連日の座り込みと海上行動
2月の辺野古現地闘争は、2月1日の「水曜行動」から始まった。この行動に約300人が結集し、工事用ゲート前で座り込んだ。海上でも、抗議船やカヌーが出て、「浮具」(フロート)の設置・補強作業に対する抗議行動が取り組まれた。
政府―沖縄防衛局は、工事を再開した昨年末以来、埋め立て予定地の外周に設けた「臨時制限区域」と称する進入禁止区域をフロートで囲い込み、その上に、延々たる「海上フェンス」を構築する作業を強行してきた。フロートに付き立てる形で金属製のポールを取り付け、それらをロープで横に3段につなぎ、さらにそこに、ネットまでくくり付けたのである。工事現場に迫る労働者人民の闘いを封じ、弾圧するためだ。陸上でも、「県」警機動隊が工事用ゲート前に座り込む労働者人民を「ゴボウ抜き」にし強制排除した上で、ダンプカーやクレーン付きトラックなど、工事関係の大型車両の搬入を連日のように強行してきた。各ゲートを固める労働者人民を強制排除して、海上作業員たちを乗せた車両の入構も強行している。
これに対して沖縄労働者人民は、「集中行動日」となっている水曜日と木曜日を中心に、粘り強い闘いを展開している。「集中行動日」以外の日でも、連日、100人前後が現地に結集し、ゲート前で、海上で、実力攻防をうちぬいている。とりわけ「水曜行動」では、昨年末の工事再開以来、これまで一度も工事用ゲートの突破―工事関係車両の搬入を許していない。
2月1日の「水曜行動」で行なわれたゲート前集会では、前日の1月31日に、沖縄防衛局が設けた「環境監視等委員会」が大浦湾への大型コンクリートブロックの投下を認めたことに対して、「環境監視等委員会は第3者機関でもない」、「委員は、沖縄防衛局が委託したメンバーだ。その委員に監視ができるのか」と、沖縄防衛局の茶番劇に強い怒りの声が相次いだ。
安倍政府が3月末に期限を迎える「岩礁破砕許可」の更新を「県」に申請せず、そのまま海上工事を続ける方針を固めたことに対しても、「漁協が埋め立て同意の総会決議をしても、その時点で漁業権が消滅するわけではない。政府の身勝手な解釈は許されない」と、厳しい批判の声が上げられた。「政府の解釈」とは、2014年に名護漁業協同組合が、埋め立て工事期間五年分の漁業補償を受け取ることに同意したことを理由に、「漁業権は消滅しており、漁業権を前提とした岩礁破砕許可は必要ない」というものだ。しかし、牽強付会とはまさにこのことだ。「漁業権は、現場海域が護岸などで完全に囲い込まれなければ消滅しない」というのが、これまでの一般的な行政上の判断となっている。しかも、漁業権の免許権者は、知事であり、政府でも、ましてや漁協でもない。漁協の同意だけでなく、知事の許可がなければ、漁業権放棄は成立しない。
だからこそ、那覇空港の第2滑走路建設工事でも、地元漁協が漁業補償を受け漁業権放棄を決定したが、沖縄防衛局と同じ政府機関である沖縄総合事務局は、「岩礁破砕許可」の更新を「県」に申請しているのだ。しかも、それは、今年1月のことだ。ところが、辺野古では、その手続きは「不要」だと強弁しているのだ。こんな「二重基準」が通用するはずがない。すべては工事を強行するために、知事権限を無力化してしまおうという汚い魂胆からだ。安倍も菅も、ことあるごとに「法治国家」を口にするが、これが「法治国家」の実態だ。
海上工事の強行を弾劾する
こうして「臨時制限水域」に沿って「海上フェンス」を張り巡らし、弾圧体制を整えた上で、政府―沖縄防衛局は、2月6日、ついに海上工事に踏み込んだ。埋め立てに向けて、辺野古沖の海底ボーリング調査と、「汚濁防止膜」の設置作業に入ったのである。
