安倍訪米―日米首脳会談を徹底弾劾
2月11日、全国反戦と全学連は、首都・東京において、「建国記念の日」粉砕闘争に起ち上がった。反共ファシストの「奉祝」を掲げた登場―街頭制圧を蹴散らし、首都中枢を席捲するデモをうちぬいた。
渋谷一帯は、機動隊が多数配備される戒厳態勢の真っ只中にあり、反共ファシストの敵対に呼応しての弾圧を準備しているのがミエミエであった。しかし、渋谷・宮下公園に結集した反戦・全学連の部隊は、万全の態勢を組み集会の準備を着々と進めていった。
午前10時半すぎ、全国反戦の司会によって集会開始が宣言される。冒頭、全体でシュプレヒコールをあげる。「『建国記念の日』を粉砕するぞ!」「『奉祝式典』を粉砕するぞ!」「ファシストの街頭制圧を許さないぞ!」「反共ファシストを撃滅するぞ!」。
その後、司会より、本闘争の位置づけが提起される。「2月10日に訪米した首相・安倍は、日本時間の今日2月11日未明から、米帝・トランプとの日米首脳会談に踏み込み、安倍がトランプに2017年内の訪日を招請すると、トランプがこれを受諾している。安倍政府は、帝国主義世界支配の延命をかけて『日米同盟』を強化し、中東反革命戦争へのより本格的な参画と、朝鮮反革命戦争への本格的踏み込みを狙っている。差別主義・排外主義煽動を満展開させるトランプと安倍が結託を深めることで、犠牲にされるのは日帝足下労働者人民である。米帝足下で、中東はじめ全世界で、トランプへの怒りが巻き起こっている。安倍訪米―日米首脳会談を徹底弾劾しよう」「反共ファシストの街頭制圧を粉砕し、『建国記念の日』粉砕を闘いぬこう」。
司会が、「天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会」が本集会に寄せた連帯アピールを代読する。「沖縄は、戦中は『国体護持』のために凄惨な地上戦を強制され、戦後はまた『国体護持』のために、他国に売り飛ばされたのです。天皇制は、沖縄労働者人民にとって、不倶戴天の敵に他なりません」「天皇制の強化は、『新たな沖縄戦』への道です。われわれは、断じてこれを拒否します。『建国記念の日』を許さず、安倍政府による天皇制強化に対決し、天皇制打倒をめざしてともに闘おう」「1月16日、『日本第一党』を名乗るファシスト数十人が辺野古現地に現れ、闘いの拠点であるゲート前のテントを襲撃・蹂躙しました。こうした奴らの闘争破壊を断じて許しません! 撃滅あるのみです」。
全学連中執が基調提起
東京・山谷日雇労働組合と「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」から連帯あいさつを受ける。東京・山日労は、「1月15日に金町一家解体に向けた全国総決起集会・デモを闘った。本日も、「建国記念の日」粉砕闘争に先立って、早朝より、天皇主義右翼ファシスト・金町一家解体を掲げ、朝行動を闘いぬいてきた」「越年・越冬闘争の最中も、右翼ファシストが敵対してきたが、撃退した。山谷での闘いは右翼ファシストとの最先端での闘いだ。右翼ファシストを必ずや撃滅する」「山谷が先頭に起ち、寄せ場春闘集中行動を闘いぬく」。「釜ヶ崎労働者の会」は「天皇と俺たちは相容れない。ファシストどもは、俺たちを『コジキ』などと罵倒して憚らない輩であり、撃滅あるのみだ」「大阪市による釜ヶ崎センター移転・縮小―寄せ場解体攻撃、追い出し攻撃を粉砕する」。
全学連中央執行委員会から基調が提起される。「『建国記念の日』とは、朝鮮反革命戦争突撃に向けた国威発揚と、天皇・天皇制のもとへの反革命国民統合のための日に他ならない。こんなものは粉砕あるのみである。天皇主義右翼ファシストが、『奉祝』の街頭制圧に踏み込み、反対運動の抹殺に手をかけることを絶対に許してはならない」「安倍政府は、『建国記念の日』を新たな『紀元節』として再編し、かの15年戦争下における1940年の『紀元2600年祭』のごとく、朝鮮反革命戦争突撃のステップとしてうち固めようとしている」「反共ファシストどもは、全国各地で『奉祝行事』を強行しており、首都・東京では、『日本会議』や『神社本庁』、『国際勝共連合』などで構成する『日本の建国を祝う会』が、『奉祝中央式典』を、本日午後1時から午後3時まで、明治神宮会館で行なおうとしている。そして、これに先立つ『奉祝パレード』を、午前10時から12時半まで、原宿表参道周辺で強行しようとしている。