解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

10・28寺尾反革命差別判決42ヵ年糾弾!狭山中央闘争に決起せよ(1198号7面)

寺尾「無期懲役」判決42ヵ年糾弾

 1974年、今から42年前の10月31日、東京高裁・寺尾は、弁護側が要求した証人調べを行なわず、証拠調べもほとんど行なうことなく、無実の部落民=石川一雄氏に対し、「無期懲役」の反革命差別判決をうち下した。この判決は、狭山闘争が「石川の命、わが命」を合言葉に全人民決起で国家権力への糾弾・打倒の闘いとして闘いぬかれ、部落解放運動の革命的飛躍・前進を切り拓いてきたことに、恐怖と憎悪を燃やし、部落差別の強化・拡大と狭山闘争の解体を狙って打ち下ろされた反革命差別判決にほかならない。

 10年かけた2審のわずか11ヵ月前に交代したばかりの寺尾は、「部落問題の書籍をかなりの分量読んでいます」と20数冊をあげ、さらに「1審は、単純過ぎた。今まで研究してきた10倍の期間がほしい」と言い放ち、理解者を装いながら、部落差別に関する証人を全て却下し、判決では一言も部落差別には触れないというペテンを弄した。そして、「捜査官がはじめから不当な予断と偏見をもって、石川氏を狙い撃ちしたことを裏付ける証拠はない」と差別捜査とデッチ上げ逮捕を全面否定した。矛盾点は、石川氏を「ウソつき」だとしてごまかし、さらには、石川氏に対し「無期と言ってもまじめにつとめあげれば15年ほどで出られる」とヌケヌケと言い放ったのだ。「死刑」から「無期懲役」への「減刑」も、上告審において事実審理を行なわずに書類審理のみで門前払いにすることができるからである。10・31判決は、日帝国家権力による部落差別の強化・拡大と、階級闘争解体攻撃を明白にし、「公正裁判要求」路線の敗北を明らかにした。われわれは、第2審冒頭での「おれは殺していない!」との石川氏の血叫びに応え、1976年9・17革命的人民によって敢行された寺尾への報復の鉄槌を支持しながら、戦闘的部落大衆とともに10・31判決を許したことへの正面突破をかけ闘いぬいてきた。今、第3次再審闘争は、正念場を迎えている。石川氏の怒りと無念を共有し、石川氏の不退転の決意に応える闘いを実現しなければならない。

 東京高裁と東京高検、狭山弁護団との「三者協議」は、二九回を数えるに至った。二〇〇九年一二月の担当裁判官・門野による「証拠開示勧告」以降、開示された証拠は、一八一点を数える。狭山弁護団は、開示された証拠を精査し、石川氏の無実を明らかにする新証拠を次々に暴き出し、東京高裁を追いつめてきた。
 狭山弁護団は、さらに攻勢を強めている。8月22日、狭山弁護団は、第29回「3者協議」を前に、新たに、デンマテリアル色材研究所の下山進博士(吉備国際大学前副学長)作成の鑑定書を提出した。今回の「下山鑑定」は、石川氏の「自白」をもとに発見され「有罪証拠」とされた、石川宅のお勝手の鴨居の上に置かれていた万年筆について、実際に入っていたインクには、「女子高校生誘拐殺害事件」当日の1963年5月1日まで被害者が使っていたインクが微量たりとも混じっていないことを証明したものである。

第3次再審棄却策動を粉砕しよう

 2013年7月に証拠開示された、被害者の女子高校生のインク瓶を調べたところ、被害者のインクが当時販売されていた「ジェットブルー」という商品だと判明した。下山鑑定人は、1963年の警察側の「荏原鑑定(第1鑑定、第2鑑定)」を精査・検証したところ、荏原鑑定人が実施した検査結果には、「ジェットブルーインク」の痕跡がまったく出ていないことを明らかにした。発見された万年筆のインクには、事件当日まで被害者が使っていた「ジェットブルーインク」は微量も混じってておらず、「ブルーブラックインク」だけであったことを証明したのだ。石川氏が強制されたウソの「自白」では、被害者の女子高校生を殺害後、被害者の万年筆を奪って自宅に持ち帰り、お勝手の鴨居の上に置いたことになっており、「秘密の暴露」にあたるとされる「重要な証拠」として扱われてきた。元々、この「証拠」自体が、警察による捏造であることが、再三、指摘されてきたが、今回の「下山鑑定」は、それを科学的に裏付けるものである。

 8月29日、東京高裁で第29回「3者協議」が開かれた。前回の「3者協議」で課題とされた、捜査段階で集められた証拠物の保管について、東京高検は、8月19日付で「意見書」を提出した。その内容は、「埼玉県警などの証拠物一覧表は、昨年開示した東京高検の領置票と同じものであり、これが現時点で捜査機関が保管する証拠物のすべてである」とするものであった。また、東京高検は、「財布、手帳関係」の証拠開示について「必要性がない」とする居直りに終始した。一方、狭山弁護団が7月19日付で、「上申書作成経過」「犯行動機や自白の変遷」「自白にいたる経過に関わる捜査資料」などの「証拠開示勧告申立書」と、「万年筆に関わる証拠開示勧告申立書」を提出していたが、東京高検は、「検討中」と回答した。次回の第30回「3者協議」は、11月上旬開催の予定である。

 東京高検は、弁護団によって攻勢的に提出される新証拠をはじめ、石川氏の不屈の闘い、部落大衆の闘い、それと結びつく労働者人民の闘いに追いつめられながらも、「不見当」を繰り返し、裁判所になら提出するなぞというふざけた態度で居直っている。担当裁判官は、しばしば交代し、昨年6月末からは植村稔が就任している。植村は、「証拠物や客観的な証拠は開示してほしい」とする従来の東京高裁の基本姿勢を踏襲してはいるが、いまだに事実調べを行なおうとせず、手ぬるい態度でごまかしつつ棄却のタイミングを狙っていると言わざるを得ない。

