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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

 8・9長崎反戦闘争を闘う (1194号2面)

被爆71ヵ年を弾劾する

 8・9長崎反戦集会実行委員会に結集する労働者・学生は、8月9日、長崎現地において集会とデモに取り組んだ。

 1945年8月9日午前11時2分、米軍爆撃機・B29は、原子爆弾を長崎の街に投下した。8月6日の広島への投下に続くものだった。原爆は、その爆風と熱線によって一瞬で街を焼け野原に変え、膨大な労働者人民を虐殺した。さらに、放射能は、大地を汚染し、多くの労働者人民を被爆させ、45年12月までに約7万4000人の命を奪った。その後も、放射能で白血病、ガンを発症するなど、「原爆症」の犠牲になる人々が相次いでおり、原爆犠牲者は、今日までに、約16万9000人に達している。広島と合わせると、その数は、約46万人にのぼる。生き残った被爆者も、「原爆症」の病苦と厳しい差別のなかで、過酷な生活を余儀なくされてきた。

 原爆投下から71ヵ年を迎えて、長崎反戦集会実行委員会は、第1に、核武装論者にして戦争屋である首相・安倍の「平和祈念式典」出席を阻止し、日帝の被爆責任・戦争責任の居直りと原爆犠牲者の「英霊」化を許さない闘いとして、第2に、九州電力・玄海原発3、4号機(佐賀県)の今年度中再稼働が目論まれるなか、日帝による原発の再稼働と新(増)設の強行―原子力政策のゴリ押し的推進をとおした核武装化を阻止する闘いとして、第3に、帝国主義の国際反革命戦争の拡大・激化と核使用の衝動の強まりに対決し、とりわけ日帝・安倍による「安保法制関連法」を盾にした自衛隊の実戦軍化、憲法改悪に徹底対決し、本格的戦争突撃を粉砕する革命的反戦闘争として、8・9闘争に取り組んだ。

デモで「式典」会場に肉迫

 「首相・安倍の『式典』出席を阻止するぞ」、「日帝の核武装化を阻止するぞ」、「長崎反戦闘争を闘うぞ」。「式典」開始時刻が迫る午前10時30分、「式典」会場である平和公園の直近に位置する天主公園に、青ヘルメット・竹竿部隊の力強いシュプレヒコールが轟く。実行委員会の仲間が「10時35分から『式典』が開始されようとしている。被爆者の『英霊』化、安倍の出席を許さず、『式典』会場に進撃しよう」と力強く呼びかけ、部隊は直ちに断固たるデモにうって出る。「『式典』粉砕」、「核武装阻止」、「政府打倒」の声に、沿道の労働者・市民から、熱い注目が寄せられる。

 平和公園脇の地点では、「安倍の出席を許さないぞ」、「原爆犠牲者の『英霊』化を許さないぞ」、「『安保法制関連法』を粉砕するぞ」、「安倍極右政府を打倒するぞ」と、ひときわ高いシュプレヒコールを会場に向けて叩きつけていく。部隊は、権力の反革命弾圧、右翼ファシストの敵対を完封して、戦闘的デモを貫徹した。

熱気溢れる反戦集会を開催

連帯メッセージの紹介

 昼食をはさんで、午後からは、長崎県教育文化会館で反戦集会が開催された。司会の仲間が、「午前中の闘いで、われわれの怒りを、安倍に、『式典』会場に、叩きつけた。長崎反戦集会を成功させよう」と呼びかける。

 次に、福岡・築港日雇労働組合(福日労)の仲間が、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会からの連帯メッセージを紹介する。「7月22日、日帝国家権力により、沖縄『県』警、警視庁など全国から動員した機動隊数百の部隊が高江現地に送り込まれ、反対運動を破壊してヘリパッド建設工事の再開が強行された。沖縄青年実は、闘う沖縄労働者人民200人とともに機動隊と激突し闘いぬいた」「辺野古新基地建設については、八月上旬にも陸上部分の工事着工が目論まれている」「日本『本土』―沖縄貫く革命的共同で闘いに起ち上がろう」。会場全体に「よし!」の声が響き渡る。

