、世界の一部の国に過ぎない。それを右翼が奉っているデタラメな刑法学者の説を論じて、『共謀罪』はグローバルスタンダードで当たり前だと言った。こういった訳のわからない論議を通じて、政府に対する反対運動を押し潰そうとする右翼と警察権力、これを断じて許すことはできない。右翼は、16時から18時まで集会を続けると言っているが、私たちも、座り込みを続け、訴えながらこの妨害を跳ね除けたい」。

「『共謀罪』を永久廃案にもっていく」

 続けて、「破防法・組対法に反対する共同行動」の事務局メンバーは、「今国会、『共謀罪』をめぐる攻防が続いている。既に、安倍政権が言っている立法事実も、あるいは、法案の説明も支離滅裂になっている。日本政府は、『国際組織犯罪防止条約』を批准するために、主体的な信頼関係を保つために、そのために今回の『共謀罪』法案を上程し、成立させるのだと言っている。しかし、当の国連組織から、この『共謀罪』法案は明確性に欠ける、その文言の中にある『テロリズム集団』、『組織犯罪集団』あるいは『計画』や『準備行為』、これらすべてが明確性に欠ける、このような警告を受けている。刑法の文言で明確性に欠けるということは、罪刑法定主義に反するということだ。近代国家は、少なくとも、民主主義国家をになう近代国家は、刑法によって罪と罰を規定しなければならない。しかし、今回登場した『共謀罪』法案は、国連の人権担当者からすら、これが一体、刑法なのかと、それが疑われている。文字通り、警察が恣意的に権力を乱用することができる社会が作り出されるのではないか、そういう危惧を国連の人権担当者は強く抱きつつある。私たちは、こんな法案絶対許すことはできない」「しかも、この間の報道によれば、元CIAのスノーデンが今回の日本の『共謀罪』法案は、日本を全面的な監視社会の一里塚にするため、その橋頭堡になるだろうと警告を発した。花見に行くことすら犯罪の下見であると言いなすなら、銀行にいくのが資金の準備である、羽田空港に行くのがテロの航空機ハイジャックの準備である、こういうことが今回の法案に規定されてくる。とすれば、今回の『共謀罪』法案、前代未聞の悪法―治安法であることは明らかだ。盗聴の拡大どころの話ではない。私たちが、日常、どのような生活をしているのか、その一挙手一投足が、『テロ』に結びつくのではないか、『組織犯罪』に結びつくのではないのか、こうしたことを警察や公安調査庁などが、監視をする。こういった事態になるのは、目に見えている。今、日本では、イスラムの人たちの98パーセントが警察の監視下に置かれていると言われている。イスラムの人、あるいは、モスクに通う日本人、こうした人たちは、銀行口座はもとより、住所を含め、九八パーセント、警察庁、警視庁が情報を保有をしていると言われている。こうした人たちのように、日本の民衆全体を監視下に置くことが『共謀罪』法案の一つの狙いであることは明らかだ。加えて、日本の警察庁は、『共謀罪』を超えて本格的な『テロ対策』を準備し始めている。逮捕令状もなしに拘束することができるような悪法が、以降、準備されようとしている」「私たちは、本気で治安法を止める闘いを展開する必要があると考えている。安倍政権、今日の週刊文春の報道によれば、支持率が急速に低下をし、20数パーセントまで低下をしていると報道されている。何としても、参院法務委員会の強行採決を打ち砕く、『共謀罪』を永久廃案にもっていく闘いを展開したい」。

 右翼の妨害を粉砕し、「戦争・治安・改憲NO! 総行動実行委員会」の国会前集会を貫徹した。「破防法・組対法に反対する共同行動」の事務局、「差別・排外主義に反対する連絡会議」の仲間、「韓国サンケン労組を支援する会」の仲間、精神保健福祉法改悪に反対している「病者」の仲間、音だしのアクションをしてきた仲間、等々の発言を受けた。 最後に、シュプレヒコールをあげ、六時過ぎに国会前行動を終えていった。

 「共謀罪」新設阻止の国会前行動に結集した労働者・市民の「右翼は帰れ!」「集会破壊を許さないぞ!」「共謀罪を廃案に追い込むぞ!」等々のシュプレヒコールと、集会での右翼批判の発言の中で、隣に陣取っていた右翼団体は、集会の途中で警視庁公安に守られながら、首相官邸前に移動していった。