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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

3・12内田「死刑」判決53ヵ年糾弾!
浦和地裁(現さいたま地裁)包囲―糾弾闘争を闘う

(1218号5面)

さいたま市別所沼公園で決起集会

 3月12日正午、5・23闘争実行委員会に結集する仲間たちは、さいたま市別所沼公園に結集し、内田「死刑」判決53ヵ年糾弾! 浦和地裁(現さいたま地裁)包囲―糾弾闘争の決起集会を開始する。

 部落解放を闘う仲間が司会に起ち、開会あいさつの後に全体でシュプレヒコールをあげる。全国部落解放青年同盟からのアピールが司会から代読される。「安倍政府が、戦時国家体制構築に突き進む中で、部落解放運動総体もまた大きな試練を迎えている。安倍政府は、2016年の段階で『部落差別解消推進法』を制定するなど、反差別運動の体制内化を狙った法整備を進めている。部落解放同盟内社民・こえ派などの既成勢力にさらなる屈服を迫り、ファシズム融和運動への転換攻撃を推し進める安倍政府の目論見を許すことはできない」「東京高裁・植村も、事実調べ一つ行なおうとしない。東京高裁・植村がいつ、東京高検の意に沿って『3者協議』を打ち切り、再審請求棄却を狙ってくるのか、予断を許さない。われわれは、石川一雄氏を支えぬき、〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の旗幟を鮮明にして、階級的共同闘争と大衆的実力闘争・武装闘争で闘いぬかなければならない」「部落差別をはじめ、あらゆる差別が拡大・再生産され、差別襲撃事件が度々引き起こされている。この新たな戦時下の時代において、あらゆる差別と闘う団結を求める目的意識をもった運動を、われわれが先頭で作り出さねばならない」「極悪な差別煽動者である『在特会』をはじめとする反共ファシストに対する闘いは、撃滅戦しかありえない。ファシストとの死闘をくぐることなしに、階級闘争の前進はない。極悪な差別者に対しては、その極悪ぶりにふさわしい革命的部落解放運動の側からの、断固たる鉄の回答を準備してやらねばならない。部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとろう」。

全国学生部落解放研究会連合が基調提起

 全国学生部落解放研究会連合が集会基調を提起する。「1964年3月11日、浦和地裁・内田は、無実の部落民=石川一雄氏に対して、反革命差別『死刑』判決を打ち下ろした。『部落は悪の温床』『部落民ならやりかねない』という予断と偏見に基づき、被差別部落への差別意識をむき出しにし、わずか半年のスピード審理で石川氏に対する『死刑』判決を強行したのだ。この内田の反革命差別『死刑』判決こそ、狭山差別裁判の元凶であり、石川氏に31年7ヵ月もの獄中生活を強制した元凶だ。怒りも新たに内田反革命差別『死刑』判決を徹底糾弾し、浦和地裁包囲糾弾闘争に決起しよう」「狭山弁護団は、昨年12月28日提出の『魚住第3鑑定』において、取り調べ録音テープの筆記場面の分析を踏まえ、読み書き能力の観点から石川氏が脅迫状を書いていないことを証明した。さらに、今年1月31日の『川窪第3鑑定』において、開示証拠の分析をもとに、脅迫状の訂正箇所の筆記用具が『かもいの上の万年筆』によるものではないことを暴露した。次回の第32回『3者協議』は、5月上旬の予定である。さらに追撃し、東京高検に全証拠開示を迫る闘い、東京高裁に事実調べを迫る闘いを、やりぬかなければならない」「『3者協議』開始以降、東京高検が『3者協議』で開示した証拠は、計187点となった。しかしながら、東京高裁・植村は、今なお、証拠開示命令も出そうとせず、事実調べも行なう気配すら見せない。東京高裁・植村がいつ『3者協議』を打ち切り、再審請求棄却に踏み込むか、予断を許さない」「階級的共同闘争を頑強に構築し、大衆的実力闘争・武装闘争で闘おう。第3次再審棄却策動を粉砕しよう」「部落解放同盟内社民・こえ派の『司法の民主化』要求を通した狭山闘争の幕引きを許してはならない。狭山闘争を単なる『冤罪事件』へと切り縮めてはならない。〈狭山差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の旗幟を鮮明にし、狭山闘争の歴史的勝利へ進撃しよう」「国家権力頂点からの『朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)脅威論』『中国脅威論』煽動を追い風とした、差別主義・排外主義攻撃が吹き荒れている。さらに、天皇制強化が進行しており、2016年8月の天皇・アキヒトの『生前退位の意向』を受けての関連法を、今通常国会で成立させようとしている。そして、天皇制に屈服する議会内既成勢力を改憲論議に引きずり込もうとしている」「部落解放同盟内社民・こえ派が押し出す『告訴・告発』や差別の『法規制』では、何も解決しないことは明白である。激発する差別事件に対して差別糾弾闘争を闘うことが求められている。特に、反共ファシストに対しては、撃滅戦の鉄の回答あるのみである。部落解放運動の生命線である差別糾弾闘争の復権をかちとり、部落差別の根底的廃絶、部落の根本的解放を実現するために闘わなければならない」「日帝の狭山闘争解体を基軸とした部落解放運動解体攻撃を粉砕し、部落解放運動のファシズム融和運動への転換攻撃を木っ端微塵に粉砕しよう。差別主義反革命革マルを解体・絶滅し、差別主義日共=全国人権連を解体し、天皇主義右翼ファシストを撃滅・一掃しよう」。