この『奉祝パレード』に全国から右翼ファシストが集結し、首都制圧を狙っているのだ」「議会内の全勢力が天皇に忠誠を誓うおぞましい翼賛国会が既に形成されている。天皇制への屈服が、日本階級闘争の手痛い敗北に直結したという歴史的事実を、肝に銘じなければならない。戦前天皇制ファシズムのもとへの屈服・敗北の歴史を2度と繰り返してはならない。天皇制ファシズムに屈服し、排外主義に転落し、朝鮮、中国―アジア労働者人民虐殺に加担していった日本階級闘争の敗北の歴史の根底的突破をかけた闘いとして、安倍政府とファシスト勢力が一体となった天皇制攻撃を、何としても粉砕しなければならない」「激化する反共ファシストどもの跳梁に対する労働者人民の鉄の回答は、撃滅戦の爆発しかありえない。対ファシスト戦の攻勢を切り拓いていかなければならない。ファシズムへの突撃を切り裂く実力闘争、武装闘争の爆発をかちとろう」。
全学連の提起した基調が、参加者全体の拍手で確認された。
集会途中から、警察権力に手厚く守られた反共ファシストどもが、宮下公園脇のトイレに陣取り、ハンドマイクを集会場に向けて、「コジキ野郎」などと、われわれに敵対する言辞を吐き散らしていた。警察権力は、反共ファシストの敵対に乗じて、宮下公園内のトイレに行こうとする仲間の妨害に入った。しかし、いかにもチャチな敵対に過ぎず、逆にわれわれの怒りに火をつけるだけである。
結集する各団体が決意を表明
結集する各団体からの決意表明を受ける。革命的部落解放戦線は、「天皇制身分の対極に部落差別がある。天皇制攻撃粉砕は、部落解放運動にとっても急務の課題だ」「安倍政府がこしらえた『部落差別解消法』なるものに依拠しようとする部落解放同盟内社民・こえ派の制動を踏み越えた、差別糾弾闘争の復権をなしきろう」「狭山闘争をめぐって、第3次再審闘争が大詰めの局面となる中、東京高裁による棄却策動を許さず、狭山闘争の勝利をかちとろう。3・12浦和地裁包囲―糾弾闘争に決起しよう」。刑法改悪阻止関東活動者会議は、「戦争遂行体制形成を目論む安倍政府の下、『社会保障』の縮小・切り捨てが進行している。戦時『障害者』抹殺攻撃を断固粉砕しなければならない」「『病者』『障害者』にとっても、反共ファシストの跳梁を許して未来はない。共に全力で闘う」。日朝連帯活動者会議は、「韓国で、巨万の労働者人民が、朴槿恵政権打倒闘争に起ち上がり、国会での弾劾決議賛成に追い込んだ。国家保安法弾圧と対決し、ゼネストを組織して闘いぬく韓国労働者人民と連帯しよう」「日・米・韓は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への圧力を強めている。朝鮮反革命戦争突入を粉砕しよう」「安倍政府は、釜山に設置された『少女像』撤去を要求している。闘う韓国労働者人民が『日韓政治決着』粉砕を闘っている。15年戦争の負の歴史を二度とくり返してはならない」。反安保労研全国センターは、「戦前の、ファシストの白色テロに屈した歴史を繰り返してはならない。『連合』内では、安倍の『賃上げ要求』に取り込まれ、自民党支持が増加している。このままでは『産業報国会』の再来は必至であり、『連合』を突破する革命的労働運動の台頭を実現しなければならない。『働き方改革』なる、『残業代ゼロ』強制攻撃を粉砕しよう」「全国労働組合運動交流会(全労交)の呼びかける3・19春闘勝利総決起集会に結集しよう。3・27寄せ場春闘集中行動を闘おう」。以上の発言を受け、最後に全体で再度シュプレヒコールをあげる。宮下公園での集会を成功裡にかちとった部隊は、デモへの準備に入った。
11時40分、渋谷・宮下公園から、反戦・全学連の戦闘的デモが出撃する。渋谷一帯に進撃した部隊は、若者たちでごった返す渋谷の中心部を席捲し、注目を集める。反共ファシストどもは、戦闘的デモに恐れをなし、宮下公園のトイレ前から一歩も動くことすらできず、警察権力にしがみつくだけで、まったく手出しすらできない。デモ隊は、「反共ファシストを撃滅するぞ」「『奉祝式典』を粉砕するぞ」とシュプレヒコールをあげ続ける。制服警官は、ことさらに目立つ赤色のチョッキを装着し、威圧的にふるまい、弾圧を画策してきたが、われわれは、弾圧を一切許すことなく、首都中枢を進撃する戦闘的デモを終始やりぬいた。
