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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

 6・6 高浜原発3号機再稼働阻止現地闘争を闘う
(1231号11面)

高浜原発3号機再稼働阻止現地闘争に決起

 5月17日の高浜原発4号機(福井県高浜町)再稼働強行に続いて、6月5日、関西電力は、翌6日午後2時の高浜原発3号機再稼働強行を宣言した。5月17日の現地闘争に続いて、「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」は、6月6日、関西電力・高浜原発3号機再稼働阻止現地闘争に決起した。

 5月17日の現地闘争と同じく、高浜原発3号機再稼働阻止の現地闘争が「高浜原発うごかすな! 実行委員会」より呼びかけられ、正午、高浜原発北門ゲートからほど近い展望広場に闘う労働者人民が続々と結集する。関西、北陸をはじめ、全国各地で反原発を闘う仲間が結集する。労働者人民の再稼働阻止の実力闘争の爆発に恐怖する国家権力・福井県警は、5月17日と同様、高浜原発前の正面ゲート、北門ゲートを含む2キロ余りの2車線を1車線の交互通行に規制し、ゲート前は道路車道ぎりぎりまで阻止線を作っていた。海上でも、福井県警の警備艇が徘徊し、まさに戒厳態勢ともいうべき状況であった。

 午後1時からの高浜原発北門ゲートに向けたデモに先だって、「高浜原発うごかすな! 実行委員会」の呼びかけ人である「若狭の原発を考える会」の木原壯林氏(元日本原子力研究所副主任研究員、京都工芸繊維大学名誉教授)があいさつを行なった。木原氏は、4号機再稼働で強行され、この日6日、3号機でも強行されようとしている「プルサーマル発電」に使われるウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の危険性について明らかにし、さらに、「もう1つ、今、問題になっているのは、使用済み核燃料の問題だ。先日、高浜町長が、原発の中に空冷になった使用済み核燃料置き場を作ることを許可すると言った。どうするかというと、燃料プールを空けるんです。そうすると次の運転ができる。今のままでいくと、福井の原発は七年でプールが使用済み核燃料でいっぱいになる。そうなると原発は運転できなくなる。だから、使用済み核燃料を貯めるところを作ろうというのが高浜町長や関電の狙いだ」と発言した。また、「大阪高裁が、この前、不当決定を出した。これは、関電の言いなりだ。関電が依拠する『新規制基準』は、安全を保障するものではない。『規制委』が決めた規格に合っているかどうかというだけだ。地震で事故になったのは福島第1原発だけで、それも地震は事故の要因の1つにすぎない。原発事故は、さまざまな要因で起こる。高浜で事故が起きたら、500万人から1000万人の避難ということになる。絶対にできるものではありません。その人たちが全員ふるさとを失ったとします。5年間だけでもふるさとを失ったとしたら、日本は壊滅します。別に日本という国家が壊滅しようとどうでもいいが、そこに住んでいる人がふるさとを失うということを許してはならないと思います」と原発再稼働阻止、原発廃止に向けた決意を明らかにしてあいさつを終えた。

 午後1時になり、高浜原発北門ゲートに向けたデモの出発だ。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間は、「高浜原発3号機の再稼働を阻止しよう! 全原発の廃止をかちとろう! 核武装のための原子力政策粉砕!」と大書した横断幕を掲げ、再稼働阻止のデモに起つ。デモ隊は、「高浜原発、動かすな」「原発いらない」「カネより命」「関西電力、原発をやめろ」「被曝をさせるな」「原発動かす、総理はいらない」のコールで、高浜原発に向け進撃する。デモ隊が高浜原発北門ゲートに到着すると、続けて、「『高浜原発うごかすな! 現地集会』参加者一同」名で関西電力に対して、「高浜原発3号機再稼働に反対し、4号機の運転停止を求める申し入れ」が行なわれた。関西電力は、この日午後2時の3号機再稼働を内外に宣言してきた。午後2時が迫り、ゲート前は緊張感が高まってくる。午後2時になり、3号機再稼働が伝えられると仲間の怒りは最高潮に達する。眼前にある3号機建屋を前に怒りのシュプレヒコールが叩きつけられる。

 続いて、地元高浜町で反原発を闘う東山幸弘氏をはじめ、全国各地で反原発を闘う仲間がそれぞれの闘いの報告と闘う決意を明らかにしていく。

 最後に、「若狭の原発を考える会」の木原氏の「原発は、必ずトラブルを起こします。川内原発では冷却細管が破損し、次は水漏れ事故を起こし、次は電源をつないだらアラームが鳴るということになっています。こういう老朽原発は、必ずトラブルを起こす。それが大きくならないことを祈るだけです。私は預言者ではないが、予言が当たるぐらい原発は危険な装置ということなんです。止めなかったら大変なことになります。私たちの運動は、決して弱くはない。3月28日の大阪高裁の不当決定の後の4月2日に実行委員会を立ち上げ、たった3週間の準備で、4月27日に関電本店前に1000人集まるほどの力が私たちにはある。5月7日に、高浜町で400人の現地集会ができ、高浜から福井までのリレーデモもできた。そういう民衆の怒りがあるということだ。地元の隠れた声でも原発反対が圧倒的です。自信をもって、原発全廃までともに頑張りましょう」との締めのあいさつの後、最後にシュプレヒコールでこの日の現地闘争を終えていった。

