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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

9・3「沖縄県総合防災訓練」粉砕に決起 (1197号7面)

 9月3日午後1時から、沖縄「県」、竹富町、石垣市、与那国町が主催し、竹富町西表島・仲間港をメイン会場にして、「沖縄県総合防災訓練」が行なわれた。これに対して、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会(沖縄青年実)は、沖縄・首里日雇労働組合(沖日労)の労働者たちとともに、粉砕闘争に起ち上がった。

 「訓練」の想定は、「9月3日13時頃、八重山諸島南西沖を震源とする強い地震が発生。竹富町、石垣市、与那国町で最大震度六強、宮古島で震度5弱を観測。八重山諸島に津波が襲来し、多くの建物が倒壊、瓦礫の下敷き等により負傷者が多数発生。沿岸部では一部の住民が津波により沖合に流され、電気、通信、水道、ガス等のライフラインに甚大な影響が出ている」というものである。仲間港での「訓練」には、自衛隊や警察・消防・医療機関、住民ら約1200人が参加した。とりわけ、自衛隊は、「離島統合防災訓練」という独自の名称を冠して、海自輸送艦・「おおすみ」を筆頭に、陸・海・空の3自衛隊、総勢420人がこの「訓練」に参加し、「訓練」を主導した。「おおすみ」は、輸送艦と銘打ってはいるが、エア・クッション型揚陸艇(LCAC)を搭載している事実が示すように、強襲揚陸艦の機能、さらに全通甲板式でヘリ空母の機能をも併せ持つ巨大な軍艦だ。

 「総合防災訓練」は、「災害救助」と称してはいるが、実際には、自衛隊の治安出動訓練、自衛隊主導の内乱鎮圧訓練に他ならない。とりわけ、先島諸島(宮古諸島・八重山諸島)への自衛隊配備が進められ、これに対する労働者人民の闘いが高揚している中、先島を舞台に行なわれた今回の「訓練」は、「自衛隊配備に向けた宣撫工作だ」と、強い怒りと反対の声が上がっている。こんな「防災訓練」を、断じて許すわけにはいかない。

 「訓練」開始時刻の午後1時を前にした9月3日正午、沖縄青年実と沖日労の部隊は、那覇市の中心街・パレットくもじ前に登場し、情宣戦に取り組んだ。力強いアジテーションが一帯に轟く。ビラが吸い込まれるように受け取られていく。沖縄では、自衛隊への反発は強烈だ。安倍政府がどんなに「離島防衛」を叫ぼうが、「災害救助」を押し売りしようが、旧日本軍が行なった沖縄戦での「集団強制死」や「スパイ」の嫌疑による住民虐殺の事実は消し去ることはできない。自衛隊=「日本軍」への不信と怒りは高まるばかりだ。途中、道路を挟んだ向かいの県庁前で、右翼ファシストども数名が、権力に守られながら、「新基地賛成」、「琉球新報、沖縄タイムスを潰せ」、「アカは日本から出ていけ」等々とキャンキャン、ピーピーと遠吠えを発したが、沖縄青年実と沖日労の部隊は、この者どもを一歩も寄せ付けずに、労働者・市民の圧倒的な共感と支持を集めつつ、情宣戦を貫徹した。

 沖縄では、高江ヘリパッド建設、名護新基地建設という米軍基地機能の強化の攻撃とともに、自衛隊の強化、とりわけ陸自部隊の先島配備の攻撃も、一気に強まっている。今年3月には、与那国島に陸自・「沿岸監視部隊」の駐屯地が開設され、続いて宮古島、石垣島に「警備部隊」と「地対艦誘導弾部隊」、「地対空誘導弾部隊」を配備する計画が、強引に進められようとしているのだ。「防災訓練」前日の九月2日も、防衛省副大臣・若宮が宮古島を訪れ、宮古市長・下地に、配備予定地のゴルフ場・「千代田カントリークラブ」(宮古市上野野原)への施設配置案を提示した。3部隊、700〜800人規模を配備し、隊庁舎や宿舎、車両整備場、倉庫などを建設する計画だという。しかも、防衛省は、千代田地域への弾薬庫の配備は否定しているが、島内への配備は「今後の検討になる」としている。これに対して、「自衛隊こそが、先島に第2の沖縄戦をもたらす」として、住民たちの怒りと闘いが沸騰している。沖縄青年実は、「防災訓練」粉砕闘争を闘いぬいた地平に立ち、この闘いに固く連帯し、陸自部隊の先島配備を何としても打ち砕いていく決意だ。