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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

 5・29在沖米海兵隊の実弾砲撃―「本土」移転演習阻止!
王城寺原現地闘争に決起〈王城寺原〉
(1230号5面)

王城寺原演習場へ戦闘的デモ

 5月29日、反戦・全学連と「『有事法制』に反対する宮城県実行委員会」の闘う仲間は、在沖米海兵隊の実弾砲撃―「本土」移転演習を阻止すべく、王城寺原現地闘争に起ち上がった。

 午後2時、陸上自衛隊・王城寺原演習場(宮城県大和町、色麻町、大衡村)がある地元の河川敷に結集した部隊は、旗竿を手にして隊列を整える。準備の間にも、大地を揺らす実弾砲撃演習の轟音が響いてくる。実弾砲撃演習の実態の一端を肌で感じるたびに、怒りが沸き出てくる。そして、シュプレヒコールをあげて集会を開始する。「王城寺原現地闘争を闘うぞ」「朝鮮反革命戦争を粉砕するぞ」「安倍極右政府を打倒するぞ」。

 集会のはじめに、全国反戦の仲間が基調を提起する。「元々この移転演習は、『沖縄の負担軽減』を名目に実施されてきた。在沖米軍基地のキャンプ・ハンセンで行なわれていた『県』道104号線越え実弾砲撃演習を、移転演習として全国5ヵ所で行なうようになってきたものである」「実弾演習では、沖縄では実施されていなかった『夜間訓練』や『NBC(核・生物・化学兵器)訓練』が追加されるなど、訓練の内容は質・量ともに強化・拡大されている。そのため、これまでも演習では火災事故が発生するなど、近隣住民に対して生活不安と恐怖を与えてきた」「闘う沖縄労働者人民と共に、在沖米海兵隊の実弾砲撃―『本土』移転演習粉砕、日米安保粉砕、帝国主義軍隊=米軍・自衛隊解体、王城寺原演習場解体まで闘おう」。全国反戦からの基調提起を参加者全体で確認する。

 続いて、「『有事法制』に反対する宮城県実行委員会」の呼びかけ人である日本キリスト教改革派亘理教会牧師・林茂雄氏からの連帯あいさつを受ける。「戦争のための訓練に反対するために、共に闘っていきたい」「太平洋戦争で日本軍がたくさんの人たちを殺してきた。自国の人たちもたくさん死んできた。そのことを踏まえながら、人殺しの訓練をすることは許されない」「憲法の内実をなし崩しにし、戦前・戦中と変わらない方向に進むことは許されない」。

米海兵隊の実弾砲撃―『本土』移転演習を粉砕せよ

 集会終了後、横断幕を先頭に、ヘルメット、ゼッケンを身につけ、旗竿を手にしたデモ隊が、王城寺原演習場への進撃を開始する。王城寺原演習場のゲート前に到着すると、デモ隊は、王城寺原演習場に向かって、怒りのシュプレヒコールを幾度も叩きつける。「実弾砲撃―『本土』移転演習を粉砕するぞ」「王城寺原演習場を解体するぞ」「米軍・自衛隊を解体するぞ」。公安どもは弱々しく威圧して弾圧を狙ってくるが、一切をはねのけて、最後まで戦闘的なデモを闘いぬいた。

 解散地点に到着すると、全国反戦の仲間が集約提起を行ない、この日の王城寺原現地闘争を締めくくった。

 4月19日、防衛省は、5月25日から6月3日のうちの8日間、陸自王城寺原演習場(色麻町、大衡村、大和町)において実弾砲撃移転演習を実施することを発表した。5月中旬に、米海兵隊の訓練部隊が王城寺原演習場に到着し、5月25日より、実弾砲撃―「本土」移転演習を開始している。米海兵隊は、5月26日に、地元自治体や報道機関などに実弾砲撃演習を公開した。この日は、米海兵隊が、黒いネットで覆われた155ミリ榴弾砲を公開し、さらに、射撃データを集約して砲側に送り、命中精度を上げる射撃指揮所などの機能を現場で説明したばかりか、5キロ〜6キロ先の着弾エリアに実弾を射撃する模様も公開している。

 在沖米海兵隊による実弾砲撃移転演習は、「沖縄『県』道104号越え実弾射撃訓練の分散・実施」として1997年に開始されて以来、王城寺原演習場をはじめとして北海道・矢臼別、山梨・北富士、静岡・東富士、大分・日出生台の計五ヵ所の自衛隊演習場でくり返し強行されてきた。今回の王城寺原での演習は、2016年5月以来となる、4年連続15回目の実施となる。今回の訓練実施部隊は、中隊レベルの約200人であり、車両60台を動員し、155ミリ榴弾砲六門や、小火器などを使った実弾射撃が行なわれたとされる。

