3月10日、午前8時30分から、「共謀罪」新設阻止の国会前行動が「共謀罪新設反対! 国際共同署名運動」、「破防法・組対法に反対する共同行動」等の主催で闘われた。
午前8時30分から、国会を前にした衆院第2議員会館前において、「共謀罪」新設阻止のビラまきとマイクでの呼びかけを行ない、併せて、国会議事堂前駅、永田町駅でのビラまきを午前9時30分までやりぬき、約1時間に渡る国会前行動を終了した。
3月1日の新聞各紙は、「犯罪を計画段階で処罰する『共謀罪』の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案について、自民、公明両党は2月28日、政府案を了承する方針を固めた。政府は早ければ3月10日に閣議決定する」と大々的に報道した。
安倍政府は、過去3回廃案になった「共謀罪」とは、違う法案だとして、「テロ等準備罪」と名を変えての国会上程を目論見、強行成立を狙ってきた。しかし、3月2日の自民党法務部会でも、従来の説明と条文上の表記が異なることについて、出席者から「テロという言葉を入れられない積極的な理由があるのか」「この法案はテロ対策が肝だ」と政府の対応を疑問視する意見が続出し、翌週3月10日までには党内手続きを終える予定が大幅にずれ込んだ。結局、3月8日、自民党法務部会は、法案に「テロリズム集団」という文言を加えるということで、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「組織的犯罪処罰法」の改悪案の政府案を了承し、3月21日を軸に閣議決定する方向で調整していると報道されている。
そもそも、今回の「共謀罪」法案の正式な罪名は、「実行準備行為を伴う組織的犯罪集団による重大犯罪遂行の計画」の罪となっている。安倍極右政府は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催には「テロ対策が重要だ」、国連の「国際組織犯罪防止条約」締結には「共謀罪」新設が不可欠だと主張してきた。そして「テロ等準備罪」と呼んできたが、テロリズムの定義もテロリズムの文字もない法案となっているのだ。犯罪主体の限定では、「組織的犯罪集団(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同目的が「対象犯罪」を実行することにあるもの)」とされ、具体的・現実的な合意をすることが「『対象犯罪』を2人以上で計画」(「共謀」ではなく「計画」に言い換えられている)とされ、「計画をした者のいずれかにより、その計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行なわれたこと」という「準備行為」を要件に加えた。当初、法定刑が4年以上の懲役・禁固の罪で「対象犯罪」の数676から、今回「組織的犯罪集団の関与が現実的に想定されるものに限定し、277に削減した」ことによって、公明党などがこの法案を積極的に受け入れ、「共謀罪」=「テロ等準備罪」の成立を自民党とともに狙っている。さらに、「テロリズム集団」の文言を入れ、今国会会期末の6月18日までに、何が何でも「共謀罪」を強行成立させようとしているのだ。絶対に阻止していかねばならない。
本格的戦争へと突入せんとする安倍極右政府は、戦争遂行体制作りを急ピッチで推し進めている。革命的反戦闘争を推し進める内戦勢力、革命勢力の解体が急務となる政府にとって、現代の「治安維持法」たる「共謀罪」の新設は絶対に不可欠なのだ。現在でも、警察権力は、革命勢力に対する組織壊滅型弾圧を激化させるばかりか、沖縄・名護新基地建設阻止闘争への破壊攻撃をはじめとする、闘う労働者人民への弾圧をエスカレートさせている。加えて、2016年に強行成立した改悪「刑事訴訟法」等によって、「盗聴法」改悪や「司法取引」導入が強行されている。「テロ等準備罪」について菅のいう「一般人は対象外」なる言い草は、ペテンそのものだ。「一般人か否か」を判断して動くのはあくまで警察権力であり、警察権力の判断一つで、あらゆる労働者人民を監視下に置けるということだ。尖端的闘いにかけられる弾圧は、即、全体に波及するものである。そうしなければ、尖端的闘いにかけた弾圧が効果薄いものとならざるをえないからである。要するに、「テロ等準備罪」を振りかざすことで、「人民の海」を干しあげてしまおうというのである。労働運動などの反体制運動を萎縮させ、大衆的実力・武装決起への発展回路を根絶しようとする悪辣な狙いを絶対に許してはならない。「反テロ」煽動を突破し、「共謀罪」=「テロ等準備罪」の成立を全力で阻止していかねばならない。
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