このうち、海底ボーリング調査には、4015トンもある「ポセイドン1」という、海面下3000メートルの海底掘削作業も可能な大型特殊船が投入されている。調査は、これまでに24地点中23地点で終えており、残りは1地点だけと言われてきたのだが、調査の最終盤に来て、こんな大層な特殊船を投入したのには訳がある。沖縄防衛局は、今回、残り1地点に加えて、「実際の工事施工で必要な数十地点で調査を行なう」と言い出したのだ。そのうち、「ポセイドン1」によるボーリング調査は、十数地点になるという。
つまりは、この期に及んでもなお、埋め立て予定地の海底の地盤の状態がさっぱり分からず、このまま埋め立てたら護岸が崩落する、造成地が大きく地盤沈下を起こすなどの可能性があることから、あらためて大がかりな調査をやらなければならなくなっているのだ。新基地建設工事は、安倍の強権で急加速されているが、実は、その計画も調査も、まったく場当たり的でデタラメな代物でしかないことを、この事実はあらためて示している。
「汚濁防止膜」の設置について、沖縄防衛局は、「埋め立てに伴う土砂の流出による海洋汚染を防ぐため」、「自然環境保護のため」と言うが、実際には、辺野古の海を破壊する本末転倒の途轍もない破壊行為だ。「汚濁防止膜」は、埋め立て予定地の周辺四ヵ所に設置される計画だが、それを固定するための「重り」として、最大で14トンもある大型コンクリートブロックを228個も海に投げ込むというのである。それは、海を破壊するだけではない。「もう後戻りできないところまで工事は進んだ」ということを見せつけて、沖縄労働者人民の怒りと闘いまで破壊してしまおうというものだ。
今後、2ヵ月〜3ヵ月をかけてこれらの工事を完了させ、次には、いよいよ護岸工事に入ると政府―沖縄防衛局は、宣言している。護岸工事は、埋め立てのための「外枠」を造成する工事であり、事実上、埋め立て工事そのものだ。キャンプ・シュワブの陸上部と浅場から工事を進め、最初に、そこに「K9護岸」「A護岸」と呼ばれる護岸を建設し、続いて、護岸の一部となる「ケーソン」と呼ばれる鉄筋コンクリート製の巨大な箱の海中投下や、浚渫(しゅんせつ)工事に入る計画だという。2年目から護岸の内側に土砂を投下して埋め立て、3年目から滑走路の建設工事に入り、約10年かけて完成させるという。
しかし、沖縄労働者人民の闘いがある限り、10年かけても工事が完成することはない。
2月6日 「天をも焦がす」怒りの反撃
2月6日には、「集中行動日」ではないにもかかわらず、報道などで海上作業船の到着を知った労働者人民が、怒りに燃えて現地に多数つめかけた。その数、300人超。早朝から工事用ゲート前に座り込んで、工事関係大型車両の搬入を阻止する態勢を固めるとともに、新ゲート前、第2ゲート前にも多くの人々が陣取り、海上作業員車両の入構を阻止する闘いを展開した。すきを突いて、どのゲートからでも突入することがあるからだ。実際に、この日、一部の作業員車両は、機動隊に守られて、新ゲートから、しかも入口からではなく出口から、一方通行の車道を逆走して、キャンプ・シュワブの構内に逃げ込んだ。しかし、ほとんどの作業員車両は、労働者人民に阻まれて、ゲート前の国道329号線を右往左往するだけだ。
午前8時40分、沖縄防衛局が「作業開始」を宣言。午前9時過ぎには、クレーン車や土砂を積んだダンプなど、工事関係の大型車両4台が工事用ゲート前に到着する。その後ろには、構内に入ることができなかった海上作業員車両8台も付いている。座り込む労働者人民に機動隊が襲いかかるが、強固なスクラムを一向に解除できない。「ゴボウ抜き」にかかる権力と座り込む労働者人民の激しい攻防は、実に3時間に及んだ。その間、工事関係大型車両と海上作業員車両は、ゲート前の国道329号線上で、完全に立ち往生だ。結局、「県」警は、約50人の応援部隊を高速道路を使って呼び寄せた上で、昼前になってようやく、座り込みを強制解除し、車列を構内に入れた。海上でも、抗議船やカヌーが工事現場に肉薄して、激しい抗議行動を展開した。
