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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

7・10海自護衛艦・「すずつき」のソマリア沖派兵阻止!
佐世保現地闘争に起つ
(1191号5面)

 7月10日、佐世保港から、ソマリア沖・アデン湾への「海賊対処行動水上部隊」第25次派兵が強行された。福岡県反戦は、福岡・築港日雇労働組合(福日労)の仲間たちとともに、出撃阻止の佐世保現地闘争に決起した。この日は、米原子力潜水艦・「コロンビア」が、5日前から入港し、事前通告なしで、オスプレイも頻繁に訪れるという佐世保現地での行動である。

 今回出撃したのは、護衛艦・「すずつき」(排水量5100トン)である。「すずつき」は、2014年3月就役したばかりの新造艦である。佐世保基地を定係港とする「あきづき」型護衛艦の3番艦であり、62口径艦載砲、高性能20ミリ機関砲、対艦ミサイル、魚雷などの殺傷兵器を満載している。これに大村航空基地からの哨戒ヘリを搭載し、兵員約210人、司令部要員約30人、8人の海上保安官が、呉出撃の護衛艦・「いなずま」とともに、総員約420人で、約1ヵ月かけてアデン湾へと向かうという。

 「国際貢献」という名目ではなく「日本の国益」を掲げ、小泉政府が衆院の差し戻しで強行採決した「海賊対処法」の期限が7月23日にせまったことから、この6月17日、安倍政府は、「国家安全保障会議(NSC)」と閣議を開き、1年間の延長を取り決めたばかりの出撃である。これで7回の延長がなされている。ソマリア沖の「海賊」は、昨年以来姿を現さなくなっているにもかかわらず、「ソマリアの貧困問題など、海賊を生み出す根本的な要因はまだ解決しておらず」(防衛相・中谷)と、何が何でも自衛隊の実践軍としての強化と、戦争への世論馴化を目論んでいるのだ。

 ソマリア漁民が「海賊」に追いやられた原因は、未だに解決されない周辺国によるマグロなどの乱獲と、ウランを含む「ゴミの投棄」によるものではないのか。こうした問題に居直り、帝国主義による貧困の強制を居直り、「貧困問題」をうんぬんするなぞ、盗人猛々しいというものだ。怒りなしではいられない。青ヘル部隊は、怒りも新たに佐世保現地闘争に決起した。

 午前9時30分、部隊は、青ヘルをかぶり、「自衛隊解体!」「佐世保基地解体!」のゼッケンを着け、佐世保基地を見渡す前畑岸壁に布陣する。赤旗が翻り、キリン旗を構える部隊周辺には、佐世保地区労をはじめとした、長崎県下の労働者たちが続々と結集する。午前10時前、「すずつき」がけたたましい警笛とともに姿を現す。ただちにシュプレヒコールが叩きつけられる。「出撃を許さないぞ」、「ソマリア沖派兵阻止」、「自衛官は出兵を拒否しろ」、「すずつき」の甲板に並ぶ自衛官にも、われわれの姿がはっきりと見えているはずだ。

 昨年9月に強行採決された「安保法制関連法」により、「集団的自衛権の行使」に突き進む安倍政府のもとでの派兵である。この日の参院選において、自・公をはじめとする改憲勢力が3分の2を越える議席を手に入れた。階級情勢を決するのは、決して議会ではなく、労働者人民の実力・武装の闘いである。全世界労働者人民決起に連帯し、現地実力決起にこだわりぬき、何としても安倍極右政府打倒の革命的反戦闘争の大爆発をかちとろう。