全国で越年・越冬闘争を闘った寄せ場・日雇い労働者が山谷に結集
2016〜2017年越年・越冬闘争を全国の寄せ場で闘いぬいた日雇い労働者、支援の労働者たちが1月15日、東京・山谷に結集し、佐藤さん・山岡さんを虐殺した天皇主義右翼ファシスト・国粋会金町一家に対する報復の闘いに起ち上がった。
1984年当時、国粋会金町一家による山谷支配の策動に反撃し、山谷の寄せ場・日雇い労働運動が大きく躍進しつつあった。そのことに危機感を抱いた金町一家は、山谷支援のためにドキュメンタリー映画を準備していた映画監督・佐藤満夫さん、そして山谷争議団の中心的なメンバーだった山岡強一さんを相次いで虐殺した。これに対して、山谷労働者は、金町一家に対する怒りを爆発させ、泪橋交差点から「山谷通り」一帯に怒りの炎を燃え上がらせた。
東京・山谷日雇労働組合は、日雇全協・山谷争議団が金町一家解体の闘いを放棄する中で、毎週金曜日の朝行動、そして2・11「建国記念の日」粉砕の山谷朝行動を貫徹してきた。天皇主義右翼ファシスト・国粋会金町一家に対して報復を貫徹し、解体する闘いに責任を取り切る決意をもって闘いは呼びかけられた。
1月15日の闘いは、まだ夜が明けきらない午前6時から、「山谷通り」、玉姫公園周辺での情宣から始まった。東京・山日労の組合員は、「城北労働・福祉センター」(センター)前に集合すると、すぐさま闘争への結集を呼びかけるために「山谷通り」から「朝市」で賑わう玉姫公園へと、ビラを配りながら移動し、山谷労働者に午前10時からの集会とデモへの結集を呼びかけていった。玉姫公園での越年・越冬闘争で活躍した労働者たちからは、「10時になったら行くよ」という返事が次々と返ってくる。情宣を終えてセンター前に戻る頃には、大阪・釜ヶ崎や福岡・築港で越年・越冬闘争をやりぬいた日雇い労働者たちが次々と到着してくる。
午前8時半、センター前を埋め尽くした労働者たちが、「ワッショイ」の掛け声とともに玉姫公園へと進撃を開始する。「旗を下ろせ」「ハチマキを外せ」と難癖をつけ、闘う部隊への弾圧を狙っていた警視庁―浅草警察は、労働者の気迫に圧されて何一つ手出しはできない。山谷の主人公は労働者だということを堂々たる「ワッショイ・デモ」で示した労働者たちは、すでに玉姫公園で待っていた労働者と合流し、ただちに集会準備に取り掛かる。集会場の正面には佐藤さん、山岡さんの遺影が設置され、横断幕を正面にして各寄せ場の組合旗、支援の労組の組合旗が横一列に並んだ。
午前10時、司会から集会の開始が告げられる。司会に起った福岡・築港日雇労働組合の委員長が「世界中でファシズムの嵐が吹き荒れようとしている。『安保法制関連法』の運用に踏み込んだ安倍の本格的戦争突撃が強まっている。天皇主義右翼ファシスト=金町一家の寄せ場支配と対決して対ファシスト戦の先頭に起ち、『反戦・反失業』を闘ってきた寄せ場労働運動がこれを打ち砕く闘いを爆発させよう」と呼びかけ、集会開始に当たってのシュプレヒコールを全員であげる。続いて、佐藤さん、山岡さんの遺影に向って参加者一同が黙祷をささげる。
玉姫公園で報復を誓って総決起集会
黙祷につづいて、この日の闘いに寄せられた連帯メッセージが司会から紹介される。沖縄・首里日雇労働組合は、「沖縄では、安倍政府の暴虐に、労働者人民の怒りが沸騰しています。元米海兵隊員による女性暴行・殺害事件、オスプレイの名護市安部への墜落と6日後の飛行再開、高江ヘリパッド建設工事の強行、そして名護新基地建設のための新たな攻撃の開始。政府による〈基地・沖縄〉の強化とその矛盾の押し付けに、激しい怒りが沸き起こっています」「沖日労は、この間、その怒りの最先頭で闘ってきました。辺野古、高江に、組合員が交代で頻繁に通い、現地攻防を担ってきました」「沖日労は、越年闘争をやりぬいた力で2017年の反戦・反失業の新たな闘いに向かっていきます」。
