5・13キャンプ・キンザー包囲デモを闘う
5月13日、「軍港反対! 浦添市民行動実行委員会」が主催して、「浦添軍港反対! キャンプ・キンザー包囲デモ」が開催された。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会(沖縄青年実)と沖縄・首里日雇労働組合(沖日労)も、これに参加した。
米海兵隊のキャンプ・キンザー(牧港補給地区 浦添市)に対する包囲デモは、今年で19回目となる。それは、1972年「5・15返還」―日帝のもとへの沖縄再統合を弾劾し、全基地撤去と沖縄解放を目指す闘いであり、その一環として、米海兵隊の兵站基地であるキャンプ・キンザーの部分返還や、代替地建設と引き換えの返還ではなく、即時撤去―全面返還を求める闘いとして、さらに那覇軍港の浦添移設―浦添新軍港の建設阻止をかけた闘いとして、1999年から取り組まれてきた。
とりわけ、那覇軍港の浦添移設をめぐっては、名護新基地建設に「反対」する「県」知事・翁長が、浦添新軍港建設については容認・推進するという、矛盾としか言いようがない姿勢に加えて、2013年の浦添市長選で「浦添新軍港反対」の公約を掲げて当選した市長・松本が、一昨年4月、公約を撤回して「建設容認」に転じたこと、その松本が今年再選されたことで、建設に向けた動きが一気に加速している。今年4月27日には、防衛省内で、沖縄「県」、那覇市、浦添市、那覇港管理組合などが参加して「移設協議会」が開かれ、新軍港を浦添埠頭の「北側」「南側」にそれぞれ配置する2案が示された。市長・松本は、今後、「南側」案を前提としつつ「新たな浦添市案を提出していく」としている。こうして新軍港建設問題が重大な局面を迎える中で、今回の闘いが取り組まれた。
朝から続く激しい雷雨をものともせずに多くの労働者人民が結集する中、午後1時半から、浦添市役所前広場において集会が開始される。「『復帰』45年を弾劾しよう。那覇軍港の浦添移転に反対し、キヤンプ・キンザーを撤去させるために、包囲デモをやりぬこう」、「日本の軍国化の具体化が、沖縄(琉球弧)の軍事要塞のための辺野古新基地、高江ヘリパッド、宮古、八重山への自衛隊基地の建設、そして那覇軍港の浦添移設だ」、「那覇軍港の移設は、リフォームではなく、新しく強化したものを造れという理不尽なものだ。絶対に許すことはできない」などの発言が続いた。
午後2時、参加者は、隊列を整えてデモに出発する。デモ隊が「浦添新軍港建設反対」、「キヤンプ・キンザーを撤去するぞ」、「辺野古新基地建設反対」、「米軍、自衛隊は沖縄から出ていけ」と、シュプレヒコールで沿道の労働者・市民に訴える。国道58号線沿いの第4ゲート前では、ゲート前を制圧し、「キヤンプ・キンザーを撤去するぞ」、「全基地撤去まで闘うぞ」、「安保条約粉砕」と、怒りのシュプレヒコール叩きつける。存分にシュプレヒコールを叩きつけたデモ隊は、ゲート前を後にし、やがて解散地点である泉小公園に到着。全体で闘いの成功を確認し、行動を終えた。
5・13沖韓連帯集会が開催される
5月13日午後3時から、「沖縄県立博物館・美術館」の2階講堂において、「米軍基地反対運動を通して沖縄・韓国民衆の連帯をめざす会(沖韓民衆連帯)」が主催して、「沖縄にキャンドル・パワー 沖韓連帯集会」が開催された。
最初に、沖国大教授・佐藤学氏が、「トランプに世界を壊させない! 東アジアから平和を!」と題して講演した。佐藤氏は「私が恐れるのは、北朝鮮への先制攻撃を仕かけること。そうなれば、北朝鮮は、韓国、日本に捨て身の攻撃をするだろう。その後の朝鮮半島がどうなろうと、『米国第一主義』からすれば、知ったことではない。日本は、喜んで米国の先兵役を担うだろう。今が歴史の転換点だ。ともに手を取り、繋がることで、悪意の支配を防ごう」と語った。
続いて、「ヘリ基地反対協」共同代表の安次富浩氏が、「オール沖縄の辺野古新基地阻止・緊迫の現地報告」と題して、名護新基地建設阻止闘争の現場からの報告を行なった。氏は、20年に及ぶ闘いの経過をふり返りつつ、現在強行されている護岸工事に対する海と陸の頑強な闘いを紹介し、「私たちに諦めはない。私たちの闘いは、孤立していない。絶対に辺野古に新基地を造らせない。ともに手をとり、東アジアの平和を創り出そう」と訴えた。
