関東大震災下朝鮮人・中国人大虐殺93ヵ年徹底糾弾
1923年9月1日正午前、マグニチュード7・9の大地震が関東地方を襲い、関東一円で10万9000棟以上が全壊、21万2000棟以上が焼失し、死者・行方不明者は10万5000人以上にのぼった。この関東大震災が起こるや、国家権力が真っ先に行なったのは、戒厳令の公布であった。そして、最大6万4000人の陸軍部隊、150隻の海軍部隊と全国から招集した警察力を関東一円に配備する。この戒厳令下で「不逞鮮人(ママ)が来襲して、井戸へ投毒、放火、強盗、強姦をしている」という悪辣なデマが、警察を軸にして大煽動された。国家権力は軍隊を治安出動させ、他方で在郷軍人会、青年団などのファシズム的地域組織を中心に自警団を排外主義で組織化し、武器を貸与し朝鮮人への「殺害許可」を与えた。こうして軍隊、警察、民間自警団による、6600人以上の朝鮮人・中国人の大虐殺が凶行された。
9月3日に、内務省警保局長・後藤が「各都道府県」の長官宛に流した電報は、「東京付近の震災を利用し、朝鮮人は、各地に放火し、不逞の目的を遂行せんとし、現に、東京市内に於て爆弾を所持し、石油を注ぎて放火するものあり。既に、東京府下には一部戒厳令を施行したるが故に、各地に於て充分周密なる視察を加え、鮮人(ママ)の行動に対しては厳密なる取締を加えられたし」 という排外主義にまみれ、憎悪に満ちたデマ煽動による「取締」要請だった。治安当局が放った「流言・飛語」は、燎原の火のごとく首都圏一帯に広がった。
戒厳令を先頭で推進した警視総監・赤池濃、内務大臣・水野錬太郎は、いずれも植民地支配下の朝鮮で朝鮮総督府官僚をつとめた。赤池は警務局長、水野は政務総監として、朝鮮労働者人民の抗日武装闘争に恐怖し、憎悪を抱き、1919年3・1蜂起の弾圧・虐殺などを担ってきた輩であった。こうした輩を中心に、国家権力は、在日朝鮮労働者人民の闘いの圧殺、日本労働者人民の闘いと在日朝鮮労働者人民の闘いとの共闘の破壊に踏み切るために、関東大震災を機に、大虐殺を強行したのだ。
警察、軍隊による虐殺に加えて、「朝鮮人暴動」のデマ煽動をうけて、自治体の指導もあり、在郷軍人会、青年団などのファシズム的地域組織は、自警団として再編され、競い合って朝鮮人虐殺を兇行した。朝鮮人の識別には、「15円55銭」と濁音を発音させる方法がとられた。これがうまくできない中国人や「言語障害」のある「障害者」も虐殺されている。
「流言・飛語」の大煽動の中で、排外主義にもとづいて凶行された大虐殺を断じて許してはならない。
吹き荒れる排外主義攻撃と対決せよ
朝鮮人虐殺に続いて、社会主義者の拘束と虐殺も強行されている。1917年ロシア革命をうけ、国内の階級闘争が激化・高揚し、朝鮮労働者人民の闘いとの連帯・共闘も前進していた。亀戸事件では、南葛労働会の10人が習志野騎兵第13連隊に虐殺された。日本共産青年同盟の初代委員長でもあった南葛労働会の河合義虎は、「朝鮮の労働階級の解放は、朝鮮労働階級が、民族運動から更に一歩を進めて、プロレタリア解放運動に転じ、民族自決によるインタナショナルに結ぶ運動に加わることが唯一の途であると思います」「日本の労働階級は、朝鮮植民地の絶対解放を叫び、経済的にも政治的にも民族差別撤廃を主張し、具体的に朝鮮より軍隊の撤去、日鮮労働者の賃金平等を要求し、運動上の完全なる握手と、同一戦線に立つことを、最大急務として努めなければなりません」と主張し、自らこれを実践していたが故に、他の南葛労働会のメンバーとともに虐殺されたのである。
関東大震災下での朝鮮人大虐殺は、朝鮮労働者人民への差別主義・排外主義攻撃を徹底し、朝鮮植民地支配を貫徹するために、当時の支配者どもが凶行したものだ。また、日朝労働者人民の階級的、革命的共同闘争の前進を破壊するものとして「亀戸事件」へと踏み込んだのだ。
反北朝鮮―反共・排外主義攻撃を粉砕せよ
関東大震災下の朝鮮人・中国人大虐殺と、その後に続く社会主義者への弾圧・虐殺をとおして、日朝労働者の共同闘争は破壊され、後退し、日本階級闘争は、日帝の朝鮮植民地支配、中国―アジアへの侵略戦争の拡大を許していった。このことを徹底して総括し、日本階級闘争の「負の歴史」の突破をかけて排外主義との闘い、日朝連帯、国際連帯の闘いの前進をかちとらなければならない。
4月14日に発生した熊本地震において、最初の震度七の地震から数分後には、ネット上に極悪の排外主義を煽動する書き込みがなされている。「熊本の朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだぞ」「熊本では朝鮮人の暴動に気をつけてください」「朝鮮人が井戸に毒を投げ入れ回ってるようです!!! 熊本県民の皆さんは自警団を組織して自己防衛に努めてください!!! 朝鮮人かの区別には『がぎぐげご』と言わせてみればわかります!!!」などというものが、「ツイッター」、「ライン」を介して一気に拡散した。今や、「流言・飛語」は、人を通してではなく、「スマートホン」の普及の中でインターネットを介して一気に拡散する。ここに書き込んだ者たちは、関東大震災時の排外主義煽動と朝鮮人大虐殺を知った上で書き込んでおり、極悪の排外主義虐殺煽動だ。断じて許してはならない。
7月31日投開票の東京都知事選に、「在特会」の前会長・桜井誠が立候補した。桜井は、公約として「都内在住の外国人への生活保護費支給停止」「都内の不法残留者を半減」「日本人に対して行なわれる反日ヘイトスピーチ禁止条例の制定」「朝鮮総連、民団施設への課税強化」「韓国学校の建設中止」などを掲げ、排外主義煽動を繰り広げた。そして、その桜井への投票は、約11万4000票(得票率1・7パーセント)であった。ヨーロッパ諸国での、「移民排斥」を唱えるファシスト勢力の伸長、米帝足下での「トランプ旋風」が吹き荒れる中で、首都・東京において11万を超える支持を得たということを見過ごしてはならない。ファシスト撃滅、ファシズム大衆運動粉砕を強力に推進しなければならない。
朝鮮反革命戦争突撃下で、極悪の差別主義・排外主義を煽り虐殺を煽動し、階級闘争の破壊へと手を染めるファシストを撃滅せよ。ファシストを撃滅することなしに日朝連帯闘争、外国人労働者と連帯した闘いの前進―日本階級闘争の前進はない。朝鮮反革命戦争突撃を粉砕し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の「核・ミサイル問題」「拉致問題」を口実とした、反北朝鮮―反共・排外主義攻撃を粉砕しよう。
9・1
関東大震災下朝鮮人・中国人大虐殺93ヵ年徹底糾弾
日朝連帯集会
・9月1日(木)午後1時
・東京都人権プラザ
・主催 日朝連帯活動者会議
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