東京都地域連合労働組合、神奈川県地域連合労働組合、全国学生社会思想研究会連合からの連帯あいさつが行なわれる。東京都地域連合労働組合は、「私たちは、12月28日から1月4日まで闘われた山谷越年・越冬闘争に連帯し、炊き出し、防衛などを担い、闘いぬきました」「安倍は、日本労働運動を『1億総活躍社会』なぞという『富国強兵』政策を支える労働運動=「産業報国会」型労働運動へと一挙に転落させようとしています」「私たちは、戦争に反対し、労働者に対する戦争動員を阻止するために闘っていかねばなりません」「『ヘイト・スピーチ』を繰り返し、反朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)―反共・排外主義を煽動する『在特会』を許さず、天皇主義右翼ファシスト撃滅戦を闘いぬいてきた山谷の仲間たちとともに闘いぬいていきます」「『反戦・反失業』をかかげて闘いぬく寄せ場の仲間と連帯して闘いぬくことを表明して連帯のあいさつとします」。神奈川県地域連合労働組合は、「私たちは、『黙って野垂れ死ぬな』『生きてやり返せ』という山谷の越年・越冬闘争こそ労働組合の原則を示す闘いだと感じ、共に闘いました。本日の闘いも『やられたらやりかえせ』という闘う者の原則を貫く闘いとして結集しています」「安倍政府は、『残業代ゼロ化』にむけた『労働基準法』改悪や、『解雇の金銭解決』制度導入といった戦後労働法制を根底から覆す攻撃をかけてきています」「労働者の戦争動員を許さず闘うことが決定的に重要になっています」「亡くなられた佐久間さんの遺志を引き継いで闘う決意です」。全国学生社会思想研究会連合は、「今こそ『過労死か、野垂れ死にか』を強制する安倍政府と大資本にやり返す闘いとして、『黙って野垂れ死ぬな』『生きてやり返せ』をかかげて闘いぬく時です」「全国の大学で進行する軍事研究の強化を粉砕し、〈戦時下の新たな革命的学生運動〉の確立を成し遂げねばなりません」「闘う労働者とともに、労学連帯で闘い、戦争遂行の安倍政府打倒にむけ、2017年の激闘の先頭に起つ決意です」。
東京・山日労の委員長が闘いの基調を提起する。「山谷―全国寄せ場は、天皇主義右翼ファシスト、ヤクザの暴力に反撃し、労働者の闘いと団結を実力で防衛してきた拠点だ」「本日、俺たちは、仲間を殺された報復の決意を新たにし、山谷・玉姫公園に結集した。総決起集会の圧倒的な成功をかちとり、金町一家、そして浅警・マンモス交番に迫る山谷デモを貫徹する」「世界を見れば、イギリスでは『移民排斥』を煽動して欧州連合(EU)からの離脱が決定され、アメリカでは差別主義・排外主義をばらまくトランプが次期大統領に決まった。安倍の反朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)・反中国の反共・排外主義煽動もエスカレートし、朝鮮反革命戦争とファシズムへの衝動が強まっている。この情勢の中で、右翼ファシストどもがうごめいている。俺たちの仲間である佐藤さん・山岡さんの命が右翼ファシストによって奪われたが、この痛苦な敗北を二度と繰り返してはならない。山谷―全国寄せ場から撃って出て、ファシズムへの突撃を許さず、右翼ファシスト撃滅戦に決起しよう」「大阪・釜ヶ崎での『西成特区構想』にもとづく『センター縮小・移転』計画や、『2020年東京オリンピック・パラリンピック』を見据えた東京・山谷の『再開発』による寄せ場解体攻撃を粉砕し、『反戦・反失業』の闘いの前進をかちとろう」。
「報復貫徹!」「金町一家解体!」のデモが山谷一帯を席捲
