「共謀罪」法案の衆院本会議強行採決阻止を闘う
5月23日、午前8時30分から、「共謀罪」新設阻止の国会前行動が「共謀罪新設反対! 国際共同署名運動」、「破防法・組対法に反対する共同行動」等の主催で闘われた。午前8時30分からの国会議事堂前駅、永田町駅での1時間のビラまき、並行して、国会前での座り込み、国会前を行きかう労働者・市民にマイクでの呼びかけ、ビラまきが行なわれた。
この日、安倍極右政府は、衆院本会議において、午後1時から「共謀罪」法案を数の力で強行採決しようとしている。まともな審議が尽くされていないにもかかわらずだ。
午前11時から、「共謀罪新設反対! 国際共同署名運動」、「破防法・組対法に反対する共同行動」等の前段集会がもたれる。
最初に、国会に向けて、シュプレヒコールが叩きつけられる。「『共謀罪』の制定を阻止するぞ!」「衆院通過を許さないぞ!」「本会議強行採決を許さないぞ!」「法務委員会での採決を糾弾するぞ!」「『共謀罪』を廃案に追い込むぞ!」「4度目の廃案をかちとるぞ!」「永久廃案をかちとるぞ!」。
続いて、「破防法・組対法に反対する共同行動」の事務局より、この間の闘いの経過と今後の闘いの方針が提起される。
「破防法・組対法に反対する共同行動」事務局は、「今日の衆院本会議で強行採決を行なうのかどうかをめぐって、与野党の間で、激しい攻防が続いている。先ほど、司会のほうから、13時に本会議と伝えられたが、今現在の情報では、15時に延びたということだ。5月19日の法務委員会での強行採決、そして、今、野党は法務委員会に差し戻せ、本会議を開くなという要求をし、今日の衆院本会議通過、明日の参院本会議の趣旨説明というプログラムを描いている与党と、対抗し続けている。おそらく、今日、政府与党は、強行採決に突進するだろう。『共謀罪』を、5月26日から5月27日にかけて開かれる『主要7ヵ国』(G7)首脳会議」への安倍首相の手土産に是が非でもする必要があるからだ。加えて、既に、6月18日の会期末まで、1ヵ月を切っている」とした上で、以下提起する。
「破防法・組対法に反対する共同行動」事務局が基調提起
「5月の18日に、人権理事会の任命した、国連プライバシーに関する特別報告者、彼から安倍首相宛ての書簡が発信された。内容は、一言で言ってしまえば、今回の『共謀罪』法案、あまりにも、明確性に欠けると言って、切って捨てている。これでは危険すぎるということだ。日本は、『国際組織犯罪防止条約』に調印をしている。国連条約に加盟するためには、今回の『共謀罪』法案、必要だというのが、いま現在の安倍政権の立法理由だ。しかし、当の国連の一員が、今回の法案、危ないんじゃないですか、総監視社会になるんじゃないですか、警察が恣意的に捜査をすることについて日本の国家権力の中にはそれに歯止めをかけるような装置はないのではないですか、こう断定をしている。その上で、法案を仔細に検討して、これをどういう風に処理をするのか、必要であれば、相談にのります、こういうところまで、言い切っている。日本は、治安条約、治安体制の上では、一流国だろう。しかし、人権のレベルでは、国際的にみて、極めて遅れているといわれている。昨年の『盗聴法』改悪、あるいは『刑事訴訟法』等改悪の問題をめぐる国連人権理事会のウィーンで開かれた会議で、アフリカの人権大使から、日本の人権大使は、日本の司法は中世並みではないか、冤罪を作り出しているのではないかと非難され、なんと国際会議場の中で、『シャラップ』と回答し、ひんしゅくを買った。今回も、国連条約を盾にしているが、当の国連の人間から、これ行き過ぎではないですか、総監視社会になりますよ、こういう警告を発せられている。それに対して、昨日、菅官房長官は、外務省を通じて、この見解について、抗議をする、こういう態度をとっている。とんでもない話だと私たちは思う。具体的な非難、高まるだろうと思う。国連のホームページで、既に今の見解が発信されている。そして、日本政府に対して、会談の申し入れまでだされている。一方、国内的にも、反対の声が大きく、全国的に広がってきていることが、実感できる。日本の52単位弁護士会すべてが反対、もしくは慎重決議をあげた。全国各地で、地方自治体決議が続いている。朝日新聞の世論調査によっても、今国会で、『共謀罪』法案を通す必要はない、もっと慎重に審議すべきであるというのが、64パーセントを占めている」「『共謀罪』法案の制定阻止に向けて、全力をあげたいと思う。仮に今日、本会議で通過させられたとしても、以降、約1ヵ月間、全力で闘うことを決意表明して事務局からのあいさつとしたい」。
続いて、国会前行動に起ち上がっている団体・個人から発言をうける。「怒り・ネット」の「障害者」の仲間、福島から来た「福島原発告訴団」の仲間、沖縄現地で闘いを取り組んできた仲間、「都教委包囲首都圏ネット」の仲間、「争議団連絡会議」の仲間から、それぞれ発言を受けた。集会の最後に、国会に向けて、シュプレヒコールをあげ、座り込みを継続する。
「戦争・治安・改憲NO! 実行委員会」が衆院本会議強行採決弾劾集会を主催
午後3時から、衆院本会議が開催され、「共謀罪」法案が強行採決されるとの情報が座り込みをしている部隊にはいり、午後4時20分ころ、記名投票が終わり、「共謀罪」法案が強行採決されたことが明らかにされる。国会にむけ、「強行採決弾劾!」「『共謀罪』制定阻止!」「廃案に追い込むぞ!」の弾劾のシュプレヒコールをあげる。
午後1時から、「戦争法廃止! 安倍たおせ! 反戦実行委員会」のメンバーも国会前の座り込みを開始し、午後4時半すぎから、「戦争・治安・改憲NO!
実行委員会」主催で「共謀罪」法案の衆院本会議強行採決弾劾の集会が開催される。
最初に、「破防法・組対法に反対する共同行動」の事務局よりこの間の闘いの報告と「共謀罪」法案を巡る情勢の提起を受ける。
「まず、何よりも、5月19日の衆院法務委員会の強行採決に続いて、今日、衆院本会議採決を行なったことに対して、強く抗議をしておきたい。国連人権理事会のメンバーである国際プライバシー権に関する特別報告者からの申し入れを跳ね除け、今日、衆院本会議で強行採決をした。安倍政権のこの法案に対する並々ならぬ決意を掴み取る必要がある。安倍政権の構えは、もう一歩エスカレートし、明らかに明文改憲をにらんだ形で暴走を繰り返していると考えざるをえない。立法事実もなくなっているにもかかわらず、強行採決をしたということは、もはやこれ以上、審議を続けることはできないという状況をあらわしている。闘いはこれからだ。この法案、何としても阻止していきたい」。
続いて、国会前行動に結集している団体、個人から、発言を受ける。
「一坪反戦地主会関東ブロック」の仲間、「日本基督教団労働組合」の仲間、「韓国サンケン労働組合」の仲間、「精神保健福祉法」改悪阻止の闘いを推進してきた仲間、「都教委包囲首都圏ネット」の仲間、「戦争法廃止!
安倍たおせ! 反戦実行委員会」の仲間、「共謀罪創設に反対する百人委員会」の仲間から、それぞれ発言を受け、最後に、国会に向け、「採決弾劾」の怒りのシュプレヒコールを叩きつけ、午後6時までの国会前行動を終えていった。
|