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7・2伊方原発再稼働阻止現地闘争に決起 (1191号1面)

伊方原発ゲートへ進撃するデモを闘う

 7月2日、伊方原発再稼働阻止実行委員会の青ヘル部隊は、四国電力・伊方原発(愛媛県伊方町)3号機再稼働阻止現地闘争に起ち上がった。3月21日の現地闘争に続く闘いだ。

 午前8時、伊方原発直近の道の駅・「伊方きらら館」に実行委部隊が結集する。ただちに、ヘルメット、ゼッケンで身を固め、部隊が布陣する。デモ出発に先立って、全学連の同志が現地闘争の基調提起に起つ。同志は、「四国電力は、今月7月26日に、伊方原発3号機の再稼働を強行しようとしている。現地闘争の大爆発で伊方原発3号機再稼働を実力で阻止しよう」「安倍政府が執拗に原発再稼働を推し進めようとしているのは、核武装が目的だからだ。原爆数千発分ものプルトニウムをため込んでいる日帝は、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を原子炉で燃やす『プルサーマル』計画を推進してきた。伊方原発3号機はMOX燃料を使う『プルサーマル』対応の原発だ。『プルサーマル』発電を許してはならない」「40年以上にわたって闘いぬいてきた地元反対派住民とかたく連帯し闘おう。原発労働者は、ストライキを闘い、原発再稼働阻止、原発廃止の闘いに起ち上がろう。原発再稼働阻止の現地闘争を闘う意義は、労働者人民の実力阻止闘争を組織化し、地元住民の闘いへの決起を組織化することにある。同時に、原発労働者みずからが再稼働阻止のストライキに決起することを呼びかけ、組織化することにある」と現地闘争の意義を鮮明に提起した。

 8時30分、伊方原発再稼働を阻止すべく、実行委の青ヘル部隊は、いよいよデモに出発する。旗ザオを手に部隊は、「伊方原発再稼働を阻止するぞ」「日帝の核武装を阻止するぞ」「安倍極右政府を打倒するぞ」「改憲―核武装攻撃を粉砕するぞ」「地元反対派住民と連帯して闘うぞ」「原発労働者はストライキで闘おう」とシュプレヒコールを発し、伊方原発に向け進撃する。デモコースは、海が迫る切り立った地形の険しい山道だ。デモ隊は、山道を一気に下っていく。デモ隊の横を時折、作業員を乗せたマイクロバスが通り過ぎていく。

 ゲートが目前に迫り、伊方原発が姿を見せる。部隊は、再稼働阻止の意気高く、ゲートに向け進撃する。部隊は、旗ザオを手にゲート前を制圧する。再稼働強行を狙う四国電力に怒りのシュプレヒコールを叩きつけ、デモを終了した。

 デモ終了後の集約提起で、実行委部隊は、7月26日とも目される伊方原発3号機再稼働の際には、再度現地闘争に起ち上がることを確認して、この日の闘いを終えた。

伊方原発3号機再稼働を現地実力闘争の大爆発で阻止せよ

 四国電力は、7月26日にも、伊方原発(愛媛県伊方町)3号機の再稼働を強行しようとしている。6月1日、四国電力は、地元の伊方町に対し、伊方原発3号機の「重大事故対策工事」がほぼ完了したことを報告した。四国電力は、先月6月24日から伊方原発3号機にMOX燃料16体を含む核燃料157体の装填を開始し、27日に終了したと発表した。四国電力は、7月22日から最終的な起動試験を始め、異状などがなければ26日に原子炉を起動し、29日には発送電を開始するとしている。営業運転は8月25日からとしている。

 伊方原発3号機再稼働は、2013年7月の「原子力規制委員会」による「新規制基準」施行後の九州電力・川内原発1、2号機(鹿児島県)、関西電力・高浜原発3、4号機(福井県)に続いて5基目だ。高浜原発3、4号機は、「プルサーマル」発電の原発だが、3月9日の大津地裁による運転差し止めの仮処分決定で現在運転を停止している。これを受けて関西電力は、6月17日、高浜原発3、4号機の核燃料計314体を8月上旬から順次取り出すと発表した。関西電力は、大津地裁の運転差し止め仮処分決定への執行停止を申し立てていたが、大津地裁がこれを却下したため、当面、高浜原発3、4号機再稼働のめどが立たないからとしている。伊方原発3号機が再稼働すれば、MOX燃料を使う「プルサーマル」発電の唯一の原発ということになる。原爆数千発分ものプルトニウムをため込む日帝が、このかん遮二無二推し進めているのが、プルトニウムを原子炉で燃やす「プルサーマル」だ。伊方原発3号機再稼働が執拗に狙われているのも「プルサーマル」発電だからだ。こんなことを許すわけにはいかない。伊方原発3号機再稼働を現地実力闘争の大爆発で実力阻止せよ。

伊方原発廃止―すべての原発の廃止をかちとろう

 伊方原発は、四国西端の佐田岬半島のほぼ付け根に位置し、瀬戸内海に面している。1号機(出力56・5万キロワット)は1977年、2号機(出力56・5万キロワット)は1982年、3号機(出力89万キロワット)は1994年に運転を開始し、「福島第1原発事故」後の2012年1月から全基とも運転停止中である。1号機は、廃炉が決定している。