その後、「森の映画社」が制作した『高江・森が泣いている』の上映に続いて、「韓国キャンドル・パワーが生んだ平和への道―星州THAAD配備阻止と済州江汀平和の村造り」と題して、韓国からの平和行進団として来沖した済州道江汀村の副会長コ・クォニル氏らから、「江汀闘争10年の報告」、「THAAD配備阻止運動の展開過程と意義」の2つの報告を受けていった。「江汀闘争10年の報告」では、江汀村の住民たちが、済州海軍基地建設阻止をかけて「想像できる限りのすべての活動を展開してきた」こと、基地は昨年2月に竣工してしまったがこの基地に米海軍の最新鋭ステルスイージス艦・「ズムウォルト」が配備されようとしていること、「よって、江汀村は今も闘いをやめない」ことが報告された。「THAAD配備阻止運動の展開過程と意義」では、慶尚北道星州郡の住民たちのTHAAD配備阻止闘争は、「韓国のどこにもTHAADは必要ない」という闘いから、「数十年にわたる不平等な韓・米関係を清算し朝鮮半島で支配権を追求する米国に反対する闘争に発展している」ことが報告された。
最後に、韓国からの平和行進団全員が紹介され、会場から盛大な拍手が送られた。
5・14「平和とくらしを守る県民大会」に2200人が結集
5月14日には、午前10時から、護岸工事の現場を間近に見渡す名護市大浦湾・瀬嵩海岸で、「5・15平和行進実行委員会」、「沖縄平和運動センター」が主催する「復帰45年 平和とくらしを守る県民大会」が開かれた。この「県民大会」に、沖縄をはじめ全国各地から2200人が結集した。
「平和行進実行委員会」の実行委員長として「主催者あいさつ」に起った「沖縄平和運動センター」議長・山城博治氏が、「県民が団結し続ける限り新基地はできない。心折れることなく、屈することなく、闘い続けよう」と訴えると、「県民大会」の熱気は一気に最高潮に達する。
沖縄選出の国会議員による「激励あいさつ」に続き、「闘いの報告」として、「ヘリ基地反対協」と「高江住民の会」から報告が行なわれた。「ヘリ基地反対協」共同代表・安次富浩氏は、護岸工事に対する海上とゲート前での連日にわたる闘いを紹介した上で、「韓国で朴槿恵を引きずり降ろしたような闘いを沖縄と全国で展開し、安倍政権を打倒しよう」と提起した。「高江住民の会」は、「高江では、警視庁機動隊をはじめ全国から500人、県警300人、民間警備員を合わせれば1000人とも言われる警備体制のもとにヘリパッド建設が強行された。悔しい思いをしたが、闘いはこれからも続く。7月からの工事再開を許さない」と訴えた。
「海外ゲスト」として登壇したコ・クォニル氏は、「海軍基地の建設を阻止するために10年間闘ってきた。基地は昨年2月に造られてしまったが、私たちは諦めない。戦争のために米軍が使うので、諦めるわけにはいかない。これまで、韓国の政治家は、米国に追随し、安保を建前にして、大企業だけに利益を与えるなど、腐敗と堕落を続けてきたが、もう許さない。私たちは、戦争ではなく平和な国を求める」と力強く語った。
「本土代表報告」、「平和行進各コース報告」の後、「復帰45年大会宣言」案が、「実行委員会」事務局長の大城悟氏から提起される。「安倍政権は、圧倒的な『新基地NO』の民意を無視し、名護市辺野古に新基地建設を強行している。隣接のキャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセン、辺野古弾薬庫、さらに広大な北部訓練場と一体的運用を可能にする基地機能の強化である」、「この大会において、日・米両政府によって推し進められる米軍、自衛隊基地の強化・拡大に強く反対することを表明する」という「大会宣言」案が、参加者の圧倒的な拍手で確認された。
山城博治氏の「ガンバロー三唱」で「県民大会」が締めくくられると、参加者たちは、「沖縄今こそ立ち上がろう」の歌が流れる会場を後にして、デモに出る。大浦湾沿いの国道331号線を西に進む約1・5キロのコースだ。眼前に広がる護岸工事の現場に向けて、2200人の怒りのシュプレヒコールが叩きつけられていった。右翼ファシストが、街宣車でしつこく付きまとい、大音量でデモの破壊を画策したが、沖縄青年実と沖日労は、この右翼ファシストどもの敵対・介入を許さず、また反革命革マルの反革命敵対を一切許さず、この日の闘いをやりぬいた。
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