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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

3・11自衛隊ソマリア沖派兵阻止
横須賀からの護衛艦・「てるづき」出撃阻止に決起〈横須賀〉

(1218号4面)

反戦・全学連、横須賀現地に決起

 3月11日、反戦・全学連の部隊は、海上自衛隊・護衛艦の27回目のソマリア沖派兵阻止の闘いに決起した。今回は、海自・横須賀基地からの護衛艦・「てるづき」出撃に対する闘いだ。

 午前9時前、反戦・全学連の部隊は、ヴェルニー公園に集結し、海自・横須賀基地に進撃する。神奈川県警公安と横須賀署の私服刑事、機動隊数十人が阻止線を張り、部隊の進路を遮りにかかる。部隊は、直ちに青ヘル、ゼッケンを着け、横断幕を掲げて、ヴェルニー公園に布陣する。出撃準備をする護衛艦「てるづき」は、わが部隊のわずか300メートル先にあり、自衛隊員が甲板上で動き回っている様子が肉眼でハッキリ見て取れる。遮るものがない「てるづき」に対して、部隊は、怒りのシュプレヒコールを叩きつける。「護衛艦・『てるづき』のソマリア沖派兵を阻止するぞ」「労働者人民虐殺を許さないぞ」「自衛隊の海外派兵を粉砕するぞ」「横須賀基地を解体するぞ」「戦争遂行の安倍政府を打倒するぞ」。われわれの闘いに恐怖する権力は、前回の2016年3月に続き、またしても横須賀市公園管理課の職員をあらかじめ呼びつけた上で「無届けの集会は禁止します」と「警告」させ、数十人の部隊で弾圧の機会をうかがう。こうした闘争破壊の弾圧と対決しつつ、断固とした闘いを貫徹した。

 その後、部隊は、京浜急行横須賀中央駅頭に移動し、情宣行動を開始する。部隊全体でのシュプレヒコールの後に、「海自・護衛艦のソマリア沖派兵を阻止しよう」「自衛隊の海外派兵を粉砕しよう」とアジテーションを行ない、ビラを撒く。またしても、権力は、われわれの闘いに敵対し妨害のための「警告」を発する。それでも、行きかう労働者人民のなかには、自分からビラを受け取る者が現れるなど、ビラは吸い込まれるように受け取られた。「安保法制関連法」施行下での自衛隊海外派兵強化への警戒と、権力の弾圧と対峙しての闘いに対する労働者人民の共感が着実に広まっていることを、肌で実感した。こうして、弾圧を一蹴し、情宣行動を断固として闘いぬいた。

 2月23日、自衛隊・統合幕僚監部は、海自・横須賀基地からの、護衛艦・「てるづき」の出撃を発表した。現在ソマリア沖で展開している護衛艦の交替として、「第27次派遣海賊対処行動水上部隊」として編成し、新たに派兵するというものだ。護衛艦のソマリア沖派兵は、今回で27回目となる。そして、3月11日に護衛艦・「てるづき」が、要員210人を乗せ、横須賀基地から出撃した。出撃した護衛艦・「てるづき」は、ソマリアの隣国の、紅海沿岸のジブチにある自衛隊基地に駐屯し、部隊展開をすることになる。

自衛隊のソマリア沖派兵を粉砕しよう

 自衛隊ソマリア沖派兵は、2009年3月に、当時の麻生政府が、「海上警備行動」を発令して海自・護衛艦2隻を出撃させることで開始された。その後、麻生政府は、同年5月に、派兵規模をさらに拡大し、P―3C哨戒機と陸上自衛隊・中央即応連隊、航空自衛隊・C130輸送機1機をジブチに送り込んだ。陸・海・空3自衛隊が統合しての、ソマリア沖での部隊展開に一挙に踏み込んできたのである。こうして、自衛隊ソマリア沖派兵が積み重ねられている。安倍政府による海自・護衛艦の第27次ソマリア沖派兵強行を断じて許してはならない。

 2009年3月からソマリア沖で展開する海自・護衛艦は、民間船舶を率い、定期的にソマリア沖のアデン湾を往復している。護衛艦は、計26回派兵され、現在、2016年11月20日に海自・佐世保基地から出撃した護衛艦・「きりさめ」が活動している。そして、P―3C哨戒機は、アデン湾上空から監視活動を行ない、海上で展開する艦隊への情報提供をおこなっている。さらに、自衛隊は、2011年6月にジブチ国際空港内に拠点を構築している。自衛隊は、対外戦争の〝実績〟を積み上げ、〝労働者人民虐殺の軍隊〟として強化されようとしているのだ。