デモをやりぬいた部隊は、神宮通公園に到着する。集約提起の後、参加者全体で最後のシュプレヒコールをあげ、首都中枢における2・11「建国記念の日」粉砕闘争を終えた。
安倍極右政府打倒し、天皇・天皇制打倒、反共ファシスト撃滅へ
「建国記念の日」をめぐっては、当日は訪米中である首相・安倍が、2月11日付で、「建国記念の日」に寄せたアピールを発表している。安倍の首相アピールは、四年連続であり、首相アピール自体、安倍以前には行なわれていなかったものである。安倍は、「『建国記念の日』は、『建国をしのび、国を愛する心を養う』という趣旨のもとに、国民1人ひとりが、今日の我が国に至るまでの古からの先人の努力に思いをはせ、さらなる国の発展を願う国民の祝日」とした上で「長い歴史の中で、我が国は、幾度となく、大きな困難や過酷な試練に直面しましたが、その度に、先人たちは、勇気と希望をもって起ち上がり、たゆまぬ努力により今日の平和で豊かな国を築き上げ、自由と民主主義を守り、人権を尊重し、法を貴ぶ国柄を育ててきました。国民1人ひとりのたゆまぬ努力の礎の上に、今日の我が国の発展があります」なぞと、15年戦争をはじめとする日帝の恥ずべき歴史を賛美し、「伝統を守りながら、同時に、変化をおそれることなく、より良い未来を切り拓いてまいります」と日帝としての生き残りをかけて、改憲を頂点とする戦時国家体制形成をさらに加速することを強調してみせた。安倍政府の朝鮮反革命戦争とファシズムへの突撃を断じて許してはならない。戦争遂行の安倍極右政府打倒へ進撃せよ。
首相・安倍は、2月11日の日米首脳会談で、極右性で唱和しあうトランプとの「親密ぶり」を、これでもかとアピールすることで、世界中に大恥をさらした。一方、韓国・釜山の日本総領事館前の「少女像」設置への「報復」として、1月9日に駐韓大使・長嶺を召還させたものの、韓国政府の屈服を狙う安倍の思惑は完全に外れ、韓国での日帝の戦争責任追及の闘いが爆発を続けており、長嶺の韓国帰還の機会を逸する大恥をかいているが、それでも安倍政府は、なおも居直りを続けている。
朝鮮・中国―アジア太平洋労働者人民の戦争責任追及の闘いと連帯し、「生前退位」を通した天皇制強化を許さず、天皇・天皇制打倒へ進撃しよう。階級闘争が激烈を極める中で、反共ファシストどもが競いあうように革命勢力への敵対・破壊を強めるのは必至であり、ファシストとの激突は不可避である。街頭、学園、地域における反共ファシストとの激突戦・制圧戦に勝利しよう。
山谷早朝行動で金町一家と国家権力に対する怒りが爆発
「建国記念の日」粉砕闘争に先立って、東京・山谷日雇労働組合と闘う山谷労働者は、朝7時から天皇主義右翼ファシスト・金町一家解体をかかげ、朝行動に決起した。
山谷のセンター前で「建国記念の日」粉砕闘争への結集が呼びかけられる中、対金町朝行動に続々と山谷の労働者が結集してくる。午前7時、東京・山日労の労働者がシュプレヒコールをあげ、朝行動が開始される。共に闘う支援の仲間たちが、闘う決意を込めた連帯あいさつを行なう。東京都地域連合労働組合、明治大学社会思想研究会の発言を受けた後、東京・山日労が「『建国記念の日』は、神武天皇の即位の日などという歴史をデッチ上げ、労働者を天皇の下に支配し、戦争に狩り立てるという政治的な目的のために制定された。安倍は、『生前退位』の特別立法化というかたちでますます天皇・天皇制を強めようとしている。天皇主義右翼ファシスト・金町一家と体を張って闘ってきた山谷労働者が先頭に起ってこの攻撃を粉砕しなければならない。『働き方改革』と称して『残業代ゼロ化』の『労働基準法』改悪などの労働法制を大改悪しようとする攻撃を打ち砕く2017年春闘を闘い、『反戦・反失業』の闘いを前進させよう」と基調を提起した。
結集した労働者は、隊列を整え、東京・山日労の組合旗を先頭に、「ワッショイ」のかけ声とともにセンター前から「山谷通り」への進撃を開始する。警視庁公安や浅草警察の私服刑事が弾圧の機を窺うが、固いスクラムと闘う熱気に押し返され、まったく手出しはできない。道行く山谷労働者の注目を集めた部隊は、「金町一家解体まで闘うぞ」とシュプレヒコールをあげ、佐藤さん・山岡さん虐殺への報復と金町一家解体の決意を固め、朝行動を最後まで貫徹した。
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