 再稼働が狙われている3号機は、MOX 燃料を原発で燃やす「プルサーマル」対応の原発である。2013年7月の「原子力規制委員会」の「新規制基準」施行の当時から、伊方原発3号機が再稼働第1号と目されてきた。その第1の理由は、MOX燃料を燃やす「プルサーマル」発電の原子炉だからだ。「新規制基準」施行後の「プルサーマル」発電の原発再稼働は、今年1月、2月の関西電力・高浜原発3、4号機が先行したが、伊方原発3号機に続いて、九州電力・玄海原発3号機(佐賀県)再稼働が狙われているのも「プルサーマル」だからだ。

 昨年2015年7月、伊方原発3号機は、「原子力規制委員会」の「適合性審査」に「合格」し、これを受けて10月に地元愛媛県と伊方町は再稼働に同意した。地元の「同意」なるものが盛んに喧伝されているが、3月11日付「愛媛新聞」によれば、愛媛県民対象の世論調査で、「再稼働に否定的な意見は、65・5パーセントだった」と報道されている。同県民世論調査では、「再稼働に肯定的な意見は、34・5パーセント」で、否定的意見が大きく上回っている。四国電力など四国内のブルジョアジーどもが盛んに伊方原発再稼働を煽ってきたが、地元商業紙の世論調査ですら、再稼働反対の意見が圧倒しているのだ。

 四国電力が6月28日に行なった株主総会で、四国電力社長・佐伯は、伊方原発3号機について「全力を挙げ、確実な再稼働とその後の安全、安定運転の継続を実現していく」なぞと発言した。伊方原発直近は、熊本地震を引き起こした巨大断層・「中央構造線」の延長線上に位置する。熊本地震は今も収束しておらず、九州電力・川内原発同様、地震の直撃を受ける可能性が高いのだ。四国電力や「原子力規制委員会」がいかに「安全」を語ろうと、巨大地震の前に「絶対安全」なぞ、ありえない。こんな伊方原発は、絶対に再稼働させてはならない。

核武装のための原子力政策を粉砕しよう

 安倍政府は、全国原発の再稼働をあきらめようとしていない。関西電力・高浜原発をめぐっても運転開始から40年以上が経過し、老朽化している1、2号機についても運転延長が強行されようとしている。6月20日、「原子力規制委員会」は、関西電力・高浜原発1、2号機について、設備や機器などの老朽化の評価や対策が実施されているとして、20年の運転期間延長を認可した。運転延長をめざす老朽原発での「合格」は初めてだ。40年にもわたって中性子の照射を受けて脆くなっている原子炉であろうと「費用をかければ技術的な点は克服できる」なぞという「原子力規制委員会」のペテンにもとづく「認可」だ。絶対に許してはならない。

 安倍政府が、「原子力規制委員会」と電力会社の尻を叩き、「安全」「人命」をまったく無視して原発の再稼働と新(増)設に突き進むのも、破綻を重ねる「核燃料サイクル事業」にしがみつくのも、すべては核武装のためだ。原爆数千発分ものプルトニウムをため込んだ日帝が、プルトニウムを原子炉で燃やす「プルサーマル」計画にしがみつくのも核武装のためのプルトニウム保有政策の隠れ蓑に使うためだ。米大統領選において、共和党からの立候補者に、極右のトランプが指名される公算となった。トランプは、莫大な米帝の軍事負担への不平不満が米帝足下から上がっていることを背景に「自国の軍事予算削減のための日・韓の核武装容認」を主張している。こうしたトランプの言動に対し、さしあたり安倍政府は、5月6日に地方創生担当相・石破茂が核武装に否定的な発言をしているが、いかにもアリバイ的である。歴代の日帝政府の原発推進の狙いは、核武装の能力を確保することにあったのである。当の石破自身、「日本の原発が世界に果たすべき役割からも、核の潜在的抑止力を持ち続けるためにも、原発をやめるべきとは思いません」(「SAPIO」2011年10月5日号)と発言しているのだ。

 「福島第一原発事故」によって今なお膨大な労働者人民が、被曝―健康破壊と避難―生活破壊を強いられている。「事故」処理現場では多くの労働者たちが、多重請負構造のもと過酷な被曝労働を強いられている。原発労働者、周辺労働者人民の被曝なしには存在しえない原発は、即刻廃止しなければならない。核武装のための日帝原子力政策は、ただちに葬り去らなければならない。現地実力闘争の爆発で、全国原発の再稼働を阻止しよう。大間原発をはじめとする原発の新(増)設を阻止しよう。すべての原発の廃止をかちとろう。六ヶ所再処理工場の本格操業阻止、「もんじゅ」の廃炉をかちとり、「核燃料サイクル」計画を粉砕しよう。

 日帝・安倍政府による改憲―核武装攻撃と対決し、安倍政府打倒の革命的反戦闘争を闘いぬこう。反原発・反核燃闘争の大爆発をかちとろう。