 安倍政府は、ソマリア沖の自衛隊の活動をさらに拡大させてきた。安倍政府は、2013年12月以降、護衛艦1隻を、バーレーンに本拠を置く「多国籍任務部隊」(CTF151)に参加させ、特定海域を分担して哨戒する「ゾーンディフェンス方式」の監視を始めている。さらに、安倍政府は、2015年5月、「多国籍任務部隊」の司令部要員として、海自の将補クラス約10人を派遣した。護衛艦については、2016年11月1日の閣議決定によって、1隻とする決定を下しているが、「減らした1隻は、北朝鮮のミサイルへの対応などにあてる方針」としており、本質的に何ら変更はない。そして、統合幕僚監部は、1月18日、新たにCTF151の司令官として、海将補の福田達也を送り込むことを発表した。福田は、3月上旬から6月下旬まで、司令官としての任務を負うことになる。

 ソマリア沖には、自衛隊だけでなく、米軍をはじめとした北大西洋条約機構(NATO)の諸国や欧州連合(EU)の諸国、中国軍や韓国軍などの艦隊がひしめくように部隊展開している。軍事展開もエスカレートし、洋上での戦闘―「海賊」の拿捕が頻繁に行なわれてきた。しかし、ソマリアでは米帝―帝国主義の介入によって内戦が激化し、ソマリア労働者人民の生活再建はなおざりにされており、危険を承知の上で〝一攫千金〟を狙って「海賊」になろうとする者は依然、後を絶たない。ソマリア沖における「海賊問題」は、米帝―帝国主義のソマリアへの介入と野放図な収奪が生み出したものである。いわば、米帝―帝国主義は、ソマリア労働者人民を「海賊」へと追いやっているのだ。

 安倍政府は、ジブチの自衛隊基地を、中東反革命戦争の出撃拠点としてさらに強化しようとしている。昨年8月15日には、防衛相・稲田がジブチの自衛隊基地を訪問している。自衛隊がジブチの自衛隊基地を足がかりに、本格的に中東反革命戦争に参画し、労働者人民虐殺に踏み込むことを、断じて許すことはできない。

中東反革命戦争参画強化を粉砕しよう

 安倍政府は、2016年11月、南スーダン派兵部隊に対して「安保法制関連法」を初めて適用し、「駆け付け警護」「宿営地の共同防衛」の新任務付与に踏み込んだ。しかし、強引な海外派兵強化の矛盾が噴出している。

 南スーダン派兵部隊が2016年7月11日~7月12日に報告に上げた「日報」において、「戦闘」という言葉が多用されていたことが発覚した。当時は、南スーダンで政府軍と反政府軍との戦闘が激化した時期にあたる。この「日報」について、2016年12月9日の段階で、防衛省は、「廃棄した」との理由で不開示扱いとしたが、12月26日になって「再調査の結果、統合幕僚部に電子データが残っていた」と言い直し、2月7日以降、情報を開示した。2月8日、防衛相・稲田は、「戦闘」の文言について追及されると、「事実行為としての殺傷行為はあったが、憲法九条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」と居直った。当然にも、防衛相・稲田への怒りが噴出し、辞任要求も出たが、官房長官・菅は、2月9日、「政府としての認識を説明しているものであり、辞任といったような指摘は全く当たらない」と、稲田を擁護した。こうして、派兵先の現場での「戦闘」の隠蔽が発覚し、労働者人民の怒りが噴出する中で、安倍政府は、3月10日、南スーダン派兵部隊の、「任務終了」となる5月の撤退を発表せざるをえなくなったのである。なお、1月の段階で、実際には陸自も「日報」のデータを保管しており、陸自上層部が電子データの消去を指示していたことが、3月16日の段階で新たに発覚している。そんな安倍政府と自衛隊によるドタバタ劇の間に、3月18日、南スーダン政府軍によって、自衛隊員5人が一時拘束される事態も生起している。南スーダンでは、政府軍ですら統制がとれない有様なのであり、5月末までの派兵期間中に、いつ戦闘が激化し、自衛隊が労働者人民を虐殺してもおかしくない状態にあるのだ。自衛隊南スーダン派兵を粉砕し、自衛隊の即時撤退をかちとらなければならない。中東反革命戦争への参画強化を粉砕しよう。

 安倍政府は、米帝・トランプ政権と「日米同盟強化」を確認し、朝鮮反革命戦争に突き進んでいる。米軍・自衛隊が拠点を構える横須賀についても、米原子力空母・「ロナルド・レーガン」が母港とするなど、朝鮮反革命戦争の出撃拠点としてさらに強化されようとしている。

 横須賀基地を解体する反基地闘争の爆発をかちとろう。闘う全世界労働者人民と連帯し、反革命翼賛国会を粉砕し、実力・武装の闘いで、革命的反戦闘争の爆発をかちとろう。中東反革命戦争への参画強化を粉砕し、朝鮮反革命戦争突撃を粉砕しよう。米軍・自衛隊を解体し、戦争遂行の安倍極右政府打倒に攻めのぼろう。