ゲート前集会では、「新基地建設を許さないという、天をも焦がす熱い想いを打ち砕くことはできない」、「諦めれば政府の思うつぼだ。今日は、半日にわたって工事を止めた。こういう闘いを今後も続けよう」という力強い発言が続いた。海上工事の強行にも、沖縄労働者人民の意気は高い。
2月8日の「水曜行動」にも、総勢300人が結集して、工事用ゲート、新ゲート、第2ゲートを固めた。工事用ゲートの前には約200人が座り込んだ。先週の水曜日に続き、この日もコンクリートブロックの投下など、海上作業は強行されたものの、ゲート前の闘いによって、工事関係大型車両の搬入は1台も許さなかった。
ゲート前集会では、「コンクリートブロックが大量投下されたら、潮流まで変わってしまう。大浦湾は見るも無残に破壊される。何としても工事をやめさせよう」、「状況は厳しいが、今が踏ん張りどころだ」、「政府は、3月末で切れる『岩礁破砕許可』の更新の申請をしないと言っている。県がすべきことは、現在出している『岩礁破砕許可』を今すぐ撤回することだ」などの発言が続いた。最後に、「沖縄平和運動センター」事務局長・大城悟氏が、「海上の闘いと結合して、ゲート前で資材搬入や海上工事関係者の入構を止めていく。集中体制を強化しよう」、「新基地建設を強行するなら、ウチナンチュの怒りは、海兵隊に留まらなくなる。怒りは、すべての米軍基地に、とりわけ極東最大の米空軍基地・嘉手納に向かう。嘉手納の機能を完全に止める闘いになる」という締めの提起を行なうと、ひときわ大きな拍手が沸き起こった。
生コン製造施設の建設も
2月10日、米大統領・トランプとの間で日米首脳会談を行なった安倍は、「共同声明」の中に、「辺野古移設が唯一の解決策」なる文言を盛り込ませた。安倍に同行した政府関係者は、「日米首脳の間での文書で確認したことは画期的だ。報道発表文などと違い、重みを有する」とはしゃいでいる。これを力に安倍政府は、嵩にかかって凶暴に沖縄労働者人民に襲いかかっているのだ。
2月14日の衆院予算委員会でも、安倍は、政府が沖縄「県」に約束した「米海兵隊・普天間基地の2019年2月運用停止」(「5年以内の運用停止」)について、「残念ながら、翁長知事に協力していただけていない。難しい状況だ」と言い放ち、普天間基地の「5年以内の運用停止」が実現しない理由のすべてを、知事・翁長になすり付けた。沖縄労働者人民に対して、「文句があるなら翁長に言え」、「早く普天間を返してほしければ、新基地建設を受け入れろ」と迫っているのだ。
2月17日には、キャンプ・シュワブ内の南側沿岸域で、沖縄防衛局が生コンプラント(生コン製造施設)の建設に着手したことも判明している。これについて沖縄防衛局は、「陸上部の隊舎建設などの工事のためで、埋め立てとは無関係」だと説明するが、たかが隊舎建設の用途だけで、こんな大規模な工場施設を建設する必要はない。埋め立て工事にも転用する腹であること、むしろ、埋め立て工事での使用にその主目的があることは歴然だ。基地内で製造、運搬、荷降ろしのすべてを完結させる態勢を作ってしまえば、反対運動を気にせずに、やりたい放題の工事ができるというわけだ。こんな工事を許すわけにはいかない。
2月15日 沖縄防衛局抗議行動が闘われる
こうしたなか、2月15日の「水曜行動」には、約300人の労働者人民がゲート前に結集し、海上工事に怒りの拳を突き上げた。海上でも、海保による不当な拘束にも屈することなく、抗議船やカヌーによる阻止闘争が闘いぬかれた。ゲート前の座り込みは、この日も工事関係車両の搬入を許さなかった。
「水曜行動」の後には、「基地の県内移設に反対する県民会議」の主催で、嘉手納町の沖縄防衛局前で、「沖縄防衛局は、海上工事をただちに止めろ!抗議集会」も取り組まれた。平日の午後4時からの集会にもかかわらず、約250人が結集した。