王城寺原演習場を解体せよ

 元々この移転演習は、「沖縄の負担軽減」を名目に実施されてきた。在沖米軍基地のキャンプ・ハンセンで行なわれていた「県」道104号線越え実弾砲撃演習を、移転演習として全国5ヵ所で行なうようになってきたものである。実弾演習では、沖縄では実施されていなかった「夜間訓練」や「NBC(核・生物・化学兵器)訓練」が追加されるなど、訓練の内容は、質・量ともに強化・拡大されている。そのため、これまでも演習では火災事故が発生するなど、近隣住民に対して生活不安と恐怖を与えてきた。そもそも、米海兵隊にとっては実弾砲撃演習自体、実戦をみすえての訓練である以上、事故や火災発生を前提に強行されているのである。さらに、王城寺原や矢臼別で繰り返し火災を発生させているばかりか、人体や自然環境に大きな影響を与える白リン弾も使用されている。在沖米海兵隊が「安全確認の徹底」「再発防止」を考えているはずなぞまったくなく、米海兵隊は、周辺住民や労働者人民の生活を破壊し、生命をおびやかすことを前提に演習を強行しているのだ。

 こんな移転演習を「沖縄の負担軽減」なぞと言いなすのは、まったくのまやかしである。まず、民間の輸送手段や空港を使用した移動過程そのものが演習である。この過程での民間労働者の動員が積み上げられており、本格的な戦時における労働者の戦争動員の下地が作られているのである。そして、米海兵隊はかつての沖縄における演習の規模をはるかに超える実弾砲撃演習を強行している。移転演習自体、朝鮮反革命戦争突入に向けた米軍と自衛隊の再編強化、基地機能の強化に他ならない。さらに、沖縄では、実弾砲撃演習以外の、様々な演習が頻繁に行なわれており、その結果、「事故」は、なおも続出し、赤土流出や山火事などの生活破壊・環境破壊などが著しく進行しているのだ。

 中東反革命戦争の拡大、朝鮮反革命戦争突撃に向けた実戦的演習の拡大・強化を断じて許してはならない。「戦争のための基地は、沖縄にもどこにもいらない」として、名護新基地建設阻止や高江ヘリパッド建設阻止などの反基地闘争を闘う沖縄労働者人民と共に、在沖米海兵隊の実弾砲撃―「本土」移転演習粉砕、日米安保粉砕、帝国主義軍隊=米軍・自衛隊解体、王城寺原演習場解体まで闘おう。



5・11在沖米海兵隊の出撃阻止に決起〈沖縄〉

 陸上自衛隊・王城寺原演習場での在沖米海兵隊による155ミリ榴弾砲の「本土」移転演習―実弾砲撃演習に先立ち、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会(沖縄青年実)は、沖縄・首里日雇労働組合(沖日労)の労働者たちとともに、沖縄からの海兵隊出撃阻止の闘いに決起した。

 在沖米海兵隊は、戦争が起これば、真っ先に敵地に乗り込んで、殺戮と破壊に手を染める強襲部隊であり、これまでにも、イラクやアフガニスタンなどの戦場にくり返し出撃しては、多くの労働者人民を殺害してきた。沖縄であろうと、どこであろうと、こんな凶悪部隊の殺人訓練を、断じて許すわけにはいかない。

 防衛省は、すでに、本年度の移転演習について、王城寺原での演習を皮切りに、第2回を東富士(9月中旬〜10月中旬)で、第3回を矢臼別(11月中旬〜12月中旬)で、第4回を日出生台(2018年1月下旬〜2月下旬)でやる計画を発表している。沖縄―日本「本土」を貫く闘いで、これを阻止してやらねばならない。

 5月11日夕刻、那覇市の目抜き通りにあるパレットくもじ前に登場した沖縄青年実と沖日労の部隊は、ただちに情宣戦を開始する。「王城寺原での実弾砲撃演習を粉砕しよう。沖縄からの米海兵隊の出撃を阻止しよう」、「政府が唱える『沖縄の負担軽減』は、まったくのペテンだ。訓練の『本土』移転は、訓練強化が真の目的だ」、「今また『負担軽減』の名で新基地建設が強行されている。辺野古現地に集中し、何としても護岸建設を阻止しよう」というアジテーションに、行き交う労働者人民の熱い注目と共感が集まり、足を止めて聞き入る人がいる。ビラが次々に受け取られていく。「ビラを下さい」と自ら近づいてくる人もいる。沖縄青年実と沖日労は、権力の弾圧、右翼の敵対を一切許さず、約1時間にわたって情宣を貫徹した。

 名護市辺野古の新基地建設をめぐり、安倍政府は、4月25日、護岸工事に踏み込んだ。「岩礁破砕許可」は、3月末で切れており、政府が今やっているのは、完全に違法工事だ。政府・権力の無法と暴力。これが、辺野古で起こっていることだ。こんな暴虐を、断じて許すわけにはいかない。現地では、工事を止めるために、体を張った懸命の闘いが連日にわたって展開されている。沖縄青年実は、沖日労の仲間たちとともに頻繁に現地に通い、ともに現地攻防を闘いぬいている。現地集中と実力闘争で、新基地建設を阻止しよう。「沖縄の負担軽減」に名を借りた〈基地・沖縄〉の再編・強化を打ち砕こう。安保粉砕、日米軍事基地解体、安倍政府打倒をめざして、ともに闘おう。