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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

9・1「第37回9都県市合同防災訓練」粉砕闘争に決起
(1197号5面)

反戦・全学連、JRさいたま新都心駅頭で決起

 「防災の日」の9月1日、全国36都道府県で約100万人が参加して「防災訓練」が行なわれ、首都圏では、4都県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)と5政令市(さいたま市、千葉市、川崎市、横浜市、相模原市)による「第37回9都県市合同防災訓練」が、首都直下地震を想定して行なわれた。さいたま市を幹事とし、さいたま新都心駅前の再開発予定地を中央会場とした「第37回9都県市合同防災訓練」には、警察、自衛隊、消防、民間企業など136の機関、約1万人が参加した。

 規模の大きな訓練の場面には、必ず自衛隊が投入され、「情報収集活動訓練」「緊急交通路確保・道路啓開訓練」「列車事故救出訓練(負傷者救出救護訓練、搬送)」「航空機訓練(ヘリコプターで負傷者救出や搬送)」などを行なっている。投入された自衛隊は、陸自が第1施設大隊本部管理中隊(朝霞)、第32普通科連隊(大宮駐屯地)、第1師団飛行隊(立川駐屯地)、第12旅団第12ヘリコプター隊(相馬原駐屯地)、空自が中空司令部支援飛行隊(入間基地)、百里救難隊(百里基地)などであり、これが会場を圧倒した。第1師団は、別名「政経中枢防衛師団」と呼ばれ、36人からなる狙撃班を持っており、遊撃戦を軸にした大都市における市街戦専門の部隊であり、第12旅団は、「陸上自衛隊で唯一空中機動性を高めた旅団」と謳い、中空司令部支援飛行隊は、関東、中部及び近畿エリアの防空を主任務としている。こうした部隊が、「防災訓練」を主導し、会場を圧倒したのだ。まさに「内乱鎮圧訓練」そのものである。

「9・1防災訓練」を粉砕せよ

 この日の訓練には、小中高生940人、住民1100人も参加している。小中高生940人の参加は、飛びぬけており、中学生も、負傷者を担架で運ぶなどの訓練を、自衛隊に指導されて行なっている。戦争動員態勢形成の一翼として多数の小中高生が動員されているのだ。

 また、政府の「総合防災訓練」の一環として、中央防災会議議長の首相・安倍、防衛相・稲田などが参加し、「訓練」の視察も行なっている。

 9月1日、午前8時30分、反戦・全学連の部隊は、「9都県市合同防災訓練」会場の再開発予定地の目の前であるJRさいたま新都心駅に登場し、改札口外のコンコースに陣取り、すばやくヘルメットとゼッケンをつけ、横断幕を掲げる。「防災訓練」に参加する者などでゴッタ返すコンコースにシュプレヒコールがこだまする。「『9都県市合同防災訓練』を粉砕するぞ」「自衛隊の治安出動訓練を粉砕するぞ」「戦争動員態勢形成を粉砕するぞ」。埼玉県警は、反戦・全学連の部隊の登場に恐怖し、必死で抑え込もうとする。ビラを撒き部隊に対しては、マンツーマンでビラ撒きを妨害しようとし、公安は、早くやめろと執拗に警告を発してくる。こうした弾圧と対決しながら、コンコース上に響き渡るアジテーションを行ない、最後に、再びシュプレヒコールを叩きつけて闘いを締めくくった。

 自衛隊は、独自に、「自衛隊統合防災演習」を実施している。6月29日、30日には机上演習、7月5日から8日にかけては、指揮所演習(実働演習を含む)を陸・海・空の自衛隊7000人を投入して全国各地で行なった。この一環として、7月5日から9日にかけて、陸自は、「中部方面隊実動演習及び日米豪共同訓練(南海レスキュー28)」を、中部方面区(愛知県、岐阜県、三重県、大阪府、和歌山県、兵庫県)で、人員約5500人、車両約700両、航空機約10機を投入して実施した。これには、中部方面区の自治体及び関係機関(6府県3市町村26機関)が参加している。9月11日に行なわれる「ビッグレスキューかながわ」(神奈川県・横須賀市合同総合防災訓練)では、在日米軍も参加し、陸自武山駐屯地(横須賀市)を会場としている。武山駐屯地を会場とするのは、2012年に続いてである。

自衛隊の治安出動訓練粉砕

 9月1日の長崎県「佐世保市総合防災訓練」は、陸自相浦駐屯地をメイン会場とし、普天間飛行場(宜野湾市)配備の米軍の輸送機・MV―22オスプレイ2機が、物資搬送、医療チーム、負傷者搬送の訓練などを行なった。オスプレイの「防災訓練」への参加は、2014年10月の和歌山県に続き2度目であり、市町村主催の訓練でオスプレイが参加したのは初めてである。

 近年の「防災訓練」では、自衛隊の参加に加えて、在日米軍の参加が増加している。自衛隊基地、米軍基地の使用も増加している。昨年の「9都県市合同防災訓練」の中央会場であった「東京都・立川市合同総合防災訓練」では、米軍横田基地から米軍の航空機で物資を搬送し、参加した在日米軍は、陸軍、海軍、空軍であった。「防災訓練」という名の下で、自衛隊と米軍が共同で訓練を行なう訓練は、明確に軍事訓練である。2011年の東北・関東大震災時、米海兵隊が行なった「トモダチ作戦」を経て、米軍に協力要請する自治体が増えている。元東京都知事・石原慎太郎が「ビッグレスキュー東京2001(東京都総合防災訓練)」で米軍横田基地と赤坂プレスセンターを使用し、それ以降、米軍参加が推進されてきた。そして、今や各地に広がり、米軍参加と米軍基地使用が常態化しているのだ。自衛隊と在日米軍が共同行動で「防災訓練」を推進するのは、朝鮮反革命戦争遂行と表裏一体のものだ。許してはならない。