集会は、大城悟氏の司会で開始され、「ヘリ基地反対協」、「平和市民連絡会」、「平和運動センター」など主催4団体が、「海の汚濁を防止するために大量のブロックを投下して海を破壊する。こんな論理矛盾を許せるか」、「昨日は工事車両が3台入ったが、今日は1台も入れなかった。人数が大切だ。現地集中で頑張っていこう」、「山城議長が逮捕されてから4ヵ月が過ぎた。出てくるまでに埋め立ては絶対にやらせない」と訴えた。さらに、「沖縄防衛局は、沖縄を防衛しない。沖縄にこんなものは要らない。沖縄は痛い目にあわされてきたが、決して負けていない。ヤマト政府ともアメリカ政府とも闘い続ける」という、嘉手納基地爆音訴訟原告団の発言などが続く。最後に、沖縄防衛局に対して、「ただちに海上での大型コンクリートブロックの投下を中止し、辺野古への新基地建設を断念すること」、「普天間基地を即時閉鎖・返還すること」、「欠陥機オスプレイを撤去すること」を求める集会決議を圧倒的な拍手で採択した。
集会後、参加者全体で沖縄防衛局の正面玄関に向かい、集会決議を沖縄防衛局長・中嶋に対する要請書として、沖縄防衛局に突きつける。しかし、これを受け取った職員は、「普天間飛行場の1日も早い全面返還を実現するため、住民の生活や環境に配慮しながら、辺野古移設をしっかりと進める」と言い捨てるや、庁舎の中に逃げ込んだ。大城悟氏が「政府が進めているのは、負担軽減や危険性除去に名を借りた基地機能の強化だ。県民は許さない」と怒りに満ちた反論の発言を行ない、正面玄関前に陣取った参加者全体で、「海上工事をやめろ」、「ブロック投下をやめろ」、「新基地建設をやめろ」のシュプレヒコールを叩きつけて、この日の行動を終えた。
2月18日 海と陸で海上工事に猛抗議
2月18日には、「コンクリートブロック投入許すな、美ら海守れ、海上抗議パレード」が行なわれた。「ヘリ基地反対協」が主催し、「基地の県内移設に反対する県民会議」が共催したものだ。
これに先立ち工事用ゲートの前では、通常通り、早朝から工事関係の大型車両の搬入を阻止する座り込みが数十人で取り組まれ、新ゲート前、第2ゲート前でも、海上作業員車両の入構を阻止する闘いが取り組まれた。卑劣なことに、沖縄防衛局と沖縄「県」警は、この日、「海上抗議パレード」に労働者人民が集まり、ゲート前が手薄になる時間帯を見計らって強制排除に踏み込み、工事関係大型車両10台の搬入を強行した。
「海上抗議パレード」では、名護市・汀間漁港に集合した約80人が抗議船10隻に分乗し、22艇のカヌーも出て、海上工事が強行されている辺野古の海で抗議行動を展開した。午前10時からは、この「海上抗議パレード」に呼応して、大浦湾を一望できる名護市・瀬嵩浜で、300人が結集して抗議集会が開かれた。抗議船やカヌーも、浜のすぐ近くの海上に並ぶ。ゲート前と合わせれば、500人近い現地大結集だ。「臨時制限区域」の境界に浮かぶフロート上に立てられた「海上フェンス」には、「ブロック投下やめろ」、「美ら海を守れ」、「オスプレイ墜落を許さない」などのスローガンが大書きされた横断幕10枚が取り付けられる。午前10時過ぎ、その「海上フェンス」の向こうで、クレーン船が大型コンクリートブロックを投下すると、海上と陸上で、「投下をやめろ」、「海を壊すな」と、激しい怒りのシュプレヒコールがあげられた。
集会では、「海上と陸上で一体になって、工事を阻止しよう」、「海を壊す者、未来を潰す者を許さない」、「海保にも警察にも負けない」、「焦っているのは国の方だ。安倍政権に抗い、何としても埋め立てを止めよう」などの熱い発言が相次いだ。
2月22日の「水曜行動」にも約300人が結集して、工事用ゲートを中心に座り込んだ。この日も、先週に続き工事用大型車両の搬入を阻止した。
2月24日 城岳公園に2000人が大結集 地裁構内を制圧して猛抗議
2月24日午後3時から、那覇市の那覇地裁前にある城岳公園において、「山城博治さんたちの即時釈放を求める大集会」が開催された。「山城博治さんたちの即時釈放を求める会」、「政治弾圧による不当逮捕・勾留者を支援する会」、「基地の県内移設に反対する県民会議」の3者で構成する実行委員会が主催したものだ。この集会に約2000人が結集した。
