全国寄せ場から連帯メッセージ
5月1日、沖縄・首里日雇労働組合(沖日労)が主催して、沖縄日雇いメーデー討論集会が、那覇市内の市民会場で開催された。
開会時刻の午後1時を前に、多くの日雇い労働者たちが席を埋め、熱気が会場にみなぎる。沖日労執行部の仲間の司会のもと、「日雇いメーデーを闘うぞ」、「反戦・仕事よこせの闘いをやりぬくぞ」、「沖日労は闘うぞ」という力強いシュプレヒコールで、集会を開始する。
まずは、討論集会に寄せられた連帯メッセージの紹介だ。東京・山谷日雇労働組合からは、「国土交通省や元請けゼネコンが、『健康保険や年金に加入していない労働者は、建設現場に入場させない』という攻撃をかけてきている。保険料を払えるだけの仕事と賃金を保障することもなく、われわれをこき使ってきた連中が、今になって『現場に入れさせない』なぞということは、われわれから一切の仕事を奪い、野垂れ死ねと言っているのと同じだ。日雇い労働者の生活や権利を保障してこなかった連中の責任を追及し、責任を取らせるための闘い、われわれ自身の行動が、決定的に重要になっている。メーデーの集会・行動を成功させ、『反戦・反失業』の闘いを爆発させていこう」。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」からは、「釜ヶ崎でも4月から、『社会保険未加入』を理由とした労働者の建設現場からの排除が始まり、仕事にアブレる労働者が出ている。また大阪市は、警察と一体となり、公園で野宿をする労働者の排除を進め、4月から『廃品の持ち去り厳罰化』の条例を施行し、さらにセンターの老朽化を口実にした移転・縮小を強行しようとしている。釜ヶ崎からの労働者の排除を許さず、『反戦・仕事よこせ』の闘いを今後も粘り強く続けていく決意だ」。福岡・築港日雇労働組合からは、「寄せ場そのものを解体してしまおうという攻撃が強められている。福岡においては、すでに築港の寄せ場に求人に来る業者はいない。労働者が生きていくための『仕事よこせ』の闘いが重要だ。ともに本日のメーデーを、体を張って資本主義の終焉のために戦いぬく全世界の労働者階級と結びついて闘いぬいていこう」。全体が拍手で応える。
執行部が基調提起
「沖縄の労働情勢と日雇い労働運動の課題」
次に、執行部から、「沖縄の労働情勢と日雇い労働運動の課題」、「沖日労の取り組みの報告と方針」についての提起が行なわれた。
「沖縄の労働情勢と日雇い労働運動の課題」では、通常国会での「労働基準法」改悪の策動をはじめ、政府・資本による「解雇自由化」「残業代ゼロ化」「9割非正規化」の攻撃が全国で吹き荒れていること、とりわけ社会の最底辺での労働と生活を強いられてきた日雇い労働者には、低賃金、失業、野宿の押しつけがいっそう強められていること、さらに沖縄は、最低賃金―2016年10月時点で714円 全国平均823円、完全失業率―2016年度で4・4パーセント 全国平均3・1パーセント、「非正規」率―2012年で44・5パーセント 全国平均38・2パーセント、「ワーキング・プア」率―2012年で25・9パーセント 全国平均9・7パーセント、貧困率―2012年で34・8パーセント 全国平均18・3パーセントのどれをとっても、『全国ワースト・ワン』の状況にあること、その中で、沖縄の日雇い労働者は、まったくの無権利状態に置かれていることなどが、怒りを込めて明らかにされた。
そして、こうした数値に示される「沖縄の貧困」とは、「基地問題と表裏一体の問題であり、両方とも、戦後の沖縄売り飛ばしに始まり、現在に至るまでの日帝の統合支配の結果」であること、「最下層の労働者の起ち上がりこそ、窮乏化と戦争を阻止し、統合支配を打ち砕き、沖縄解放を実現する真の力であり、名護新基地建設阻止の闘いの帰趨も、そこにかかっている」こと、したがって「今こそ日雇い労働運動を強力に進めていく必要がある」ことが提起され、熱い拍手で確認された。
「沖日労の取り組みの報告と方針」
「沖日労の取り組みの報告と方針」では、第1に、「仕事よこせ、1人の野垂れ死にも許さない取り組み」として、昨年に引き続き、沖縄労働局に対する「日雇い雇用保険制度」、「建設業退職金共済制度」をめぐる申し入れ、沖縄「県」、那覇市に対する「公的就労対策事業」をめぐる申し入れを計画していること、毎月第1、第3の日曜日に行なっている与儀公園での炊き出しをやりぬくことが提起された。第2に、「反戦・反基地の取り組み」として、名護新基地建設の現状と沖日労の現地集中行動が報告され、「ゲート前の座り込みなど、工事阻止の現地行動に結集しよう」、「護岸工事―埋め立て工事への日雇い労働者の動員が始まっている。与儀公園などでの手配師の暗躍を許すな。すべての日雇いは、新基地建設工事を拒否せよ」と熱く提起された。
続いて議事は、この2つの提起をもとにした「全体討論」に移る。「炊き出しはとても助かっているが、2週間に1回というのは厳しい。力を出し合って、週に一回、やることはできないか」、「沖縄で長年日雇いをやってきたが、建退共に加入している業者を見たことがないし、退職金を要求する日雇いも見たことがない。労働者がもっともっと自分自身の権利を知り、それを強く主張していかないといけない。労働者が動かなければ、何も動かない」などなど、活発な議論が交わされた。
最後は、「行動方針の提案」だ。執行部の仲間が、「『反戦・仕事よこせ』の闘いが、沖日労の闘いの2大基軸だ」と強調した上で、「沖縄労働局、那覇市、沖縄『県』に対する行動を強めよう」、「与儀公園での炊き出しをやりぬこう」、「名護新基地建設を阻止するために、辺野古現地への集中体制を強化しよう」、「5・15闘争を闘おう」と、熱く呼びかけた。
行動方針を全体で確認し、力強く「団結ガンバロー」を行なって、討論集会を締めくくった。
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