 司法―国家権力は、これまで石川氏の無実を明らかにする新証拠や補充書、意見書を、どれだけ目の前に積まれようとも棄却を強行してきた。石川氏の無実は、犯人にデッチ上げた国家権力が一番よく知っている。だからこそ、国家権力は、狭山闘争が階級的共同闘争を基軸とした全人民決起と、戦闘的部落大衆と結びついての大衆的実力闘争・武装闘争で国家権力を追いつめてきたことに何より恐怖と憎悪を燃やし、狭山闘争解体攻撃をしかけているのだ。狭山闘争は、国家権力を追いつめてきた戦闘的闘いの地平を一歩も後退させることなく、さらに前進させていくことなしに勝利をかちとることはできない。そのことを肝に銘じ、なんとしても棄却を阻止する闘いに総力で起ち上がろう。いかなるペテンも居直りも許さない闘いを叩きつけていこう。

 部落解放同盟内社民・こえ派は、国家権力への屈服を深め、狭山=「冤罪」をますます強調しながら狭山闘争を「司法の民主化」要求運動に落し込めようとしてきた。そして、一切を「3者協議」にゆだね、狭山闘争の幕引きを図ってきた。しかし、安倍政府による戦時国家体制形成が一挙に進む中にあって、部落解放同盟内社民・こえ派の路線の破産は鮮明となっている。

 今こそ、階級的共同闘争と大衆的実力闘争・武装闘争で第3次再審棄却を阻止する攻勢的な闘いを叩きつけていかなければならない。石川氏の闘う決意に応える闘いを担いぬいていかなければならない。石川氏を激励し、石川氏の怒りと無念を共有し闘おう。司法―国家権力に対する「中立・公正」の幻想を一切捨て去り、〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の闘いの旗幟を鮮明に闘おう。部落解放同盟内社民・こえ派の制動に怒る戦闘的部落青年・大衆と合流し共に闘おう。職場・地域・学園で部落差別を憎み許さず、狭山差別裁判糾弾闘争を共に闘う仲間を獲得し、階級的共同闘争を拡大していこう。大衆的実力闘争・武装闘争の爆発で正念場を迎えた第3次再審闘争勝利へ進撃しよう。狭山闘争の歴史的勝利へ進撃しよう。

部落解放運動の革命的飛躍・前進を

 国家権力頂点からの差別主義・排外主義煽動が吹き荒れる中、部落差別は、ますます拡大・激化している。全国で悪質な差別事件が激発している。部落差別落書き、差別ハガキ、インターネットを使った悪質な差別煽動が拡大しているのだ。極悪反共ファシスト・「在特会」は、さらに差別煽動を続け、在日朝鮮人・中国人に対する差別デモ、襲撃を頻繁に行ない、ファシズムへの突撃の尖兵として突出している。さらに、今年に入り、「鳥取ループ」=宮部龍彦なる「ジャーナリスト」を名乗る輩が、「示現社」なる出版社からの、「部落地名総監」の元の資料である「全国部落調査」の復刻版の販売を画策してきた。部落解放同盟が「出版差し止め」に動くも、「鳥取ループ・示現社」は居直りを決め込んだ。部落解放同盟側は、「鳥取ループ・示現社」を相手取り、2億3320万円の損害賠償等請求を行ない、7月5日には東京地裁で、第1回口頭弁論が行なわれた。次回の第2回口頭弁論は、9月26日の予定である。

 部落解放同盟内社民・こえ派は、「告訴・告発」を全面化している。「告訴・告発」は、差別糾弾闘争を破壊し、差別者を擁護し、部落差別を拡大させるだけであり、差別者を自己批判させ、変革することなぞできない。とりわけ、反共ファシストの差別煽動に対しては、徹底した撃滅戦の爆発で回答しなければならない。全国で激発する差別事件に対しては、全国水平社の差別糾弾の思想を引き継ぎ、徹底した差別糾弾闘争で闘いぬくことが必要だ。

 今年5月の「ヘイト・スピーチ解消法」制定に続く、「差別の法規制」の動きが進行している。「部落差別解消法」は、「悪質な差別事件への対応」としての「理念法」として、自民党が「法」案をまとめ、5月19日に自民党、「民進党」、公明党の3党共同で、議員立法として国会に提出された。「部落差別解消法」は、9月26日から開始される臨時国会での継続審議となっている。部落解放同盟内社民・こえ派は、自民党案に乗っかって「部落差別解消法」成立に動いている。日共は、差別主義の立場から、「部落差別解消法」に反対している。ファシズム融和運動に道を拓きかねない「差別の法規制」要求運動を踏み越えなければならない。安倍政府が主導する「部落差別解消法」制定を許してはならない。

 部落解放同盟内社民・こえ派の「告訴・告発」方針を踏みしだき、差別糾弾闘争の復権をかちとり、部落差別の根底的廃絶、部落の根本的解放へと闘おう。ファシストどもの悪辣な差別煽動を打ち砕き、安倍極右政府の兇暴な朝鮮反革命戦争突撃と対決する部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとろう。朝鮮反革命戦争遂行の安倍極右政府を打倒しよう。差別主義日共=全国人権連を解体し、差別主義反革命革マルを解体・絶滅し、天皇主義右翼ファシストを撃滅しよう。

10・28寺尾反革命差別「無期懲役」判決42ヵ年糾弾
狭山中央闘争

▶午後1時 日比谷野外音楽堂
▶主催 狭山事件の再審を求める市民集会実行委員会