反戦・全学連、呉現地で決起
10月11日、午後1時20分より「広島県総合防災訓練」が地震・津波災害を想定して呉市阿賀マリノポリス地区で強行された。「総合防災訓練」は、関東大震災時に強行された戒厳令―軍隊の治安出動を「教訓」とした自衛隊の「治安出動訓練」に他ならない。自衛隊の主導の下、行政機関を総動員して避難民支援、災害医療、負傷者運搬などの訓練を、車両、重機、船舶、ヘリ、輸送機などを大量に投入して行なうのだ。「災害の危機」を煽り、「地域自主防災組織」による「住民参加型訓練」と称して住民を巻き込むことで、「非常事態」下の治安維持作戦に労働者人民を糾合し動員していくことを狙うものだ。
「広島県総合防災訓練」には、陸自第13旅団(司令部・海田町)と、海自の第1輸送隊(司令部・呉)が参加している。陸自第13旅団は、警察、消防などの行政機関や電力、ガス会社やNTTなどの民間会社、「自主防災組織」と共に「ライフライン復旧」訓練などを行ない、海自第1輸送隊は、強襲揚陸艦・「しもきた」に搭載したエアクッション艇・「LCAC」で、陸自部隊や車両等の輸送訓練を行なっている。
政府の言う「防災」とは、一般の「災害」を「防ぐ」事ではなく、ブルジョア社会を防衛することが目的だ。自衛隊は、1995年の阪神大震災において労働者人民の救助を後回しにして、真っ先に政府機関や銀行などの防衛にあたっている。2011年3月11日の東北・関東大震災でも真っ先に治安優先の体制をとり、高速道路・鉄道を統制下に置き、食料や飲料水など「支援物資」の被災地への輸送を自衛隊が一元管理し、労働者人民が被災者救援のために物資を携えて被災地に入ることさえ禁止した。その結果、自衛隊や米軍が被災地に輸送した「支援物資」は配布する体制も人もなく、集積拠点に山積みされたままになるという状況が起こった。「防災訓練」に名を借りた「治安出動訓練」なぞ粉砕あるのみだ。
自衛隊の治安出動訓練を粉砕せよ
午後11時30分、反戦青年委員会と全学連は、広島県の呉駅前に登場し情宣を開始した。「広島県総合防災訓練粉砕」「自衛隊による治安出動訓練を許すな」とアジテーションが響き渡り、労働者や学生にビラが次々と渡され、道行く労働者からは「がんばってくれ」と声援を受ける。警察権力は、情宣をなんとか妨害しようと遠巻きでわれわれを監視していたが、一切の弾圧の機会を与えず情宣を貫徹した。情宣を終えた部隊は、すぐさま総合防災訓練の会場である阿賀マリノポリス地区へと移動し、「治安出動訓練を許さないぞ」「安倍政府の戦争突撃粉砕」とシュプレヒコールを叩きつけ、この日の闘争を終えた。
1923年9月1日、関東大震災下で、デマが流布され、排外主義の大煽動の中で、軍隊、警察、自警団により、朝鮮人、中国人が大虐殺され、「社会主義者」の虐殺が強行された。その9月1日を「防災の日」などとすり替え、自衛隊・警察の指揮下に戦前の「隣組」「自警団」を復活させることなぞ断じて許してはならない。
関東大震災―朝鮮人・中国人虐殺93ヵ年糾弾。「戦争遂行訓練」、戦争動員態勢形成として強化される「総合防災訓練」を許すな。安倍極右政府は、11月に、「かけつけ警護」や「宿営地共同防衛」を付与した南スーダン「国連平和維持活動」(PKO)派兵を狙っている。自衛隊が海外で労働者人民殺戮に手を染める事態が間近に迫っているのだ。沖縄では、自衛隊や警察権力を動員しながら高江ヘリパッド建設や名護新基地建設が苛烈な暴力をもって進められている。このまま安倍政府の暴走を許してしまえば、戦争とファシズムの暗黒の時代が待つだけだ。「集団的自衛権の行使」をもっての朝鮮反革命戦争突入を絶対に阻止しよう。沖縄の高江ヘリパッド建設―名護新基地建設を阻止しよう。「天皇元首化」―「国防軍創設」を軸とした憲法改悪を許すな。戦争突撃の安倍極右政府を打倒しよう。
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