解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

9・20「大成建設は辺野古への工事をやめろ! 抗議行動」が闘われる 〈東京〉 (1200号1面)

大成建設は、名護新基地建設の大半を請け負っている

 9月20日午後5時半より、「辺野古への基地建設を許さない実行委員会(辺野古実)」に結集する有志で組織されている「ストップ! 辺野古埋め立てキャンペーン」主催による、大手ゼネコン・大成建設に対する抗議行動が闘われた。全国各地でも、大成建設支社に対する抗議行動が続いている。

 「ストップ! 辺野古埋め立てキャンペーン」は、名護新基地建設の「ケーソン」設置に加担する、五洋建設への抗議行動にも着手している。また、「ケーソン」を製造する会社である「JFEエンジニアリング」に対する抗議行動にも参加している。「ケーソン」は、鋼材と鉄筋コンクリートを一体化させた巨大な箱型の構造物であり、辺野古沖と大浦湾の埋め立て工事の護岸整備の土台になるものである。その大きさは、一基あたり長さ52メートル、幅22メートル、高さ24メートル、重量7400トンという、とてつもなく巨大なものである。本体工事の「ケーソン工事」は、まず、基礎となる砕石を沖縄・本部港から辺野古沖と大浦湾に運搬し、海底に投下して起伏がない状態にならす。その後、「ケーソン」六基を、製作場所の三重県津市から約1週間かけて、キャンプ・シュワブ沖合まで運搬する。そして、設置場所で「ケーソン」の中にポンプで水を入れ、海底に沈めた後、土砂を入れてさらに重量を増やし、ふたをした後、動かないように固定する、とされている。JFE(旧日本鋼管)の工場のある三重県津市では、地域住民が「辺野古埋め立ての『ケーソン』をつくるな」と怒りの声をあげ、「JFEエンジニアリング」に対する闘いを開始している。

 大成建設の軍事基地建設工事への加担ぶりは、悪質そのものである。これまで沖縄での基地建設を請け負ってきた「実績」を背景に、名護新基地建設の大半を請け負っている。2014年6月〜2016年3月を期間とする「辺野古新基地建設事業埋立本体工事」において請け負った総額は、実に147・1億円にものぼる。

大成建設は、「東京オリンピック」の建設利権をたっぷり享受している

 大成建設が海中に沈めたコンクリートブロックは、未だに引き上げられることなく、サンゴ礁を傷つけ、自然を破壊している。大成建設は、安倍政府が沖縄「県」を提訴した、「公有水面埋立承認取消」決定に対する「違法確認訴訟」の行方を睨みながら、辺野古沖での工事再開を虎視眈々と狙っているのである。

 大成建設は、安倍政府に厚遇されており、安倍政府との結託をより露骨に強めている。特に、元首相・森が「東京オリンピック組織委員会」会長を務める「2020年東京オリンピック」をめぐる巨額の建設利権の「恩恵」をたっぷり享受している。最近も、ボートとカヌー・スプリントの競技会場となる「海の森水上競技場」の建設をめぐる、露骨な癒着が露呈している。「グランドスタンド棟や水門などの整備工事」の入札に参加したのが大成建設のJV(ジョイント・ベンチャー)のみであり、しかも落札価格が、約248億9863万の予定価格に対し、248億9832万円という、わずか31万円ほど安いギリギリの価格での落札である。落札率で言えば99・99パーセントとなるという、あまりにも露骨な「官製談合」ぶりである。総額で約500億円にものぼる「海の森水上競技場」自体、あの都知事・小池をして「500億円を海に捨てるようなもの」とまで言わしめるほどの、デタラメな工事である。そんな建設利権をガツガツと漁って巨額の利益を得る大成建設に対する労働者人民の怒りが、さらに蓄積している。

 この日は、折からの土砂降りの雨により、主催者側の判断で、本社のある新宿センタービル前での行動は取りやめになった。新宿駅西口に移動し、「大成建設は、辺野古の工事を止めろ!」等と書かれたプラカードを掲げ、道行く人々に沖縄・名護新基地建設阻止を訴えた。道行く労働者人民の中から、プラカードに共感の反応を寄せる者も現われるなど、約一時間の行動は大いに注目を集めた。最後に、参加者全体で、今後も大成建設に対する取り組みをやりぬくこと、首都・東京における沖縄現地の激闘と連帯する取り組みに起ち上がることを確認し、この日の取り組みを終了した。