7月23日午後5時より、「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」(辺野古実)の主催による、「安倍政権は辺野古新基地建設を断念しろ! 7・23新宿デモ」と銘打った新宿デモが闘いぬかれた。デモ出発前の新宿アルタ前の集会に、仲間たちが続々と結集する。この闘いに、東京・山谷日雇労働組合と明大社会思想研究会が結集した。
司会が、午後5時に集会開始を宣言する。冒頭、辺野古現地で歌われる歌・「今こそ起ちあがろう」を、参加者全体で斉唱する。司会は、「今、高江では大変なことになっています。今日のデモでは、辺野古とあわせて、高江のことも訴えていきたいと思います」とあいさつした。次に、主催者あいさつを、「辺野古実」の仲間が行なう。「7月22日、東村・高江の強行着工があった。同日、国が沖縄県を『辺野古違法確認訴訟』で訴えるという動きがあった。沖縄の新聞では、この2つを『二正面作戦』と言っている。さらに、官房長官・菅は、『キャンプ・シュワブの陸上部の工事をやらせてもらう』と言っている。とんでもない話だ。『民意』を踏みにじる安倍政権の傲慢な姿勢を許さない」「高江と辺野古は、一体の攻撃だ。高江は、オスプレイの訓練場である。北部訓練場の集約であり、機能強化だ。高江の工事にも反対の声をあげていきたい」「全国から500人の機動隊が、高江を制圧するように展開している。沖縄県警の500人と合わせて、1000人の機動隊が動いている。しかも、沖縄県の許可も無く、勝手に県道を封鎖している。高江に戒厳令が敷かれているということであり、抗議していきたい」「(辺野古では、)3月の『和解』をも無視して、陸上部の工事を進めようとしている。とんでもないことであり、抗議したい」「『辺野古違法確認訴訟』も、先の『国地方係争処理委員会』の決定を無視するものだ」「こうした安倍政権のやり方は、新たな『琉球処分』である」「あせっているのは日・米両政府であり、追いつめられているのは安倍政権である。私たちも、首都圏でできる、あらゆることを、これからも一緒にやっていきたい」。
沖縄現地から、「高江ヘリパッド建設反対現地行動連絡会」の仲村渠政彦氏の携帯電話越しの発言を受ける。仲村渠氏は、「7月11日、東村・高江に沖縄県警機動隊が投入され、工事強行用の拠点が作られた。翌7月12日、沖縄県警機動隊と、『本土』各県からの機動隊が投入され、まるで戒厳令下の『治安出動』のごとき厳戒態勢が作られた。闘う住民は、昼夜、機動隊と対峙することになった」「7月21日、支援者が車両156台を並べて、機動隊の侵入を阻止しようと構えた。機動隊が突入し、激しい攻防がなされたが、ついにゲートがこじ開けられた。工事は、これから本格的になる。工事阻止の闘いは、新たな段階に入った。みなさんの参集を願う」「安倍政権は、沖縄の闘いに敵意をむきだしにしている。このやり方は、安倍政権の弱さを示すものである」「沖縄の『民意』を無視するかのように、安倍政権が襲いかかってきた。このやり方は、『いつか来た道』そのものだ」「高江の工事が進めば、騒音や低空飛行によって、人の住める環境ではなくなる。平和に暮らすためには、『北部訓練場』撤去しかない」「今、私たちは、分水嶺に立っている。沖縄も、『本土』も、手を携えて共にがんばりましょう」。
その後も、結集する運動団体や環境団体が発言に起つ。最後に、「ピースボート」が、今後の首都圏での闘いの提起を行ない、さらに首都圏での闘いを強化する姿勢を示した。
午後6時、参加者全体でシュプレヒコールをあげる。「高江ヘリパッド建設を許さないぞ」「辺野古に基地を作るな」「米軍基地を撤去しろ」。続いて、靖国通りのデモ出発地点に移動し、夏の暑い日差しの中、新宿一周デモにうってでる。デモ出発時には、デモ隊の数は、300人となっていた。途中、名護新基地建設の先頭に起つ大成建設本社のある新宿センタービル前にさしかかると、シュプレヒコールのボルテージはさらに上がる。「大成建設は、戦争協力をやめろ」「大成建設は、辺野古から撤退しろ」「大成建設は、沖縄から手を引け」。デモ隊は、新宿駅西口、新宿駅南口を通過して、明治通りを北上し、新宿3丁目から伊勢丹前に至るコースを進んだ。デモ隊は、新宿を行きかう多くの人々の注目と声援を受ける。こうして、新宿一周デモは、熱気のうちに終了した。
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