 続いて、元原発労働者・原発労働裁判原告の梅田隆亮氏からの連帯メッセージが読み上げられる。梅田氏は、7月末の検査入院直後に病院で倒れたため、病床からメッセージは送られており、「昨年同様、ともに集会に参加するつもりでおりましたが…」と悔しさがにじんでいる。戦中・戦後の自らの体験がつづられ、「原発と戦争によって、国策によって、この国に痛めつけられている私です。原発と戦争が結びついたら核戦争ですよ。これを許さない気持ちは人一倍あります」「一回負けたぐらいで、へこたれるわけにはまいりません」「ともに闘い、生きぬいていきましょう」と、並々ならぬ決意が表明され、全体から拍手が沸き起こる。

基調の提起

 次は、基調の提起だ。実行委員会の仲間は、「日帝・厚労省による被爆者切り捨ての政策に対し、全国の被爆者が命懸けの闘いに起ち上がっている。『原爆症』認定を求め、国を訴える集団訴訟が闘われるとともに、被爆の実情を無視した『認定制度』そのものを廃止すべきだという訴えがなされている。しかし、厚労省は、原告勝訴の判決にことごとく控訴し、被爆者の訴えを無視し続けている。『在朝被爆者』にいたっては、『国交がない』として放置している」「今こそ、日帝の被爆責任・戦争責任を追及し、反戦・反核を闘う被爆者(2世・3世)と固く連帯して闘おう」「昨年8月に、九州電力・川内原発1、2号機の再稼働が強行されたことを皮切りに、全国でドミノ倒しのような原発再稼働が行なわれようとしている。今月12日には、四国電力・伊方原発3号機の再稼働強行が目論まれている。九州電力は、『原子力規制委員会』による玄海原発3、4号機の審査を昨年11月に再開させ、今年度中にも再稼働させようと息巻いている」「どんな大事故―大惨事を起こそうが、どんなに労働者人民が被曝しようが、お構いなしに原子力政策を推進するのは、すべて核武装のためだ。日帝が米帝同様の『戦争国家』として世界に撃って出るために、核武装を至上命題としているのだ。玄海原発の再稼働を絶対阻止しなければならない」「『安保法制関連法』撤廃、改憲攻撃を粉砕しよう。『戦争のための基地は沖縄にもどこにもいらない』と闘う沖縄労働者人民と連帯し、名護新基地建設阻止を闘おう。安倍極右政府を打倒しよう」と提起した。基調は、圧倒的な拍手で確認された。

参加団体が闘う決意を表明

 集会の最後は、決意表明だ。
 反戦青年委員会の同志は、「山口県知事・村岡は、今月3日、上関原発建設予定地の埋め立て免許延長の許可を中国電力に出した。上関原発の新設工事は、地元住民の粘り強い阻止闘争によって進まず、2011年の『福島第1原発事故』を受けて中断。免許延長の許可については判断を先送りされていた。今後、工事再開に向けた攻撃に拍車がかかるのは必至だ。原発新設を阻止すべく、共に闘いぬこう」と訴えた。

 全学連の同志は、「天皇の命乞いのために、原爆投下が強行された。天皇制は打倒あるのみだ」「いよいよ明文改憲が現実のものになろうとしている。天皇元首化、9条破棄が現実のものになろうとしている。断じて許すことはできない。実力闘争・武装闘争の爆発で、日帝の改憲―核武装を粉砕しよう」「本日の闘いを発射点に、今夏・今秋の革命的反戦闘争の爆発に向けて、最先頭で闘う」と決意を表明した。

 福日労の仲間は、「『反戦』と『仕事よこせ』の闘いを、組合活動の2つの柱にしてきた。昨夏の川内原発再稼働阻止―現地闘争には多くの仲間が駆けつけた。今年度中が狙われている玄海原発の再稼働も、絶対阻止すべく全力で起ち上がる。失業も戦争もない世の中を作るために、福日労は、最後まで闘う」と発言した。

 闘志あふれる決意表明に、参加者からは圧倒的な拍手が沸き起こる。全体で長崎反戦集会の成功と明日からの闘いへの決起を確認し、集会を終えていった。