昨年10月17日、高江ヘリパッド建設阻止闘争を率いていた「沖縄平和運動センター」議長・山城氏は、沖縄防衛局が設置した「有刺鉄線を切断した」として、「器物損壊」容疑で逮捕され、その後、「傷害」、「公務執行妨害」、「威力業務妨害」容疑で、再逮捕・再々逮捕、起訴・追起訴がくり返され、裁判も開かれないまま、長期にわたって不当勾留されている。3人に対する逮捕―起訴は、高江へリパッド建設阻止の闘い、そして名護新基地建設阻止の闘いの現場から切り離し、闘いを潰すことを狙った露骨な政治弾圧だ。そして、安倍政府と国家権力のこの意図を忠実に体現し、くり返しの保釈請求を却下して、長期勾留を続けているのが那覇地裁だ。これを不服として最高裁に申し立てた特別抗告も、最高裁第3小法廷が、2月20日付けで切り捨てた。
会場の城岳公園には、政治弾圧―政治拘禁に激しい怒りが渦巻く。集会では、「沖縄の反基地闘争潰しに、裁判所が一役も二役も買っている。県民総がかりで行動を起こさねばならない」、「山城さんの拘束は、新基地建設阻止の闘争全体への弾圧だ」、「ゲート前のブロックはみんなが積んだ。拘束するならここにいるみんなを拘束しろ」、「機動隊の暴力や弾圧で怖気づくと思っているのか。那覇地裁も最高裁も、沖縄への弾圧をやめろ」などの発言が続いた。とりわけ、山城氏と面会した弁護士であり国会議員でもある照屋寛徳氏の「健康状態を聞いたら、『がんじゅー(元気)です』と言って拳を突き上げた」という報告には、ひときわ大きな拍手と指笛が沸き起こった。
最後に、集会決議が採択された。それは、那覇地裁所長・阿部に宛てて、「山城博治さんたちを社会に帰さない、運動させないという検察の強い意向に屈し、裁判所は…独立して職権を行なうべきその責務を放棄したものと断ぜざるを得ない」、「われわれは、憲法上の権利と自由を否定する権力の暴走を許さない」、「山城博治さんたちを即時釈放するよう本集会の名において要求する」という内容だ。
午後4時、集会を終えて、6人の代表が決議文を手渡すために地裁に向かう。これに労働者人民が津波のように続く。裁判所職員が慌てて門扉を閉めようとするが、もう遅い。制服、私服の「県」警の制止も、まったく無力だ。もう誰も止めることはできない。数百人が地裁構内に雪崩れ込み、玄関前に殺到した。労働者人民の怒りが大爆発したのだ。裁判所職員が「プラカードを降ろせ」、「写真撮影をやめろ」と叫ぶが、怒りの声にかき消される。あとは職員も「県」警も、茫然と事態を眺めるばかりだ。「政治弾圧を許さないぞ」、「3人を即時釈放しろ」というシュプレヒコールが、地裁を大揺れに揺るがす。3人の長期勾留を弾劾し、即時釈放を求める熱き闘いは、代表団が地裁の建物から出て来るまで続けられ、最後は、数百人による「沖縄今こそ起ち上がろう」、「沖縄を返せ」の大合唱と、「博治を返せ」、「博治を返せ」の怒涛のようなコールとなった。
行動を終えた労働者人民は、そのままデモに出る。参加者はいつの間にか膨れ上がり、デモ出発時刻の4時半の時点で、二千数百人にも達した。国際通りを通って「県」庁前まで、熱気あふれるデモが続いた。
闘いは、いよいよ正念場を迎えた。現地集中と実力闘争こそが、勝利のカギだ。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会は、勝利のために、闘いの最先頭に起つ決意だ。反戦、反基地の闘いを不屈にうちぬく沖縄労働者人との連帯・共同を強化し、名護新基地建設阻止、日米軍事基地解体、日米両帝国主義軍隊解体、安保粉砕、沖縄人民解放に向けて、ともに闘おう。
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