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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

8・6大間原発建設阻止現地闘争に決起(1193号6面)

全国反戦が基調提起

 8月6日、全国反戦・全学連の下に結集する青ヘル部隊は、青森県大間町で建設中の電源開発(Jパワー)・大間原発建設阻止の現地闘争に決起した。日帝が核武装するために特別な位置を持たされている「世界初のフルMOX炉」建設を実力阻止するための、通算七度目の大間現地闘争だ。

 8月6日早朝、大間現地に到着した反戦・全学連の部隊は、建設中の大間原発直近の場所に布陣し、横断幕を広げ、青ヘルメットを装着し、旗ザオを持ち、実力闘争の隊列を整える。

 大間原発に肉薄する戦闘的なデモに先立ち、全国反戦の同志が起ち、基調的な提起を行なう。「Jパワーは、2014年12月に、大間原発の『安全審査』を申請し、『2020年度完成』『2021年度中の運転開始』に突き進もうとしている」「今年6月16日に、函館市付近を震源とする、震度六弱の大きな地震が起きた。MOX燃料集合体を炉心全体に用いる『世界で初めてのフルMOX炉』である大間原発は、『大事故』が起きれば、その影響は、『福島第1原発事故』の比ではない」「原発再稼働を推進する安倍極右政府の原子力政策の狙いは、核武装にむけた技術の蓄積と材料の確保である。そのために原発を再稼働し、『核燃料サイクル』計画を強引に推し進めているのだ。破綻しかけている『核燃料サイクル』計画において、『特別の役割』を果たすために建設が強行される大間原発の建設を阻止することが重要だ」「労働者人民の被曝なしには存在しえない原発は、即時に停止―廃止しなければならない。核武装のための原子力政策は、ただちに葬り去らねばならない。大間原発建設阻止の現地実力闘争を闘おう。日帝の核武装と対決し、本日の大間原発建設阻止現地闘争の大爆発をかちとろう」。提起された基調は、部隊からの圧倒的な拍手と「ヨシ!」の声で確認された、

大間原発建設阻止へむけた実力進撃デモを闘う

 連帯あいさつとして、「『有事法制』に反対する宮城県実行委員会」の呼びかけ人である日本キリスト教改革派亘理教会牧師・林茂雄氏からの発言を受ける。「原発は、事故を起こさなくても放射能を撒き散らしている。原発を何十基も作り、放射能を大洋の海水で薄め、『基準内』と言ってゴマかしながら放射能を撒き散らし、様々な生命を奪い続け、日本をとりまく太平洋などのきれいな海をずっと汚し続けている。許されるものではありません」「『さらに原発を作る』と言って世界の海を汚そうとしている。もの凄く罪深いことをやろうとしている。生命に危険を及ぼすのが放射能です。放射能を出すことを許してはなりません。原発は、全部無くさなければなりません。みなさん頑張りましょう」。林牧師からの力強い連帯あいさつに、部隊から圧倒的拍手が沸きあがる。

 午前9時、いよいよ、大間原発建設阻止にむけた実力進撃デモの開始だ。デモ出発地点から坂を上り切ると、日立や東芝といった原子力産業で利益を貪る資本の工事事務所が見えてくる。だが、そこには工事車両や作業員の姿はほとんど見えない。唯一、「原子力規制委員会」がJパワーに指摘した「地質データ不足」を補うためか、やぐらを組んでボーリング調査らしきものを行なっている様子が見えるだけだ。その作業に当たっている作業員も、「大間原発建設阻止!」と大書きした横断幕と旗ザオを手にした戦闘的なデモ隊に気付くや、一斉に視線を部隊の方にむけ、自らが行なっている作業が「フルMOX炉」建設を既定方針にしたアリバイ作りでしかなく、何ら道義性のないものだという自覚がある故に、自信のなさを漂わせている。これに対して部隊は、「大間原発建設を阻止するぞ!」「現地実力闘争を闘うぞ!」「『核燃料サイクル』計画を粉砕するぞ!」とシュプレヒコールを叩きつける。これに対して青森県警機動隊が規制に入るが、部隊は、これを一蹴して戦闘的なデモを貫徹する。いよいよ、工事車両入口ゲートにさしかかると、デモ隊の意気は、さらに上がる。入口を固める大間原発の職員やガードマンは、デモ隊の接近に動揺し、浮き足立つ。デモ隊は、入口ゲート全面を封鎖するように横断幕を広げ、旗ザオ部隊は、シュプレヒコールを叩きつける。機動隊の指揮官車が、早く入口ゲートからデモ隊を移動させようと「早くデモに移りなさい。部隊を滞留させるな!」とがなりたてるが、戦闘的部隊は、構わず、思う存分に怒りのシュプレヒコールを叩きつける。戦闘的なデモと入口ゲートを封鎖しての闘いを貫徹した部隊は、ゲート脇の空き地に移動し、総括集会を開始する。全国反戦の同志が「現地実力闘争の爆発が原発の再稼働・新(増)設を阻止する闘いとして決定的に重要であり、その闘いの貫徹を通して原発労働者の反原発決起を広大に実現していこう」と集約提起を行ない、再度、林牧師がマイクをとり、「本当に許しがたい原子力政策や、『集団的自衛権の行使』で戦争に突き進もうとしている日・米政府の攻撃を許さず、断固として粉砕していきましょう。生命をないがしろにする原子力政策と闘い、戦争へと向かう政府との闘いを皆さんと共に闘います」と、闘いへの決意を明らかにした。部隊は、これに「ヨシ!」の声で応え、最後に、再度シュプレヒコールを叩きつけ、当日の闘争を終えていった。

原発再稼働・新(増)設阻止、「核燃料サイクル」計画粉砕!

 大間原発建設阻止闘争の直前の7月22日には、「日本原子力研究開発機構」の高速増殖炉・「もんじゅ」(福井県)で、今年3月末までに行なう予定だった機器の点検が実施されなかった上、点検管理システムの警告が約3ヵ月間も見過ごされていたことが判明している。さらに、8月3日には、「もんじゅ」の使用済み燃料プールの水質が昨年11月から悪化し、今年5月まで改善していなかったことも判明している。改善しなかった原因は、プールの浄化フィルターに必要な樹脂が入っていなかったこととされている。現場では実に半年間にわたって警報が鳴り続けていたという。11月下旬に警報が鳴り始めても、担当者は、所長に報告もせず、所長も今年4月になって「不適合事象」と判断し、「原子力規制委員会(規制委)」に報告したのだという。このあまりに杜撰な対応に対して「規制委」委員長・田中も、「安全文化が欠如している証拠だ。どう言っていいか分からないくらいの深刻な問題を示している」と言わざるをえなり、「保安規定」違反という判断を出さざるをえなくなっている。

 一事が万事、「原子力安全神話」と隠蔽体質は、「福島第一原発事故」後も何一つ変わってはいない。「再稼働ありき」でザル同然の「安全審査」を繰り返す「規制委」や、原発による発電を「重要なベースロード電源」と位置づけて原発再稼働・新(増)設を推進する安倍極右政府の攻撃を許してはならない。核武装のために労働者人民を危険にさらし、原発労働者に過酷な被曝労働を強制しようとする安倍極右政府のやり口を許してはならない。大間現地闘争のさらなる爆発をかちとり、原発再稼働・新(増)設を阻止しよう。六ヶ所村の再処理工場運転開始を阻止し、「核燃料サイクル」計画を粉砕しよう。すべての原発の即時停止をかちとれ。日帝の核武装と対決する反原発・反核燃闘争の爆発をかちとれ。戦争遂行の安倍極右政府打倒へ進撃しよう。