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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

全国大学で大学祭闘争を闘いぬく(関西大学、徳島大学、九州大学、沖縄大学)(1207号3面)

関西大学〈12月2日〉

 「『障害者』の解放をめざす会」は、関大生に革命的「障害者」解放運動への決起を呼びかけるべくDVD上映企画を行なった。

 企画に先立ち、「『障害者』の解放をめざす会」に結集する学生は、ビラまき情宣に起ち上がった。連日の情宣活動は、関大前を行き来する労働者、学生の注目を集めた。関西大学直近の阪急・関大前駅周辺には関大当局が要請した民間警備会社のガードマンが配置されており、学生がビラまき情宣活動を始めるや、ガードマンの通報で直ちに関大当局職員が監視のため現れるというありさまであった。

 12月2日、吹田市・内本町コミュニティセンターにてドキュメンタリー映画・「養護学校はあかんねん!’79・1・26―31文部省糾弾連続闘争より」のDVD上映会が行なわれた。1979年、文部省(当時)は、養護学校義務化を決定した。これに対して、全障連を先頭とする「障害者」たちは、文字通り体を張って文部省を糾弾する闘いに起ち上がった。養護学校義務化は、「『障害者』を『健常者』社会にあってはならないもの」として「健常児」から分断する「障害者」差別そのものである。全身で怒りをあらわにして闘う「障害者」たちの映像に参加者は熱心に見入った。

 上映会には、「障害児」を持つ労働者の参加があり、上映後の討論では「子どもを養護学校に入れてきたが、それが子どもにとって本当によかったのかと今でも思っている」と率直な思いが語られた。今さかんに謳われている「インクルーシブ(共生)教育」なるものの実態が「障害児」のクラス分けはそのままで単に「障害児」と「健常児」が「交流」を図るというもので、養護学校義務化阻止闘争で突き出してきた〈共闘・共生〉とはまったく異なるものであることも討論の中で明らかになった。

 ドキュメンタリー映画・『養護学校はあかんねん!』の上映を通して、革命的「障害者」解放闘争が原則として掲げてきた「自立と解放」「共闘・共生」の意義をあらためて確認して企画を終えた。

 安倍極右政府の朝鮮反革命戦争突撃の下で、ファシズム優生思想の強化が目論まれている。「尊厳死法」制定の攻撃をはじめとした、ファシズム優生思想の強化と対決し、「障害者」差別―抹殺攻撃を粉砕しなければならない。

 「『障害者』の解放をめざす会」は、関大当局の革命的学生運動破壊攻撃を粉砕し、〈戦時下の新たな革命的学生運動〉を担いぬく闘う関大生の1人も漏らさぬ組織化をなし切り、関大革命的学生運動の前進を切り拓くことを決意している。



徳島大学〈12月1日〉

 徳大新聞会は、12月1日に「障害者」解放企画として、渭北コミュニティセンターにおいて「養護学校はあかんねん!‘79・1・26―31文部省糾弾連続闘争より」の上映会を行なった。企画に先だって、徳大新聞会の学生は、企画への結集を訴える宣伝活動を展開した。

 『養護学校はあかんねん!‘79・1・26―31文部省糾弾連続闘争より』は、1979年の養護学校義務化阻止闘争を取材したドキュメンタリー映画だ。養護学校義務化を決定した文部省(当時)に対して、全障連を先頭とする「障害者」たちが養護学校義務化を阻止するために、自らの体を張って文部省を糾弾する闘争に起ち上がった。養護学校義務化は「障害児」の普通学校からの排除を進めることで、「障害者」と「健常者」を隔離・分断していく。このドキュメンタリー映画は、差別に怒り、全力で闘う「障害者」の姿の克明な記録である。

 2014年1月の「障害者権利条約」批准で、「インクルーシブ(共生)教育」が謳われるようになったが、介護の商品化を本質とする「障害者総合支援法」のもとでは、こんなものは絵に描いた餅でしかない。『養護学校はあかんねん!』の中で、ある「障害者」はこう言っている。「『健全者』と同じ社会では、どうしても『障害者』は落ちこぼれ、ついていけない。それでも一緒にいれば、これわかんないんだ教えてくれよとか、食べさせてくれ、とやっていく中で関係ができていく。養護学校義務化は、『障害者』と『健全者』が関係をつくり手をつないでいく可能性を断つこと」と。介護の商品化の中では、このような関係を作っていくことなぞ到底できない。今年7月に、神奈川県相模原市の「障害者」施設・「津久井やまゆり園」で「障害者」19人殺害、27人重軽傷という「大量殺傷事件」が起きた。この事件の背景には、「障害者」を「劣った存在」として差別・排除していく優生思想が根深いものとしてある。日帝・文部省(当時)が強行してきた養護学校義務化は、優生思想を拡大再生産し、共闘・共生を破壊するものでしかない。『養護学校はあかんねん!』が問うていることは、「津久井やまゆり園」の事件ともつながっているのだ。

 「戦時下の新たな革命的学生運動」の前進に恐怖する徳大当局は、昨年2015年、徳大新聞会部室の閉鎖という暴挙に踏み込んできた。2015年1月の東京大学の軍事研究解禁表明に端的に現れているように、戦前同様に大学をはじめ教育現場が戦争協力の場に変えられようとしている。安倍極右政府のもと、革命的学生運動解体攻撃が激化している。徳大新聞会は、学生の怒りと闘いで、一周遅れのトップランナーよろしく突撃する徳大当局もろとも、革命的学生運動破壊攻撃を木端微塵に粉砕し、徳島大学での革命的学生運動の飛躍・前進に向けて奮闘する決意を固めている。



