参院法務委員会強行を弾劾
5月30日、午前8時30分から、「共謀罪」新設阻止! の国会前行動が「共謀罪新設反対! 国際共同署名運動」、「破防法・組対法に反対する共同行動」等の主催で闘われた。午前8時30分からの国会議事堂前駅、永田町駅での1時間のビラまき、並行して、国会前での座り込み、国会前を行きかう労働者・市民にマイクでの呼びかけ、ビラまきが行なわれた。
5月23日の衆院本会議での強行採決によって、「共謀罪」=「テロ等準備罪」を新設する「組織犯罪処罰法」改悪案は、参院での審議に移った。5月29日の参院本会議での趣旨説明につづいて、この日、午前10時から始まった参院法務委員会の冒頭では、法相・金田がロクな答弁もできないことを見越した政府・与党側が、衆院審議に続いて参院審議でも法務省刑事局長・林を政府参考人として出席させ、答弁に当たらせるという提案を行ない、賛成多数でこれを認めた。続いて、法相・金田が法案の趣旨説明を、「3年後の『東京オリンピック・パラリンピック』開催に当たって、テロ対策は必要。2005年に国連で採択された『国際的組織犯罪条約(TOC条約)』の締結のために必要」とくり返した。その後、出席した安倍や法相・金田に対する質疑が行なわれた。質疑の内容は、「2013年12月、『東京オリンピック・パラリンピック』招致決定後に閣議決定した『世界一安全な日本創造戦略』には、『TOC条約』締結や『テロ等準備罪』創設などは入っていない、何故か」、「『テロ等準備罪』は、たった2人でも『組織的犯罪処罰法』が規定する『団体』の要件を満たすのか」、「『一般団体が犯罪集団に一変した』と判断する主体は何か」「国連プライバシー権特別報告者・ケナタッチ氏による安倍首相あての書簡は、『テロ等準備罪』が、いかなる行為が処罰対象になるか不明確であり、『刑罰法規の明確性の原則』に欠け、プライバシーや表現の自由を危険にさらすと警告を発している。この書簡に日本政府が抗議したのは何故か。抗議を撤回する気はないのか」といったものだ。これらの質疑に対する安倍や金田の答弁は、「TOC条約」締結を担保する国内法として「テロ等準備罪」新設が不要なことには口を封じ、ひたすら「テロの脅威」を叫び、「ケナタッチ氏の意見は国連の総意ではないと、国連事務局長が発言した」なぞと居直り通すものであった。
「破防法・組対法に反対する共同行動」事務局がマイクアピール
参院前では座り込み・ビラまきと同時にマイクでのアピールも行なわれた。「破防法・組対法に反対する共同行動」の事務局の仲間は、「安倍の『テロ等準備罪』創設が必要という論拠は次々に破綻している。『TOC条約批准に必要だ』『東京オリンピック・パラリンピック開催のためにテロ対策が必要だ』などという立法事実がないことは明白だ。1999年から2000年の間、日本政府が『TOC条約案』起草時に対テロ条約にすることに反対していたことも明らかになっている。また、警察関係者が『共謀罪は、ローンウルフ対策に役立たず、地下鉄サリン事件や警察庁長官狙撃事件を防げないことも公言している。さらに、『準備行為規定で思想・内心の処罰なくなった』、『組織犯罪集団規定で一般人に適用されない』などのウソ・偽りも暴かれている。『花見は犯行の下見』であり、『人権・環境団体も組織的犯罪集団になる』との法相答弁も飛び出している。『警察の判断次第だ』と公言している。『組織的犯罪集団』が何なのか、まったく解明されていない。警察が恣意的に規定できるものだ。昨日の本会議での答弁も、現在行なっている教職員組合や、原水禁運動への監視や盗聴をすべて合法だと強弁するものであった。安倍の言う『法治国家』は、すべての民衆を警察が恣意的に支配・管理・弾圧する密告・相互監視社会の別名であり、『共謀罪』は『対テロ戦争』下の団結解体・未然防止法だ。それは戦争国家実働化と一体で、2020年明文改憲を先取りする攻撃であり、絶対に許してはならない」「今日は、午前10時から12時半まで、さらに午後1時半から4時過ぎまで審議が予定されている。政府は、30時間の委員会審議をやり、今日から5日間、参考人質疑を入れると6日間の審議をやって強行採決を狙っている。この審議日程は、『加計学園問題』で予算委員会が入ったら、法務委員会が開けなくなり、文字通り綱渡りになっている。3度も廃案になった『共謀罪』法案を強行成立させるために、首相自らが『TOC条約締結のため』とデマを流している。皆さんが声を上げてくれれば、『現代の治安維持法』と言われるこの法案を廃案に追い込むことができます。ともに頑張りましょう」と呼びかけた。
断続的に国会にむけたシュプレヒコールとマイクアピールは行なわれ、法務委員会審議が終わる時間まで国会前行動は闘われた。
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