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4・14 「共謀罪」新設阻止!国会前行動が闘われる
(1222号9面)

「共謀罪」法案の衆院審議入り弾劾

 4月14日、午前8時30分から、「共謀罪」新設阻止の国会前行動が「共謀罪新設反対! 国際共同署名運動」、「破防法・組対法に反対する共同行動」等の主催で闘われた。

 この日、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「組織犯罪処罰法」の改悪案が衆院法務委員会で審議入りし、法案の趣旨説明が行なわれるということをうけ、「共謀罪」成立を絶対許さないという決意も固く、午前8時30分からの国会議事堂前駅、永田町駅での1時間のビラまき、並行して、国会前での座り込み、国会前を行きかう労働者・市民にマイクでの呼びかけ、ビラまきが行なわれた。

 国会前での座り込みを続けながら、正午からは、昼休み集会が開催される。

 最初に、国会に向けて、シュプレヒコールを叩きつける。「『共謀罪』の審議入りを弾劾するぞ!」「『現代版治安維持法』は、いらない!」「『共謀罪』成立を阻止するぞ!」「廃案をかちとるぞ!」。

 続いて、「破防法・組対法に反対する共同行動」の事務局から、「共謀罪」をめぐる情勢の提起を受ける。

 「今、極めて重大な局面に入っている。昨日深夜、自民党と民進党の国会対策委員長会談で、今日の衆院法務委員会での『共謀罪』審議入りが決まった。昨日開かれようとしていた衆院憲法審査会は、介護保険法の強行採決のあおりを受けて、開会することすらできなかった。自民・民進、両党の『国会正常化』に向けた一環として、今日の法務委員会の審議入りがあるということについては、強く抗議をしておきたい」「今、現在、私たちの仲間が、法務委員会の傍聴に入っているので、後ほどその報告を受けたいと思うが、緊迫しているのは、この国会の中だけではない。ご存知のように、アメリカが、シリアを空爆した。それを受けて、朝鮮半島が極度の緊張に包まれている。アメリカの空母・カールビンソン、加えて、韓国軍や自衛隊が、『東シナ海』で、共同演習を強行している。それに対応する形で、安倍政権は、『朝鮮有事』ではなくて、『朝鮮非常時』に備えた形での、法体制、もしくは、体系を整える。ある場合に、韓国に自衛隊を派遣をする。こういうことまで騒ぎ始めている。こうした状態の中で、沖縄では、辺野古の基地反対闘争に対して、相次ぐ弾圧が続いている。こういう状態だということを踏まえたうえで、今回の『共謀罪』決戦の位置をしっかりと見定めていきたい」「今回の『共謀罪』法案は、成立を許せば、20日以内に施行する。20日以内というのは、成立した直後、例えば、国連に条約を批准すると通告した時点から、この法案は施行されるというシステムになっているということについては、把握していたほうがいいと思う。いわゆる治安法との闘いだけではなくて、治安弾圧との闘いにも突入せざるを得ないということで、私たちは、何としても、この法案の成立を阻止していかねばならない」。

「共謀罪」法案を永久廃案に

 「簡単に、今日の審議入りに至る経過をまとめてみるが、2月末に、法務省は、与党に対して、法案を提起する。『テロ対策』、『テロ等準備罪』。しかし、法案の中には、『テロ』の『テ』の字も入っていない。さすがに自民党内部から、あるいは公明党内部から、激しい批判が噴出し、『テロリズム集団、その他の組織犯罪集団』を対象にするという形での『修正』を加えた。そして、その他一切に手をつけることなく、3月21日の閣議決定、国会上程に至った。しかし、この法案の『修正』は、すでに、大きく破綻をしてきている。例えば、この法案提起に賛成したものの、公明党は、『共謀罪』法案の前に、やらなければならない継続法案、例えば120年ぶりに『改正』される債権法、あるいは『性犯罪』対処の刑法改悪、こうしたものを先行するのが筋ではないのかということを主張し、自・公間で軋轢が生じた。そして、4月6日の本会議審議入り以降も、今度は、自民党内部で、自民党の法務委員会の筆頭理事と自民党法務委員長の間で、審議入りの法案の順序を巡って激しく対立をして、その結果、4月14日まで、衆院法務委員会での審議入りが延びるという事態になった。こうした事態は、以降も続く。加えて、金田法務大臣、おそらく今回の法案を巡る論議にまともな答弁をすることは不可能だろうと思う。先ほど、言ったが、民進党からは、相次いで質問趣意書が提出されているが、これに対する答弁を見てみる限り、回答不可能だと私は思う。実際、社会に被害を加える『実行行為を処罰する』刑法の中に、『考えただけで処罰することができる』刑法、こうした、別個の2つの刑法をゴチャゴチャにする、こうしたことが通用する訳がない。さすがに、法務官僚は、それについての矛盾は感じているようで、『答弁をしない、それについては答えない』という論調におそらくなるだろうと思う。『テロリズム集団その他の組織的犯罪集団』ということで、対象者を狭めたというが、逆に言うと『テロリズム集団』というのは、思想、主義主張、政治的な利害を根拠にした集団であるわけだが、『組織的犯罪集団』とは違う。となると、思想、団結を処罰する法案であるという色彩を濃くすることを表すために『テロリズム集団』を入れたと受け止めていいだろう。こうしたこと、これから国会内で激しく論戦が行なわれると思うが、注意しておきたいのは、安倍政権は、5月の連休前後までに衆院の突破を図る、短期突破路線をとっていることだ。何と約30時間で、今回の衆院審議は終らせると公言して、今、激しい攻防になっている。5月連休前後から、5月末までに参院突破、こうしたことを公言している。しかし、逆に言うと、審議無用を積み重ね、強行突破路線は、おそらく、大きく破綻し、大混乱に陥るだろうと思う。この大混乱を『共謀罪』の4度目の廃案に結びつけ、永久廃案に追い込んでいこう。そのためには、大衆運動の大きな高揚が必要だろうと思う。さらに大きく闘いを進めていきたい」。

 続いて、発言に入る。「都教委包囲首都圏ネットワーク」、法務委員会の傍聴にいった仲間、地方公務員法の改悪に反対している「連帯労組」の仲間、「全国『精神病』者集団」の仲間、「救援連絡センター」から、それぞれ発言を受け、最後にシュプレヒコールをあげ、国会前行動を終えていった。