集会の最後は、全国の寄せ場からの決意表明だ。まず東京・山日労の仲間は、「玉姫公園を拠点にした8日間の越年・越冬闘争をやりぬいた労働者の団結で2017年の『反戦・反失業』の闘いをやりぬく決意です」「越年・越冬闘争の間には、『日本正道会』を名乗る右翼が、黒塗りの街宣車で乗りつけ、『公園を不法占拠するな』『まわりの住民に迷惑だ』などと言って敵対してきましたが、防衛隊の一喝であわてて逃げ去るという事態も起きています」「安倍による『安保法制関連法』の運用開始と連動して、右翼ファシストが労働者の闘いと団結をつぶし、労働者を戦争に動員するためにうごめいています。これを許さず、佐藤さん、山岡さんが闘いの途中で命を奪われた無念さをわれわれ1人ひとりのものとして金町一家解体の闘いをやりぬきます」。次に「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」が、「俺たちは、12月28日の2016―2017年越年・越冬闘争突入集会』を皮切りに、12月29日から年明けの1月3日まで、アオカン(野宿)の仲間の命を守る人民パトロールをうちぬきました」「今、釜ヶ崎では、『西成特区構想』にもとづく『センター縮小・移転』攻撃がかけられています」「『西成特区構想』は、釜ヶ崎を資本に売り飛ばし、大型商業施設を建設するなどして資本の草刈り場にし、寄せ場である釜ヶ崎を解体してしまおうという攻撃です」「おれたちは、団結をうち固め、『センター縮小・移転』攻撃を粉砕する闘いに起ち上がります」「失業と野宿を強いている資本家どもや行政に対して徹底して責任を取らせ、『仕事よこせ』の闘いの大爆発をかちとっていきましょう」「戦争遂行の安倍極右政府の打倒にむけ、2017年の激闘をともに闘いぬきましょう」。最後に、福日労が、「俺たち福日労も、全国の寄せ場の仲間たち同様、越年・越冬の闘いをやりぬき、この場に結集しています」「金町一家に虐殺された佐藤さん、山岡さんは、労働者がボロ雑巾にように使い捨てられ、野垂れ死にを強いられるこの世の中に、強い怒りを持ち、真剣に変えてしまおうと、体を張って、みんなの先頭で闘いぬいた人だと聞いています。そんな2人を虐殺した金町一家を絶対に許すことができません」「今、ますます世の中は、労働者が使い捨てられ、失業と野宿に追いやられるような攻撃が強まっています。多くの労働者が、日本という寄せ場に暮らしているようです」「本格的な戦争の足音が一気に高まり、金町一家のような連中が全国至る所でのさばるようになっています。ますます、金町一家解体の闘いの重要性が高まっています」「武器を手に取り、体を張って起ち上がる時代が来ています。俺たち寄せ場労働者の本領発揮の時です」「今日の集会とデモを戦闘的にやりきり、新たな年明けを、新たな時代の幕開けとしていきましょう」。
集会を終え、全国の寄せ場労働者は、金町一家の事務所、金町一家とツルむ浅草警察―マンモス交番に肉迫するデモに出発する。明治通りにデモ隊が進むと、金町一家を防衛するために機動隊が「立ち止まるな」「早く行け」と露骨な規制をかけてくる。デモ隊は、機動隊の阻止線によって守られた金町一家の事務所に対して、「佐藤さん・山岡さん虐殺に報復するぞ!」「金町一家を解体するぞ!」と、怒りのシュプレヒコールを叩きつける。泪橋交差点を「山谷通り」に左折した部隊は、マンモス交番前では「金町とツルむマンモス交番を許さんぞ!」とシュプレヒコールを叩きつける。そして、デモ終了地点の玉姫公園に近づくと、スクラムを組み直し、「ワッショイ」の掛け声とともに密集し、公園入口で規制線を張る機動隊に肉迫する戦闘的なデモをやりぬいた。その後、集会とデモをやりぬいた労働者たちは、清川区民館に場所を移し、各寄せ場での越冬闘争の報告を共有し、交流会を持ち、2017年全国寄せ場春闘集中行動の勝利を誓いあい、この日の闘いを締めくくった。
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