高浜原発3号機再稼働徹底弾劾

 関西電力は、6月9日から、3号機の発電・送電を開始し、11日には、原子炉で発生する熱出力を100パーセントに保つ「定格熱出力一定運転」に入り、フル稼働になったと発表した。7月3日からの「原子力規制委員会」の最終検査に合格すれば、7月4日、営業運転に入るとしている。高浜原発3号機再稼働を徹底弾劾しなければならない。

 関西電力は、高浜原発3、4号機2基の稼働で、7月に電気料金の引き下げを申請するとしている。まったくふざけた話だ。6・6高浜現地闘争で、「若狭の原発を考える会」の木原壯林氏も繰り返し強調していたように、安倍極右政府が執拗に狙う、ドミノ倒しのごとき原発再稼働で、今後、ますます深刻な問題になっていくのは、たまり続ける一方の使用済み核燃料、すなわち「核のゴミ」の処理の問題だ。「核のゴミ」の処理や「事故対策」などで原発の「経済性」なぞまったく存在しないことはすでに労働者人民に満天下のもと明らかになっている。にもかかわらず、関西電力は、「電力料金引き下げ」なるペテンで原発再稼働推進に躍起となっているのだ。「使用済み核燃料」については、5月17日に、福井県高浜町長・野瀬が原発敷地内での使用済み核燃料の乾式貯蔵を容認する発言を行ない、使用済み核燃料の県外搬出を主張する福井県知事・西川と泥仕合を演じている。現在、使用済み核燃料が1万7000トン以上たまっており、全国の原発の燃料プールや青森県六ヶ所村の再処理工場の保管場所を合計した貯蔵容量の73パーセント(2016年)が埋まっているのだ。原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になるという。

 もともと日帝の「核燃料サイクル」計画では、全国の使用済み核燃料を六ヶ所村に移送し、再処理して、ウラン、プルトニウムを取り出し、「再利用」するということになっていた。しかし、再処理工場の建設は、トラブル続きで、すでに2兆2000億円をつぎ込んだにもかかわらず、完成のメドはまったく立っていない。そもそも、核燃料再処理工場は、原発が1年の運転で出す放射性物質を1日で出すといわれるほど危険極まりないものであり、再処理工場の運転は不可能とも言われているのだ。六ヶ所村の再処理工場にある容量3000トンの使用済み燃料一時保管場所の98パーセントはすでに埋まっているという。日帝の「核燃料サイクル計画」は、完全に破綻しているのだ。

 すでに原爆数千発分ものプルトニウム48トンをため込んでいる日帝が、核武装の野望を押し隠すプルトニウムの「平和利用」というアリバイ作りのために、「プルサーマル」計画が強行されてきた。「プルサーマル」とは、使用済み核燃料を再処理したウラン・プルトニウム混合酸化物(МОX)燃料を通常の軽水炉で燃やすという、危険極まりないものだ。2009年12月に、九州電力・玄海原発で「プルサーマル発電」が開始され、「福島第1原発事故」後、「プルサーマル発電」は中止されたが、昨年1、2月の関西電力・高浜原発3、4号機再稼働で「プルサーマル発電」が再開された。高浜原発3、4号機は、昨年3月の大津地裁の運転差し止め仮処分決定で運転を停止したが、昨年8月の四国電力・伊方原発3号機再稼働で「プルサーマル発電」が強行されてきた。高浜原発3、4号機再稼働で「プルサーマル発電」の原発は、3基になる。

 さらに、5月24日には、「原子力規制委員会」が、関西電力・大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について、「新規制基準」に基づく「適合性審査」の「合格証」にあたる「審査書」の正式決定を行なっている。大飯原発3、4号機をめぐっても、高浜原発同様、周辺住民などから「運転差し止め」を求める訴訟が複数提起され、1審福井地裁では「運転差し止め」命令が出され、今も名古屋高裁金沢支部で控訴審が続いているのだが、関西電力は、そんなことなぞまったくお構いなしに、「今秋以降の再稼働」に突き進んでいる。「最終的には、司法は、原発=国策の味方」と、たかをくくっているのだ。

 日帝が、原発再稼働に躍起になるのも、破綻した「核燃料サイクル政策」にしがみつくのも自前の核兵器開発・保有のための技術と施設、そして材料を確保するためだ。とりわけ、核兵器の原料になるプルトニウムの大量保有を、「プルサーマルや高速増殖炉で消費するため」と強弁して、正当化するためだ。すでに、日帝は、核兵器約6000発分に相当する約四八トンものプルトニウムを保有している。核武装の衝動はかつてなく高まっている。6月7日、日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(茨城県)で、5人の作業員のプルトニウム・ウラン粉末被曝事故が発生した。この大洗研究開発センターには、高速増殖炉実験炉・「常陽」がある。高速増殖炉原型炉・「もんじゅ」の廃炉決定という中で、2009年以来止まっている「常陽」の再稼働が狙われているのだ。今回の被曝事故は、「常陽」用の貯蔵核燃料整理にかかる作業の中で発生したものと考えられるが、「もんじゅ」が破産しても、破綻した「核燃料サイクル計画」の中核たる高速炉開発にあくまで執着する日帝の原子力政策がもたらしたものだ。「もんじゅ」にかわる「新たな高速炉」開発なぞ許してはならない。