 全国学生部落解放研究会連合が提起した基調を、全体の拍手で確認する。

 結集した仲間からの決意表明を受ける。

 東京・山谷日雇労働組合は、「安倍政府は、『働き方改革』と称して、八時間労働制の解体を狙っている。資本家の労働者支配の強化を許すことはできない。3・19『春闘勝利総決起集会』、3・27『寄せ場春闘集中行動』の爆発をかちとろう」。

 東京都地域連合労働組合は、「安倍政府は、『1億総活躍社会』を掲げながら、『9割非正規化』攻撃を激化させようとしている。『残業代ゼロ化』の改悪『労働基準法』なぞ許したら、労働者の命と健康を守れなくなる。労働法制改悪を阻止しよう」「われわれは、『日の丸』『君が代』処分攻撃と闘うために、卒業式ビラまき行動を闘ってきた。教育現場から『教え子を戦場に送らない』闘いをやりぬき、労働者人民の戦争動員を阻止しよう」。

 「刑法改悪阻止関東活動者会議」の仲間からは、「差別主義・排外主義が一層強まっている。『精神障害者』差別が煽動され『心神喪失者等医療観察法』の下で隔離・拘禁の保安処分が強化されている。『障害者』虐殺を許してはならない。戦時『障害者』抹殺攻撃を粉砕しよう。4月1日、『障害者総合支援法』施行4ヵ年糾弾の闘いに起ち上がろう。東京・水谷橋公園に結集し、首都中枢へのデモを闘おう」。

 東部朝鮮史研究会からは、「3月1日から、米韓合同軍事演習が開始されている。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の目と鼻の先で、米・韓両軍30数万規模の部隊が、戦争を挑発する訓練を行なっているのだ。朝鮮半島は、一触即発の状態にある」「100万人以上の韓国労働者人民が決起し、朴槿恵政権を打倒した。韓国労働者人民は、革命的階級的党組織建設に向っている。闘う韓国労働者人民と連帯し、朝鮮反革命戦争を粉砕する革命的反戦闘争の爆発をかちとろう」「安倍政府による差別主義・排外主義攻撃を粉砕し、『在特会』をはじめとする反共ファシストを撃滅しよう。日朝連帯闘争の前進をかちとろう」。

浦和地裁を包囲―糾弾する戦闘的デモ

 全学連からは、「〈戦時下の新たな革命的学生運動〉を担う学生を一人残らず組織するために、新歓闘争に決起する。安倍政府の下、『学園の兵営化』『天皇の大学化』が進行し、軍事研究予算の学園への投下がなされようとしている」「朝鮮反革命戦争とファシズムを粉砕する革命的反戦闘争の先頭に起つ。全学連第55回定期全国大会の成功をかちとる。小ブル学生運動との競合に勝ちきり、革命的学生運動の主流派として踊り出る」。

 決意表明の最後は、全国反戦だ。「3月10日に、安倍政府は、南スーダンPKO派兵撤退を決定したが、安倍政府は、なおも、戦時国家体制形成を狙い、日米安保を強化し、沖縄・名護新基地建設を強行し、さらに改憲へと向っている。そして、今通常国会での『共謀罪』成立を狙っている。中東反革命戦争粉砕、朝鮮反革命戦争粉砕の革命的反戦闘争を闘いぬき、戦争遂行の安倍極右政府打倒へ進撃しよう」。

 すべての発言が終了した後、閉会のあいさつがなされ、全体でシュプレヒコールを行ない、デモに撃ってでる。浦和(現さいたま)地裁正門前にさしかかると、デモ隊は、ただちに地裁に向かってシュプレヒコールをたたきつける。「内田『死刑』判決53ヵ年を糾弾するぞ!」「浦和地裁を包囲―糾弾するぞ!」「石川氏と共に闘うぞ!」「第3次再審棄却を阻止するぞ!」「狭山闘争に勝利するぞ!」。デモ隊は、一丸となって埼玉県警による不当な規制をはねのけ、内田「死刑」判決53ヵ年に対する怒りを叩きつけた。その後、デモ隊は、浦和市街地の中心部を通過し、JR浦和駅西口までのデモを最後までうちぬいた。「警告文」なるものを大げさに掲げながら、執拗に「部隊解散」をがなりたてる埼玉県警の規制―妨害をはねのけ、集約提起とシュプレヒコールをやりぬいた。こうして、5・23闘争実行委員会に結集する仲間たちは、浦和地裁(現さいたま地裁)包囲―糾弾闘争を最後まで闘いぬいた。



