解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

ヘリパッド建設阻止! 七月工事再開を許すな!
7・1高江現地集会が開催される〈沖縄〉
 (1190号6面)

北部訓練場メインゲート前に200人が結集

 7月1日午後1時から、東村・高江の「ヘリパッドいらない住民の会(高江住民の会)」と「高江ヘリパッド建設に反対する現地行動連絡会(高江連絡会)」の共催で、「高江現地集会(第9回報告会)」が、米海兵隊・北部訓練場(国頭村、東村)のメインゲート前(東村・高江)で開催された。

 3月〜6月は、国の特別天然記念物であるノグチゲラなどの営巣期のため、重機を使う建設工事が中断されてきたのだが、その期間が終了し、工事再開が目前に迫る緊迫した状況のもとで、集会は、もたれた。集会には、地元住民をはじめ、各地から約200人が参加した。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会(沖縄青年実)は、沖縄・首里日雇労働組合(沖日労)の労働者たちとともにこれに結集した。

 ヘリパッド建設は、米海兵隊・普天間基地(宜野湾市)の返還を盛り込んだ1996年の「沖縄に関する日米特別行動委員会」(SACO)の「最終報告」に基づくもので、「北部訓練場約7500ヘクタールのうち約4000ヘクタールを返還する代わりに、返還地にあるヘリパッドを、訓練場内の別の場所6ヵ所に移す」というものだ。

 しかし、新設されるヘリパッドは、実は、垂直離着陸輸送機・MV22オスプレイが使用する「オスプレイパッド」であったことが、「SACO合意」以後に判明する。要するに、それは、「移転」を虚偽名目にした基地機能の強化であり、名護新基地建設と完全に一体のものだ。しかも、それらは、高江の民家を取り囲むようにして建設される。住民の生活破壊をまったく顧みない、とんでもない計画だ。

 だからこそ、高江住民を先頭に沖縄労働者人民は、熾烈な建設阻止闘争を継続してきた。政府―沖縄防衛局は当初、「2007年7月の着手、2009年度の完了」を宣言していたが、住民を先頭とした頑強な抵抗闘争によって、これまで6ヵ所のうち、「N4地区」と呼ばれる2ヵ所しか建設できていない。

 焦った政府―沖縄防衛局は、今や、「訓練場の出入り口の県道に車両、テントなどを違法に設置し、工事車両が出入りできない」、「占用許可を道路管理者の県から得ていない」と言いなして、座り込みを続ける労働者人民に対し、それらを撤去するようしつこく「警告」するとともに、翁長「県」政に対しても、「完成した2ヵ所のヘリパッドがあるN4地区の出入り口に車4台と周りを囲む鉄パイプ、未着手のN1地区の出入り口に車3台と住民らが座り込むテントが長期間、設置されている」として、「所有者に撤去させるか、所有者が覚知できなければ自ら除去する」よう、執拗に揺さぶりをかけてきた。「新基地建設には反対だが、ヘリパッド建設は容認」という、翁長の矛盾姿勢を敵の側から徹底的に突きまくり、翁長の手で反対運動を潰させようと、けしかけているのだ。

高江ヘリパッド建設阻止へ

 これを受けて、6月28日には、沖縄「県」が、反対を続ける住民などに車両やパイプなどを撤去するよう求める「文書指導」を行なうに至っている。これに対して住民たちは、「文書指導は矛盾しているのではないか」、「どうして県がこのような文書指導をするのか説明が必要だ」と、強い抗議を突きつけている。

 焦りにかられた安倍政府―沖縄防衛局による工事強行策動の強まり、知事・翁長の動揺という中で、今回の高江現地集会は開催された。

 はじめに、「高江住民の会」が、「在沖米海兵隊トップのニコルソン中将は、『2ヵ月で終わらせる』と言っている。すでにN4では、オスプレイの訓練が夜10時過ぎは当たり前、11時近くまで、激しい爆音を轟かせながら行なわれている。オスプレイパッドの建設を許すわけにはいかない。やんばるの『国立公園』の指定、『世界自然遺産』への登録申請が言われているが、オスプレイの爆音が響き、おまけに銃声まで聞こえてくる『国立公園』や『世界自然遺産』がどこにあるか。北部訓練場の全面返還しかない」と提起し、続いて、「高江連絡会」が、1年間の活動と近況の報告を行なった。「昨年2月に、N4地区2ヵ所の使用が開始されてしまったが、N1地区、G地区、H地区の工事は完全に阻止している」こと、「昨晩から24時間の監視体制を開始した」こと、「『女性殺害事件』に抗議し、海兵隊撤退を求めるため、北部訓練場のメインゲートで、米軍車両の出入りを止める闘いを行なっている」ことを明らかにするとともに、工事阻止の闘いへの支援強化を訴えた。

 その後、「沖縄平和運動センター」、「沖縄平和市民連絡会」、「ヘリ基地反対協」、「大宜味村憲法九条を守る会」、「島ぐるみ会議東」などが次々に発言し、熱い決意を表明した。とりわけ、「沖縄平和運動センター」から発言に起った山城博治氏は、「県」が車両やテントなどの撤去を求める「文書指導」に入ったことについて、「県が撤去に手を出したら、われわれは必ず反撃する。そうしたら、翁長県政はひっくり返る。翁長県政が今あるのは、辺野古や高江で闘う民衆の起ち上がりがあったからだ。県は、そのことをよく考え、その声をよく聞くべきだ」と、強い警告を発した。

 最後に、閉会あいさつに起った「高江住民の会」の儀保昇氏は、「運動を始めた9年前にどんぐりの種を植えたが、もう木に育っている。それが大木になるまで、反対運動をあきらめない。監視活動、そしてメインゲートの封鎖に人手が要る。昼でも夜でも、ぜひ参加を」と現地集中を強く訴えた。

 集会の最後に、全員でメインゲートを制圧し、プラカードを掲げながらシュプレヒコールを米軍に叩きつけて、この日の行動を終えた。