九州大学〈11月22日〉

 九州大学では、10度目の御用「九大祭」が、11月19日から2日間にわたって行なわれた。六本松キャンパスの機能が伊都キャンパスに移転してからは、8度目となる。御用「九大祭」を粉砕し、九大祭を学生の手に取り戻さねばならない。「福岡・『障害者』解放をめざす会(以下、めざす会)」は、御用「九大祭」に対抗して独自企画に取り組んだ。

 「めざす会」は、11月22日、福岡市中央区の「あいあいセンター」会場において、「『障害者』から見た『相模原事件』」をテーマに、「めざす会」の利光徹氏を講師として講演会を行なった。

 この「相模原事件」は、7月26日、神奈川県相模原市の「障害者」施設・「津久井やまゆり園」において、入居する「障害者」19人の殺害、27人の重軽傷という「大量殺傷事件」が、26歳の元職員の手によって凶行されたものだ。この元職員は、精神科の病院に「措置入院」させられていた時、医師に対して「ヒトラーの思想が2週間前に降りてきた」「重複障害者がいなくなることで、国家的に経済的な負担が軽くなる。自身が抹殺事件を起こせば、法律が変わるきっかけにもなる」と話していたという。安倍極右政府は、「脳死」―臓器移植法や、「尊厳死・安楽死」法制化など、戦時「障害者」差別―抹殺攻撃を強めている。その下で、元職員は、「障害者」の大量殺戮を「当然のこと」として実行したのだ。「相模原事件」は、戦時「障害者」差別―抹殺攻撃を推し進める「戦争屋」・安倍が産み出したものと言っても、決して過言ではない。

 この講演会に先立ち、伊都キャンパスや駅頭で学生たちに参加を呼びかけた。また、九州大学以外の福岡市全域の大学の学生にも連日にわたり精力的に呼びかけを行なった。その結果、学生、「障害者」、労働者の多くの参加をかちとりつつ、講演会を行なうこととなった。

 講師の利光氏は、講演の冒頭に「『相模原事件』という衝撃的な事件が起こったわけですけど、とうとう起こってしまったかと思っている。多くの『障害者』が『犯人』に対して強い憤りを持っており、絶対に許されないことだ」と事件に対する怒りを述べる。

 「国や行政は、こういう事件が起こる度に『犯人』に対して、こいつらは『危ないやつだ』として『保安処分』など『精神障害者』を隔離・排除する動きを強めてきた」と、「心神喪失者等医療観察法」など、政府の行なう「保安処分」攻撃を批判した。「現在、『障害者差別解消法』など法律が変わっていますが、その一方で『出生前診断』や『尊厳死・安楽死』法制化など『障害者』は、『死んだ方が幸せ』、『生まれて来ない方がいい』という優生思想と優生政策が進められています」「『障害者』差別をこのままにしている限り、相模原事件のようなことがくりかえされてしまうのです」として、講演を終えていった。

 「めざす会」は、九大生に「障害者」解放運動への決起、「障害者」と「健常者」の〈共闘・共生〉を訴えつつ、御用「九大祭」の突破、九大学生運動の革命的再生に向かってさらに奮闘していく決意を固めている。



沖縄大学〈11月13日〉

 沖縄大学では、11月5日から6日までの日程で、「第57回沖大祭」が行なわれた。今やそれは、沖大当局が主導する御用大学祭だ。今回はメイン・テーマの中に「レボリューション」なる言葉が紛れ込んでいるが、腹立たしい限りの言葉の遊びにすぎず、革命的変革への息吹はどこにもない。学生の批判的・創造的な文化活動、自主的な社会活動は皆無で、商業化と陳腐化が進み、それどころか、当たり前のように「ミスコン」が開催されるなど、腐敗が進んでいる。当局と一体となった御用学生による御用大学祭の典型のような代物だ。こうした状況を革命的に塗り替えるような、沖大学生運動の再生こそが求められている。

 こうしたなかで11月13日、沖大社会思想研究会の仲間たちは、沖大近くの市民会場において、「ヘリパッド建設を考える〜いま高江で何が起こっているのか」と題して、「公開学習会」を開催した。沖大正門前での企画案内のくり返しの情宣を受けたものだ。

 現地に通う仲間が、「高江ヘリパッド建設は、名護新基地建設と不可分一体の攻撃であり、本島北部に一体型・即応型の軍事拠点を形成しようという計画の一環」であること、「ヘリパッドと言っても、実はMV22オスプレイという最新鋭の垂直離着陸機が使うための施設であり、戦争のための殺人訓練施設である」こと、「年内完成のために、日本『本土』から機動隊500人を動員して、力ずくの工事が進められている」こと、「現地では、多くの人々がこの暴挙を止めようと、粘り強い闘いを続けている」ことなどを、画像・映像を交えてレポートし、最後に、「安倍政府の暴挙を止めるために、今こそ学生が声をあげていく時だ」と提起した。

 これを受けて、学習会に初めて来た参加者からは、「ネットでは運動を中傷するような書き込みが多く、真相が分かりづらい」、「遠い所で起こっていることのように思っていたが、身近な問題なんだと実感した」などの意見が出され、活発な討論が交わされた。

 沖大社思研の仲間たちは、高江ヘリパッド建設阻止、名護新基地建設阻止の闘いへの沖大生の決起をテコに、沖大学生運動の革命的再生を実現する決意を一層強くしている。