3・10「浦和地裁『死刑判決』53年糾弾! 狭山第3次再審勝利! 埼玉集会」に決起

さいたま市「ときわ会館」で集会

 3月10日午後6時半より、さいたま市「ときわ会館」において、「浦和地裁『死刑判決』53年糾弾! 狭山第3次再審勝利! 埼玉集会」が開催された。

 午後5時過ぎ、解放派と全国学生部落解放研究会連合の部隊は、「ときわ会館」入り口前で青ヘルメット、ゼッケンに身を固め、横断幕を掲げて情宣を開始する。次々と会場に結集してくる部落大衆に「狭山闘争に勝利しよう」「再審開始をかちとろう」と声をかけ、ビラを手渡していく。そして、集会に来た石川一雄氏にあいさつをし、ビラを手渡した。開始時間直前まで情宣行動をやりぬき、本集会へと合流した。

 午後6時30分より司会のあいさつで本集会が開始される。

 「北埼玉地区狭山裁判を支援する市民の会」の開会あいさつ、片岡・部落解放同盟埼玉県連委員長の主催者あいさつ、木村壮弁護士、埼玉同宗連の連帯あいさつ、山下茂弁護士からの連帯メッセージと続く。

 そして、小野寺・部落解放同盟埼玉県連書記長からの基調報告がなされる。基調では、まず浦和地裁による「死刑」判決53ヵ年を迎えるにあたり、「第1審・浦和地裁判決こそが今日までの狭山差別裁判の元凶」「今なお見えない手錠をかけ続けている」「狭山の勝利なくして部落解放はない」と、狭山闘争を闘いぬく決意が示された。そして、第3次再審闘争をめぐり、「下山鑑定」によって「石川宅から発見された被害者の万年筆は、偽者」「寺尾判決は完全に崩壊」とし、さらに「3者協議」の中で187点の証拠が開示され、石川氏無実を示す証拠が次々に発見されたことを示した。そして、「検察官の『年度内の反論・反証』に対し、再反論で攻勢へ」「東京高裁は、直ちに鑑定人尋問などの事実調べを」とし、東京高検・東京高裁を追いつめて闘いぬくことを強調した。最後に、小野寺書記長は、第3次再審闘争の見通しについて「山場が5月から夏場になる」とし「今年中に決着を着ける」と、第3次再審闘争への意気込みを示した。基調は、参加者全体の拍手で確認された。

石川氏が不退転の決意

 続いて、狭山弁護団を代表し、青木孝弁護士が「53年目の新事実〜『発見万年筆は被害者のものではない』」と題する弁護団報告を行なう。青木弁護士は、「狭山事件」について「見つかっていない物的証拠は、被害者の本物の万年筆と財布」とし、また「脅迫状に書かれている『少時様』が誰のことを指すのか、誰も分からない」として、石川氏の「自白」自身が、警察によって強引に捏造されたものであることを改めて示した。また、事件当時、埼玉県警が石川宅を家宅捜索した際に、後に「自白」に基づいて万年筆が「発見」されたとされる場所を、既に捜査官が調べていたとする証言が、1986年の段階で報道されていたことを紹介した。そして、今回の「下山鑑定」を詳細に報告するとともに、「きっかけは部落差別であり、現場近くの被差別部落を狙った」と、捜査・取り調べの全過程に部落差別が貫かれていることを明らかにした。最後に、青木弁護士は、「元々、狭山をやりたくて弁護士になった。これからもがんばりたい」と、狭山弁護団の一員としての決意を表明した。

 いよいよ、石川一雄氏のアピールだ。石川氏は、まず「無罪をかちとれないままに53年目を迎えた」とし、「再審決定させるまで、元気でいなければならない」と、生涯かけて闘いぬく決意を改めて示した。そして、得意の短歌を披露する。「苦しみの中で悟った吾人生 地獄に落ちた内田憎き」。最後に、過去の司法権力による再審棄却攻撃への怒りをあらわにしながら「過去は振り返らない。前に向って全力投球する」と決意表明し、発言を締めくくった。

 石川早智子氏からのあいさつに続き、家族からのアピールとして、義姉である石川ウメ子氏からのあいさつがなされた後、「狭山事件を支える狭山東部市民の会」が集会決議を読み上げ、全体の拍手で確認される。そして、司会より、この日の集会に220人が結集したことが報告される。最後に、石川氏をはじめ集会参加者が立ち上がり、「差別裁判打ち砕こう」が高らかに歌われ、会場全体の「団結ガンバロー」で集会が締めくくられた。