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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

 6・23 「慰霊の日」闘争に決起〈沖縄〉(1190号4面)

安倍の「式典」出席阻止を闘う

 6月23日、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会(沖縄青年実)は、沖縄・首里日雇労働組合(沖日労)の労働者たちとともに、「慰霊の日」闘争に起ち上がった。

 6月23日は、沖縄戦において、摩文仁に追いつめられた第32軍司令官・牛島満をはじめとする司令部が自決―壊滅したことによって、組織的戦闘が終結した日とされる。沖縄戦は、天皇と軍部が「本土決戦」のための時間稼ぎの「捨て石作戦」を採ったため、意図的に住民を巻き込んだ凄惨な地上戦として展開された。このことによって、当時の沖縄人口の約4分の1に当たる12万人以上の沖縄労働者人民が犠牲になった。6・23は、沖縄労働者人民にとって、その犠牲者を追悼し、日帝による「新たな沖縄戦」の強要を拒否し、反戦の決意を新たにする日だ。

 日帝首相・安倍が「全戦没者追悼式典」に乗り込んで来る目的は、この「慰霊の日」の蹂躙だ。沖縄労働者人民の戦争と基地に対する怒りと闘いを力でねじ伏せるためだ。新基地建設を力ずくで進める安倍は、〈基地・沖縄〉の凶暴な推進者、「新たな沖縄戦」の強要者だ。沖縄労働者人民にとって、不倶戴天の敵だ。安倍の来沖―「式典」出席を断じて許すわけにはいかない。

 糸満市摩文仁の「追悼式典」会場直近の「平和祈念公園入口」交差点には、安倍を迎え撃つべく、闘う労働者人民が続々と集まる。「沖縄平和市民連絡会」によって、「すべての基地を撤去せよ!」、「いつまで沖縄を踏みつけるのか!」と大書きされた横断幕が掲げられる。周辺の路上には、沖縄「県」警ばかりでなく、警視庁の私服、制服どもまでが大量に配置されている。厳戒態勢だ。権力は、あらかじめ交差点の一角に鉄柵を設置していて、抗議行動に起ち上がった労働者人民をその中に押し込んだ。闘いの封じ込めを狙った卑劣な小細工だ。

 午前11時45分、安倍を乗せた黒塗りの車列が通りかかると、一斉にシュプレヒコールが叩きつけられた。「すべての基地を撤去しろ」、「安倍は帰れ」。安倍を乗せた車両は、嵐のような弾劾を浴びて、猛スピードで会場内に逃げ込んでいく。公園内で車両を降りた安倍は、そこでも、沖縄労働者人民から「帰れ」という指弾の声を浴びたという。

国際反戦沖縄集会が開催される

 12時45分からは、「魂魄の塔」近くで、第33回国際反戦沖縄集会が開催された。主催者を代表して、一坪反戦地主会の比嘉宏氏が、「安倍の暴走を止めよう」とあいさつし、海勢頭豊氏、きむ・きがん氏などのミニ・コンサート、紙芝居、ハワイ舞踊などを所々に挟みながら、諸団体、諸氏が発言に起った。

 「ヘリパッドいらない住民の会」の儀保昇氏は、「高江からの報告」と題して、「座り込みを始めてから丸9年が経ったが、ヘリパッド建設予定地6ヵ所のうち、4ヵ所はまだ作らせていない。完成したと言われる2ヵ所は、前からあった広場を整地した程度のもの。7月から予定される本格的な工事に対して、24時間体制で4ヵ所を見張る。メイン・ゲートを封鎖する」と熱く決意を述べた。「総理来沖抗議行動の報告」に起った真喜志好一氏は、「総理を守るために、機動隊のバスが警視庁をはじめ全国から20台も来ていた。そのなかで『安倍は帰れ』と抗議の声を上げた」と報告。「沖縄恨(ハン)の会」は、「『平和の礎』に刻銘されている朝鮮人は447名だが、この5年間は、完全に途絶えている。沖縄県が、『戦死したことが分かる公的書類がそろわなければ申請はできない』としているからだ。死亡認定を受けることなく行方不明のままになってしまった朝鮮人の数は、相当数にのぼる。沖縄の戦場から帰還できなかったすべての朝鮮人犠牲者の刻銘を」と訴えた。「辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会」共同代表の阿部悦子氏は、「われわれの故郷を壊して辺野古を埋め立てる。そんなことを絶対に許さないために、土砂搬出に反対する全国連絡協議会が作られた。埋め立て用の巨大なケーソンを作る三重県でも、『辺野古のケーソンをつくらせない三重県民の会』が結成されている。『一粒たりとも故郷の土を戦争に使わせない』をスローガンに、運動を強力に進めたい」と述べた。

 集会は、「わんから市民の会」の閉会あいさつで閉じられた。「女性殺害事件」を受けて、基地と安保、安倍政府に対する沖縄労働者人民の怒りは沸点に達している。反戦・反基地の闘いが一気に拡大している。その怒りと闘いの最先頭で、沖縄青年実は闘いぬく決意だ。